マグネシウム地金の国際価格が供給過剰感を背景に下落に転じた

January 04 [Sun], 2015, 1:36
上昇を続けていたマグネシウム地金の国際価格が供給過剰感を背景に下落に転じた。中国産の対日価格は5月4週時点でトン当たり2580―2600ドル(運賃込み本船渡し)どころで、5月2週から同40ドルほど下がった。「旺盛だった欧州勢の買い付け意欲が低下した一方、生産が増え在庫が積み上がっているようだ」(非鉄金属専門商社、タックトレーディングの上島隆社長)との指摘があった。 【在庫増加傾向】 マグネシウム相場は4月から緩やかに上昇していたが、欧州勢の調達意欲が後退。一方、中国の生産地で生産調整が終了し、在庫は増加傾向のもよう。相場は1月は同2700ドル台を維持していたが、2―3月にじり安で推移。 3月には2500ドル台まで下げた。「最大生産国の中国で大半のマグネシウム工場が赤字となり、操業停止や不良在庫の投げ売りが行われていた」(上島社長)。その後、3月末―4月上旬に底値を付け、2009年以来、約5年ぶりの安値水準まで下落。だが、そこを“大底”に上昇に転換、2600ドル台に乗せた。 業界に「ほとんどのマグネシウム工場が赤字操業である相場は受け入れがたいとの共通認識が醸成された」(上島社長)ことから意図的な生産調整が行われ相場が底打ち、上昇に転じていた。 需要面でも欧州勢の買い付けが堅調で余剰在庫が減少、需給が改善したことが強材料となっていた。だが、足元では再び生産が増加に転じており、需給緩和感が強まっている。 【生産過剰】 マグネシウムは世界供給の8割強を中国が占める。全体の4割強を占める最大生産地の陝西省の生産コストはトン当たり2600―2700ドル前後、陝西省に次ぐ主要生産地の山西省では同2750―2800ドル程度とされ、今回、なた豆茶の口コミが再びこの水準を下回った。 背景には世界供給の大半を占める中国の恒常的な生産過剰構造がある。主産地の陝西省の精錬所は石炭、コークスを主産物とし、なた豆茶の副作用とマグネシウムは副産物として生産。コークス生産から派生する余剰ガスをマグネシウム生産に使用する。 中国では、コークスの生産が増加。このため陝西省の精錬所は生産構造上、生産コストを下回る価格水準でもマグネ生産を止めづらい。このため多くのマグネシウム工場が赤字操業となる相場水準まで下げても供給を続けるという構造がある。 上島社長によると、これまでは中国の構造的な供給過剰状態を背景に9―10カ月間、じり安基調が続いた後、意図的な生産調整により2―3カ月間、100―200ドル急上昇するという相場パターンだったという。 今後の市況について上島社長は、「6―7月に向けじり安という展開も予想される。6月にかけて2540―2550ドルあたりまで下げ、その後に反転するという流れになる可能性がある」と予測する。 【軽量化で注目】 マグネシウムはアルミニウム合金の添加剤や軽量化ニーズを背景にした自動車部品向けが主用途。また、電子機器の筐(きょう)体などにも使われる。自動車分野を中心に、実用金属のうち最も軽量なマグネシウムへの注目が高まっている。 自動車業界では、環境負荷低減などを背景に燃費向上を狙い、世界的に軽量化が求められている。マグネシウムの比重はアルミの3分の2である一方、比強度、比剛性はアルミより高い。
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