遺伝コードの起源についての理論

March 12 [Tue], 2013, 17:20
地球上の生命体によって用いられている遺伝コードには変形は見られるにせよ互いによく似ている。地球上の生命体にとって、同様な利用価値のある遺伝コードはほかに多くの可能性があるのだから、進化論的には、生命の歴史のきわめて初期に遺伝コードが確立したことが、次のことを考慮しても示唆される。tRNAの系統学的解析によって、今日のアミノアシルtRNA合成酵素のセットが存在する以前にtRNA分子が進化してきたと推定された。[10]

遺伝コードはアミノ酸へのランダムな対応ではない。[11]例えば同じ生合成経路に関与するアミノ酸はコドンの第1塩基が同じ傾向がある。[12]物理的性質の似たアミノ酸はよく似たコドンに対応している傾向がある。[13][14]

遺伝コードの進化を説明しようとしている多くの理論に貫かれている3つのテーマがある(3つのパターンはこれが起源である)。[15]1つは最近のアプタマー(リガンド結合能のあるオリゴヌクレオチド)実験で説明されている。アミノ鎖の中にはコードする3塩基トリプレットに選択的な化学的親和性をもっているものがある。[16]これは、現在のtRNAと関連酵素によって行われている複雑な翻訳機構は後代になって発達してきたものであって、元々はタンパク質のアミノ酸配列は塩基配列を直接の鋳型としていたことを示唆する。もう一つは、今日われわれが目にする標準遺伝コードはもっと簡単なコードから生合成的な拡張プロセスを経て発達したと考える。この考えは、原始生命体は新しいアミノ酸を(例えば代謝の副産物として)発見し、のちに遺伝コードの機構に組み入れて行った、とする。現在に比べ過去にはアミノ酸は種類が少なかったと示唆される状況証拠は沢山あるが、[17]どのアミノ酸がどういう順でコードに入れられたかの正確かつ詳細な仮説は議論が大きく分かれている。[18][19]3番目は、遺伝コードでのコードの割り当ては、突然変異の効果が最小となるように自然選択が作用してなされたとする。

参照:Wikipedia「コドン

[PR]太もものムダ毛を綺麗に処理する

標準遺伝コードの変形

March 12 [Tue], 2013, 17:19
標準遺伝コードにはわずかな変動があるだろうということは早くから予見されていたが、[7]1979年までは発見されなかった。同年、ヒトミトコンドリア遺伝子の研究者が異なるコードを発見した。以来、わずかに変形したものが数多く発見された。[8] それらは種々のミトコンドリアのコードであったり、[9]Mycoplasmaの、コドンUGAをトリプトファンに翻訳するようなわずかな変更の見られるものであった。細菌と古細菌ではGUGとUUGが共通する開始コドンである。珍しい例では、同じ種でも特定のタンパク質で、通常使われるのと異なる開始コドンが使われる場合がある。[8]

タンパク質の中には、mRNA上のシグナル配列に変動があり、それに伴って標準的な終止コドンに他の非標準的なアミノ酸が置き換っている場合がある。関連文献で議論されているように、UGAはセレンシステインをコードし、UAGはピロリジンをコードしている場合がある。セレンシステインは現在、21番目のアミノ酸と見なされており、ピロリジンは22番目のアミノ酸と見なされている。遺伝コードの変形の詳細はNCBIウェブサイトで見ることができる。[8]

これまでに知られたコードにはこのような違いはあるにせよ、それらの間には顕著な共通性が見られるし、総ての生物でこのコード機構は同じであると考えられる。つまり、3塩基コドンであり、tRNA、リボソームを必要とし、コード読み取り方向は同じであり、コードの3文字を一度に翻訳してアミノ酸に変える点である。

参照:Wikipedia「コドン

重要な特徴 - 遺伝コードの縮重

March 12 [Tue], 2013, 17:18
遺伝コードは冗長であるが多義性はない(上掲のコドン表で全ての対応を見よ)。例えばコドンGAAとGAGはどちらもグルタミン酸を指定するが(冗長性)、どちらも他のアミノ酸を指定するということはない(非多義性)。一つのアミノ酸をコードするコドンは3つのヌクレオチドのうちどこかで異なる場合がある。例えば、グルタミン酸はコドンGAA、GAGによって指定されるが(第3番目の位置でヌクレオチドが異なる)、ロイシンはコドンUUA、UUG、CUU、CUC、CUA、CUGによって指定されるし(先頭と3番目の位置で異なる)、セリンはコドンUCA、UCG、UCC、UCU、AGU、AGCによって指定される(先頭、2番目、3番目の位置で異なる)。コドンのヌクレオチドの3つの位置の一つで異なるヌクレオチドによって同じアミノ酸が指定される場合、4重に縮重していると言われる。例えばグリシンのコドン(GGA、GGG、GGC、GGU)の塩基の第3番目の位置はこの位置でのヌクレオチドの置換全てが同義であるため、つまり、対応するアミノ酸に変化を起こさないため4重に縮重した位置である。コドンのうち3番目の位置のみで4重に縮重したものがある。コドンの3つの位置のうち一つであり得る4種のヌクレオチドの2つのみで同じアミノ酸が指定される場合2重に縮重していると言われる。例えばグルタミン酸コドンGAA、GAGの3番目の位置は2重に縮重しており、ロイシンコドン(UCA、UCC、CCU、CCC、CCA、CCG)の先頭位置も同じである。2重に縮重した位置においては同義性ヌクレオチドは常に何れもがプリンであるか(A/G)、ピリミジンであるか(C/U)であるため、2重に縮重した位置ではトランスバージョン置換(プリンからピリミジンあるいはその逆)のみが非同義である。コドンの3つの位置のいずれかでヌクレオチド置換によってアミノ酸が変化する場合、その位置は縮重がないといわれる。3重に縮重した位置は1つだけあって、4つのヌクレオチドのうち3つの変化がアミノ酸に変化をもたらさないが、残りの1つのヌクレオチドに変わるとアミノ酸が変わる。これはイソロイシンコードの3番目の位置である。AUU、AUC、AUAは全てイソロイシンをコードするが、AUGはメチオニンをコードする。計算上はこの位置はしばしば2重縮重位置として扱う。[4]

6つの異なったコドンでコードされているアミノ酸は3つある:セリン、ロイシン、アルギニンである。ただ1つのコドンで指定されているアミノ酸は2つだけある。1つはメチオニンで、コドンAUGで指定され、これは翻訳の開始も指定する。もう1つはトリプトファンでコドンUGGで指定される。遺伝コードの縮重はサイレント突然変異の存在を裏付ける。

縮重があるのはトリプレットコードが20のアミノ酸と1つの終止コドンを指定するからである。塩基が4つあるトリプレットコドンで少なくとも21の異なったコードを実現しなければならない。例えばコドンが2つの塩基だったら16アミノ酸しかコードできない(42=16であるから)。少なくとも21コード必要なので43=64のコドンが実現できてしまうことになって、縮重が起こるのが当然となる。

遺伝コードはこのような性質によって点突然変異のようなエラーに堪えるものとなっている。例えば、理論上4重縮重のあるコドンは3番目の位置の点突然変異がどのように起こっても問題はない。実際は多くの生物でコドンの利用の偏りがこのことに制限を与えるが。2重縮重のあるコドンは3番目の位置の可能な3つの点突然変異のうち1つが起こっても問題はない。トランジション突然変異(プリンからプリンへの、あるいはピリミジンからピリミジンへの突然変異)のほうがトランスバージョン突然変異(プリンからピリミジンへの突然変異、あるいはその逆)よりも起こりやすいから、このような2重縮重位置でのプリンの同等性あるいはピリミジンの同等性は、エラーに強い性質が付け加わることになる。

冗長性のもたらす実際上の結果は、エラーが遺伝コードに起こってもそれはサイレントであって、同じアミノ酸への置換しか起こさないから、タンパク質が変化して疎水性や親水性に変化を及ぼすというようなことはなく、タンパク質に影響の及ばないエラーであるということである。例えばNUN(Nはヌクレオチドを示す)というコドンは親水性のアミノ酸をコードする傾向がある。NCNはアミノ酸残基の大きさが小さく疏水親水性が中間的であり、NANは平均サイズの親水性アミノ酸残基、UNNは非親水性のアミノ酸残基をコードする。[5][6]

そうは言っても点突然変異が起こると機能の損われたタンパク質が作られる可能性がある。ヘモグロビン遺伝子に突然変異が起こって鎌状赤血球症が起こされる例を取り挙げてみよう。この点突然変異では親水性のグルタミン酸(Glu)が1ヵ所疎水性のバリン(Val)に置き換わっており、β-グロビンの可溶性が低下している。この場合には、突然変異によって、ヘモグロビンは、バリンのグループ間の疎水性相互作用が変化し、それが原因となって直鎖ポリマーとなり、赤血球は鎌状細胞に変形する。鎌状赤血球症は一般に新規の突然変異によっては起こらない。むしろ、マラリア常在地域においてこの遺伝子へテロの人々がマラリアのPlasmodium寄生体にいくほどかの抵抗性(ヘテロ体の有利さ)をもつことによって、自然選択作用によって存続している(サラセミアと同様なやり方である)。

このようにアミノ酸に対するコードに変化がもたらされる理由は、tRNAのアンチコドン1番目の塩基が修飾されることにある。こうして形成される塩基対はゆらぎ塩基対と呼ばれる。修飾される塩基はイノシンであったり非Watson-Crick対であるU-G塩基対であったりする。

参照:Wikipedia「コドン
P R
2013年03月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/yq72rlrs/index1_0.rdf
ヤプミー!一覧
読者になる