鐘の音 

November 26 [Wed], 2008, 6:20
誰がために鐘はなる
終末の響き

誰がために鐘はなる
耳の奥深くに

心まで通じる
細い細い管の中で

何のためにか分からない
キリキリと軋むように
鐘の音が響く

私の中の
影の部分が現れては消える

誰がために鐘はなる
未来の無い誰かのため

誰がために鐘はなる
本当は分かっているんだ

本当は分かっている

幻影 

September 26 [Fri], 2008, 0:45
病室の窓から、涼しい風が吹き込んできた。
日も和らぎ、秋の気配を帯びた風が、病室のカーテンを揺らしている。

ベットには、男が横たわっていた。
目はうつろで、視線は定まらず、
何かつぶやくように、口を動かしている。

男は末期癌に冒されていた。
手の施しようもなく、死を待つのみの体。
男は理解しているのだろうか、何かを受け入れるような仕草も時折見られた。
たすけて。。たすけて。。そうつぶやいているようにも聞こえる。
誰に助けを求めているのか、聞き取れない。

そのとき、すーっと病室のドアが開いた。
誰かが入ってくる。

中学校の制服を着た少女のようだった。
ふわりと吹いた風のように男が横たわるベットの横に進むと、
置いてあった椅子に腰をかけ、男の手をそっと握り締めた。

男は少女を見る。目の焦点が見る見る少女に集中する。
大きな瞳、うす赤い頬。
男は思わず息を呑んだ。
「な、成瀬さん。。」
男はそうつぶやくと
「ずいぶん待たせちゃったね、準ちゃん。」
少女は、鈴が鳴るように心地よい響きを持った声で、そう言った。
「どうして?何でこの場所がわかったの?」
男の言葉は熱を帯びる。
「だって、準ちゃんがずっと呼んでたから。ずっと助けてって、私を呼んでたから。
ずいぶん久しぶりだね。準ちゃんはちっとも変わってないんだなぁ。」
「成瀬さんこそ、全然変わってないよ。ああ、君にあえるなんて夢のようだ。」
「どうしたの?ずいぶん大げさね。」
「ずっと伝えなきゃいけない言葉があって、ずっと会える機会を探してたんだ。
このまま、終われない。そう思ってたんだ。聞いてくれるかな。。」
男は躊躇いがちに少女に切り出した。
「本当に大げさね。ふふふ、聞いてあげるよ。言ってみて。」
笑顔の少女は男が何を話すのか知っているかのように、微笑んで見せた。
「その、あの、僕はずっと成瀬さんが好きだった。胸が張り裂けちゃうくらい。
胸の奥の奥まで、君色でいっぱいなんだ。サクラが満開だったあの日から、
ずっと言わなくちゃいけないことだったんだけど、何もかも失うのが怖くて。。」
少女は笑顔のまま頬を赤らめながら頷いていた。
「私も、準ちゃんのこと好きだったのよ。ずっとその言葉を待っていたの。
でも準ちゃんはいつもつれないそぶりばっかり見せるから、私の片思いで終わっちゃったんだなぁって
思ってたんだよ。」
「そうだったんだ。。」
男は張り詰めていたものが流れ落ちたようにそう言った。
「そうだったんだ。。そうだったのかぁ。。もっと早く伝えるべきだったなぁ。
こんな風になる前に、何で言えなかったんだろう。遅すぎたよなぁ。。」
少女は男の手を握って優しく話しかけた。
「全然遅くないよ!今始まったばかりじゃない!さぁ、一緒に行こう?
中学校に戻らなくっちゃ!皆待ってるよ!」
男の手のひらに、サクラの花びらが舞い落ちる。
男は中学校の制服を着て、13歳の笑顔になっていた。
少女が手を引いている。
「忘れ物はない?上履き持った?今日は体育の授業があるから、体操着も忘れないでね?」
「手をつないだままいくの?何か照れくさいなぁ。。」
男は、少女に引っ張られるように、足早にスニーカーを履いた。
「皆に冷やかされるかもね。それもいいじゃん?ふふふっ!」
男は少女と一緒に駆けていった。
幸せな笑顔に包まれながら。いつまでも駆けていた。

病室はすっかり夜の帳が下りていた。
男は大粒の涙を流しながら、ゆっくりと目を閉じた。
その顔は、満足そうに笑っている様でもあった。

その5日後、男は眠るように息を引き取った。享年37歳。
若いといえば若い。しかし男の背負った過酷な運命からすると、ちょうど良かったのかもしれない。

葬式当日、男の母親がある母子にお礼を言っている姿があった。
「遠いところ、わざわざ来てくださいましてありがとうございました。息子もどんなにか幸せだったかと思います。あんなに澄んだ目の息子を見たのは、本当に何十年ぶりだったか。」
涙混じりに男の母親が話す。
母子は、恐縮しながらも、足早に葬式会場を後にした。

「ねえ、お母さん、私あれで良かったのかなぁ。」
「なんで?」
「やっぱりお母さんがあのおじさんの手を握ってあげたほうが良かったんじゃない?」
「あなたじゃなきゃ、きっとダメだったと思うわ。」
自分の少女時代そっくりに成長した娘を見て、遠い目をしながら母親が答えた。
「あのおじさん、私が手を握ったら、大粒の涙を流しながら、意味のわからないことを喘いでいただけだったけど。。私は、笑いかけるのが精一杯だったけど、何か幸せそうだったなぁ。」
「準ちゃん。。」
母親は、目頭を押さえた。
「あのおじさん、準一さんだっけ?お母さんの初恋の人でしょ?」
「何でそう思うの?」
「へへぇ、顔に書いてるからさぁ。」
少女はおどけるように笑いながら、小走りをしてから、母親の顔を覗き込んだ。
「大人をからかわないのっ!」
「お父さんには内緒にしとくからぁ!やきもち焼いたら大変だもんね!」
「こらぁ!」
少女は笑いながら駆けていく。
鈴の音のような心地よい響きで。
「さよなら、準ちゃん。。」
母親は小さな声でつぶやくと、ゆっくりとした足取りで家路に戻っていった。

虫の音が響く、よく晴れた日の夕方。
寒いくらいの風が吹き渡る。秋もだいぶ深まってきたようであった。

消えない光 

September 25 [Thu], 2008, 21:17
今でも慣れることができない
キミの夢を見て
枕が涙でぬれることも
切なくて苦しくて胸が張り裂けそうになることも

25年前の春の思い出
はじめてあったキミは
大きな瞳で
うす赤い頬をして
鈴の音のような声でよく笑う
素敵な少女だった

キミを思うたび
僕の心を桜色の香りで包み込み
虹のように消えてしまう

キミの周りに漂う光の束は
病んだ僕の胸を射抜くたびに
鮮血の代わりに
涙のしずくが零れ落ちる

健全なる純粋すぎる気持ちが
夏の日のひまわりのように
輪郭すらも鮮やかによみがえさせる

そう、僕の手はついにキミに触れることはかなわなかった
キミに触れてしまうと
全てがガラスのように粉々になってしまいそうで
怖かったから

僕はキミの影だけ少し触れては
逃げることしかできなかった

キミには僕の思い出はないだろう

でも僕には君の存在が
消えない光として輝き続ける
消したくても消えてくれない光

僕はまたいつか
熱に浮かされたように
君の夢を見るだろう

胸を締め付ける痛みと
涙とともに

イレース 

June 27 [Fri], 2008, 1:29
消去しないことに意味はあるのかな?

私は生きてて幸せか?
楽しいか?
毎日が瑞々しいか?

苦しみの中で呻く様な毎日。
淋しさの涙が止まらない毎日。
動くことさえままならない毎日。

消去すればいいことあるのかな?

私が消えて何か変わるか?
私が消えて誰か気にするか?
私が消えて…それで?

誰からも消去されれば、後腐れなく消えることができる。
両親には申し訳ないが、こんな出来損ないを生んで欲しくなかった。

涙が止まりません。

悲鳴 

June 09 [Mon], 2008, 0:05
確実に蝕まれていく精神
先の無い未来

抜け出すために足掻いてみたが
もう手詰まりのようにも思える

このまま何の充足感も得られないまま
年老いてゆくのはあまりに虚しい

そもそも、幸せって何だった?
普通って何だった?

苦しみつつけることだけの毎日

積み重ねたものが崩壊した日から
自分の価値観までが変わってしまった

無駄な人生、無駄な時間
無駄な生命、無駄な疲労
無駄な希望、無駄な絶望
無駄な過去、そして無駄な未来

言葉も続かない

特に誰にも必要とされない存在って
こういうことだったんだ

誰に言われるまでもなく
自然に心に染みてくる音の無い波動

これ以上足掻いたら
何か見えてくるものなんてあるのかな

響かない悲鳴が
今日も心の中で揺れている

顆粒 

May 21 [Wed], 2008, 12:31
時に思うことがある。私は存在しているのかと。

存在意義は勿論全く無いのだが、物質的にも今現在存在しているかどうか怪しい。

抜け殻は沢山ある。

食い散らかしたパン、光ってる蛍光灯、ぐちゃぐちゃの布団、メガネ。

私は思う。だから私がいる。
そんな風には思えない。

私が私を思うとき、私の意識ははるか彼方にあるように思える。
意地悪な「果ての巨人」が、自分をコントロールしている。

そこに自分は無い。

私は思う。私など始めから存在しなかったのだと。

嘲笑 

May 05 [Mon], 2008, 0:00
キミは遥か先を見ているのだろう?

私を見ている振りをして

嘘をついているのはばれているんだ

私を透かしてどうするつもりなんだい?

私が抱えている憂鬱を哂うつもりなのかな

キミは元気で羨ましいよ

その丈夫な精神でどこへなりと行くがいい

私をかまう時間はもう終わりだよ

私は果てしなき未来を

終わってしまった過去と取り替えるつもりだから

綺麗なものがそこにはあるだろうか

もう関係ないかもしれないけど

苦しい 

May 04 [Sun], 2008, 23:48
苦しい

ただ一言

苦しい

私が何かしたのかな

何でこんなに苦しいんだろう

辛いばっかりで

いいことなんか何にもないよ

このブログっぽい書き込みも

ほとんど愚痴吐きに利用してるだけだし

この場所がなくなると

自分の居場所すらもなくなってしまいそうな気がするよ

自分、自分、自分

意識が引き剥がされそうだ

終わらしてもいいのかな

リピート 

April 25 [Fri], 2008, 1:38
キラキラしたものが欲しい

光が乱反射するような

キラキラしたものが欲しい

敷き詰めたビー玉みたいな

キラキラしたものが欲しい

心躍るような

キラキラしたものが欲しい

私が今一番遠くにいる場所で

キラキラしたものが欲しい

日常の中に潜む

キラキラしたものが欲しい

小さな小さな幸せの束

からっぽ 

April 21 [Mon], 2008, 0:05
人生って何だろう?
私が生きてきたのは、何か意味があるのかな?

完全に人生に行き詰っている感じがする。
打開策が見つからない。
焦るとパニくるし、答えなんてないし。

幸せなんてもう何年も感じてない気がする。

未来もなくて、過去は終わって、今何をすればいい?
何か壊せば道が開けるの?

もう壊れすぎて疲れちゃったよ。
このまま寝るとして、希望も何もない明日に目が覚めて、
そこに何があるの?

光がないのにも程があるよ。
なんだろうな、人生って。
諦めた人に残されているものってなんだろう?
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