葬儀屋さんでバイト

June 17 [Wed], 2015, 13:06
ふとしたことで思い出した。大昔のことだけど、学生の頃…葬儀屋さんでバイトしていた。クチは真一文字に閉じて、厳かな顔をして、知らない親族の啜り泣きが響く部屋でお見送りの準備を手伝って「おくりびと」なことをしたり。ちょっと思い出したので書いてみる。

グラグラとアスファルトが煮えるくらいに熱い真夏の日差しが照りつける湘南の海岸沿いの134号線を…上下黒のスーツ、白いワイシャツに黒いネクタイ、白い手袋、一丁前にサングラスなんかして、黒塗りのトヨタのセンチュリーを改造した後部座席に横たわる棺の中の仏さんとを2人きりでドライブ。

ユラユラと陽炎が揺れる夏の湘南のビーチは、人がワンサカと集まって砂浜は足の踏み場もなく、道路はクルマがあふれていて、プライベートならこんな時間に地元の人間なら寄り付かないんだけど、バイトなんだから…しゃーないと腹を括って渋滞の列にクルマを進める。

トロトロとしか進まない渋滞にハマりながら、会話のない二人きりのドライブ。このバイトを始めた頃は、仏さんと2人になることを恐る恐るでいたけど、怖がっていても仕事にならない。そう腹を決めたら、覚悟が出来た。

キンキンに空調の効いた寝台車から、海を眺めると…眩しい波打ち際で遊ぶビキニ姿の女の子たち。ほんの数十メートルの距離しか違わないのに自分の置かれた場所とは、全くの別世界。

あっちと、こっち。あの世と、この世。後生と、今生。

渋滞の中で寝台車のハンドルを握っている「オレ」と、波打ち際の「ビキニの女の子」。

たぶん、死んじゃってあの世に行っちゃったとしても、この状況とそんなに変わらないんじゃないかって思う。

それまで遠い存在だった“死”って出来事が、すごく身近になった反面で、“生”ってことに対してとても敏感になった。


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