結びつき生まれでる力の見事な結晶化 

2005年12月21日(水) 16時23分

桐材の細密で柔らかな性質を使った塑像である。それに生命を育む大地のイメージを重ね合わせたものであろうが、大地でもなく、生命でもない、つまり二分された世界ではない、大地そのものの持つ生命力、オーガニックな力を伸びやかな曲線とともに、文字通り有機的な筋力のような力を秘めたものとして表出している。大地は母に例えられるが、殿島満さ枝にとって、それは人々の結びつく力、あるいはファミリーといった象徴性を持たせ、それらの結びついた分かちがたい力が一体と化して次なる生命を芽ばえさせており、その点では人間であると同時に植物的なイメージとも繋がっている。つまり、動物とか植物とか、ここでも二分されない力として表されているが、見落とせないのは、それぞれの力が同根として発生し、生まれてくる新しい生命がまた手を伸ばして、相結びつくというイメージに昇華されていることである。美しい作品。

殿島 満さ枝
とのしま まさえ
Masae Tonoshima
大地
桐・胡粉
2000年制作
2000年 第22回日本新工芸展出品
2005年12月
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