To all people happiness -15- 

January 16 [Fri], 2009, 14:29


ピピピ・・・ガガッ・・・


「こちら、東地区担当!空にアクマと見られるものが飛んでおります!」


ガガガガッ・・・ピピッ・・・


「こちら、西地区!レベル2のアクマが5体ほど上空におりますが、攻撃する様子を見せません!」





                          15 初任務




「なんなんだ・・・あいつら・・・」

グレアは空を見上げつつ、呟いた。

あのアクマ達・・・一体どうしたっていうんだ。
絶対、俺等がいることを分ってるはずなのに、攻撃してこない。
いつ攻撃してくるか分らないから、行動が取れないし、不安だ・・・。


早く・・・エクソシストが来てくれれば―――・・・



             ○ ○ ○



「へェ・・・これが対アクマ武器か・・・俺は槌でジジィは針?」

汽車の中で、ラビが槌となった対アクマ武器をクルクルと回したりしながら言う。

「対アクマ武器は、それそれ形が違うんだ。適合者がもっとも使いやすいものにした方がいいからな。」
「槌って使いやすいんさ?」
「それは知らん。」
「即答・・・」

思わず苦笑してしまうラビ。
「お前が使いやすいと思えば、使いやすいんじゃないのか?」と言いながら飛鳥は、窓から外をみた。


――もう少しで任務場所に着くはず・・・
   ・・・!


「ラビ、ブックマン、次の駅で降りた方がいいかもしれない」
「なんでさ?任務地はまだ先・・・「アクマだ」

「!」

飛鳥は、窓を開け、窓枠に足をかけた。

「俺は先に行く。ラビ達は次の駅で降りてきてくれないか?」
「先に行くって、もしかして、そこから・・・」
「ここから降りたほうが早い。」

汽車は、ものすごいスピードで走っている。

「んな・・・! そんなことしたら危ないさ!」
「もし、汽車が襲われたらどうするんだ。」




それは・・・と、ラビが言った時には、もう飛鳥の姿は無かった。







゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚

久々の更新。すみません・・・!
そして、ブックマンが一言も喋ってません。すっかり忘れてました((←
飛鳥さんの大胆な行動・・・。これにはラビも、びっくりです。
どうやら、窓から出るのは、日常のようです。(よいこは真似しないで)

それでは、また次回にて!

To all people happiness -14- 

September 14 [Sun], 2008, 15:39


                           -14- 届け物



「じゃ、これ、リナリーに届けておいてくれないか?」

教団に着くと、飛鳥は時計を見つつ言った。

「飛鳥は来ないんさ?」
「いや、さすがに無理になってきたから。」

あー・・・確か資料整理するとかいってたっけ。
そりゃ、そこまで付き合わせるのは悪いさな・・・。
俺は黙っていると、思い出したように飛鳥が言う。

「あ、司令室に行けばコムイがいるから、リナリーがいなかったらコムイに渡しておけ。」

「そうすればなんとかる。」とだけ言い置いて足早に去っていってしまった。
とりあえず、司令室に向かおうと足を進める。
司令室には今日だけで何回も行ったので、もう場所は分る。

「にしても重いさ・・・。」

荷物が重い。ケーキを作るだけで、こんなにも材料がいるんさ・・・?
まるで4歳くらいの子供を抱えているようだ。

「ラビ!」

リナリーの声がした。
いつの間にか食堂にたどり着いていたようだ。
あれ・・・司令室に行こうとしてたんじゃ・・・?
ま、いいさ。リナリーもいたことだしな。

「ごめんね。重かったでしょ?」
「そんなことないさ。飛鳥が途中まで手伝ってくれたから。」
「飛鳥は?」
「急ぎの用事があるみたいだった。」
「・・・そう。」

仕方が無さそうな表情そするリナリーだったが、「座ったら?」と言って微笑んだ。
長椅子に俺は腰掛ける。リナリーは荷物を机に置き、向かい側に座った。

「ラビはケーキ食べれる?」
「へ?あ、うん。食べれるさ」
「よかった。ケーキ嫌いだったらどうしようかと思った。」
「・・・俺に作ってくれるん?」

問いかけると、リナリーは首を横に振った。

「・・・ううん。兄さんに。」

じゃあ、さっきの質問て、聞いた意味があるんさ・・・?
苦笑を浮かべ、何も言えない俺を見て、リナリーが可笑しそうに笑った。

「なんてね。皆に作ってあげるよ。」

リナリーにつられ、自分も笑ってしまう。

「じゃ、楽しみにしてるさ。」
「うん。」

食堂の奥へと入っていくリナリーを見つつ、軽く息を吐いた。
その瞬間。
頭を何かで殴られる。そして机に頭をぶつける。
すぐさま激痛が襲った。

「何をやっている、馬鹿者。」

ジジィ・・・ッ
頭を手で抑えながら、ゆっくりと声の方を向いた。

「いつまでも部屋に来ないと思ったらこんなところで・・。」
「部屋の場所を聞いてなかっただけさー・・・。」
「・・・任務だ。室長から呼び出されている。」
「あー・・・今行く・・・。」

言い訳がジジィに通じないことは知っている。
いつもこんな感じだからな・・・。
ま、とりあえずついていかないと。


       ○ ○ ○


「てことで、飛鳥ちゃん、宜しく頼むよ。」

コムイは、困ったような笑みを浮かべ、任務の資料を渡す。
どうやら、もう俺が行く事前提のようだ。拒否権が無い。

「・・・分った。」

しぶしぶ頷くと、タイミング良くラビとブックマンがやってくる。
またあの眼帯と行動をとるのは面倒だが、任務なのでしかたがない。
俺はゆっくりと席を立ち、ブックマンに向かい一礼した。

To all people happiness -13- 

September 02 [Tue], 2008, 20:02

                              -13- おつかい


「太陽の光が眩しいさなー。」

空をあおぎながらラビは言った。
その様子を見て、「そうだな」と返事をする。
そして、手に持ったメモを見た。

「なんか、『ケーキの材料とその道具』って書いてるんだが・・・随分とアバウトだな。」
「リナリーがケーキ作りでもするんかね。」
「・・・できんのか?」
「リナリーは女の子さ。」
「・・・男っぽくて悪かったな。」

別に、そんな風に思われてもどうだっていいんだけど。
その一言で、ラビは「へ?」と聞き返してきた。

「失礼かもしれないけど・・・女?」
「一応。」

軽く頷くと、唖然としているラビをよそに、ケーキの材料がありそうな店に入った。


        ● ● ●


「にしても、いつまでおつかいすればいいんさー・・・。」

疲れ果てたような声でラビが呟く。
ラビは両手に、俺は右手に荷物を抱え、街を歩いていた。

「もう買うものは無い。それくらいの荷物、我慢しろ。」
「飛鳥は片手にしか持ってないからそんなこと言えるんさよ。」

呆れた表情で、持っていた荷物を左手に移し、ラビの荷物をとる。

「これでいいだろ。でも、三つは持てないから・・・それくらいは持てよな。」
「あっ・・・ありがとさー」

にこりと微笑むラビは、どこか違和感がある。
これって・・・本当の笑顔なんだろうか・・・?

「とりあえず、買うもんは買ったからな・・・帰るぞ。」

日が沈み始め、暗くなってきた街では、家の窓から零れる光で道を照らす。
俺とラビは、そんな街の中をゆっくりと歩いた。
何か言いたそうな顔をしているラビだったが、何も言ってこないので、こちらからは訊かなかった。
けど、ブックマンについて訊きたかったことがあるので、先に口を開いたのは俺だったが。

「ブックマンの職業って・・・。」
「ブックマン?」
「あぁ。」
「ブックマンてのは、この世の裏歴史を記録するもんさ。」
「裏歴史・・・?」
「表の歴史では知られていない歴史のこと。」
「へェ。」
「ブックマンは記録者だから、中立な立場。心はいらないさ。」

心はいらない・・・か。

「それって、俺達を見放すこともあるってことだよな。」
「まぁ・・・悪い言い方をするなら、そういうこともあるさね。」
「辛くないか?」
「・・・。」

珍しくラビは何も答えず、ただ、曖昧な表情を見せる。
そして、小さな声で「大丈夫さ。」とだけ言った。
再び、沈黙が訪れ、いつの間にか教団の地下通路の入り口にたどり着いていた。

To all people happiness -12- 

August 30 [Sat], 2008, 10:40
                             -12- リナリー・リーの強さ




「おー・・・飛鳥。どうだ、そっちの資料、もう終わりそうか?」

司令室につくと、真っ先に話しかけてきたのは沢山の資料を持ったリーバーだった。
痩せこけ、すごい隈ができているところをみると、もう何日も寝ていないんだろう。

「いや・・・悪いけど、全く終わりそうにない。」
「あ、いや。いいんだ。こっちは手伝ってもらってる身なんだし・・・」
「こっちの用件が済んだら、すぐに戻って終わらせるから。」
「本当にごめんな、2日前に任務から帰ってきたばっかりだってのに。」

リーバーは、一度手に持っていた資料を持ち直し思い出したように言った。

「そういえば、室長に呼ばれたのか?」
「いや・・・こいつ(ラビ)がブックマンと逸れて部屋がどこだか分らなくなったとかで、コムイに聞こうと。」

ラビはリーバーと目が合い、軽く頭を下げた。
困ったように頭をかきながら、リーバーは言う。

「そうか・・・けど、今、室長の方も一区切りついて、仮眠し始めちゃったんだけどなー・・・」
「あ、じゃあ、俺が1人で頑張ってなんとかするさ。」

今まで一言も喋らずに、リーバーと俺の会話を眺めていたラビが笑って言った。
俺は、少し焦ったようにラビの方を向く。

「え・・・?」
「いや、なんとかなるかなーって。」

なんとか・・・なるはずがないと思うんだが・・・。
ま・・・いっか。もしかしたら本当に何とかなるかもしれないし。
俺は「そう、じゃ。」とだけ言うと、そのまま司令室を出た。
後ろから「えー!!」と眼帯の声がしたような気がするが、そんなことは知らない。

自室に着くと、鍵穴に鍵を差し込んだ。
ドアを開けた先には、ものすごい量の資料が立ちはだかっている。
これから、この資料を全てまとめなくてはならない。

「・・・さて。」

やるか。とペンを握った瞬間、ドアがノックされる。
なんで、今日はこんなにタイミングが悪いんだろうか・・・。
「どうぞ」と言い、そのまま机に向かい、資料整理を始めた。
ドアが開かれ、入ってきたのは、教団一腹黒い・・・じゃなく、教団一シスコンの兄がいるリナリー・リー。
2つに結んだ黒い髪と笑顔が、可愛らしい雰囲気を出している。
・・・可愛いのは外見だけなのだが。

机に向かったまま俺は、「何した?」と聞く。

「ちょっとね、頼みごとをしたいんだけど・・・いいかしら?」
「悪いけど、この資料整理を今日中に終わらせなくちゃいけない。」
「そう・・・。」

困ったようにリナリーは言ったが、その後、小さな声で呟く。

「・・・そういえば、クロス師匠から手紙がきてたわよ。」

手紙、というと、なんとも微笑ましく思えるのだが、この場合は手紙なんかじゃないのは知っている。
多分・・・いや、絶対。どこかからの借金返済要求の手紙だ。勿論、俺にツケられている。
溜息をしながら、ゆっくりとリナリーの方に向き直り、手紙を受け取る。
案の定、借金返済要求だ。その金額ときたら・・・本当に・・・。
リナリーは、青ざめた顔をしている俺に向かって、笑みを浮かべ、言う。

「それ、飛鳥の名前で領収書切れば、教団で払ってくれるよ?」
「・・・そうなのか?」

顔を上げ、リナリーを見た。

「うん。この間、兄さんが言ってた。」
「へぇ・・・。けど、いいや。自分で払うから。」

確かに金は足りないのだが、教団の金を使うつもりはなかった。
特に根拠は無いのだけど、あまり教団には頼りたくない。

「そっか。」

リナリーは、その一言を言うと、廊下に出て行った。
俺は、2度目の溜息をつくと、また机に向かう。
そして、またドアが開かれた。

は・・・?

入ってきたのは、またもやリナリー。
そして、手にはさっきの眼帯・・・じゃないや・・・ラビ、だっけか。

「今度は何だ。」

振り向かずに問いかけると、リナリーが早口で言い始める。

「今、ラビが迷ってるって聞いたから、飛鳥、ラビとおつかいに行ってくれない?」
「はい?」

あまりの急な話に焦った俺は振り向く。
そこには楽しそうなリナリーと苦笑を浮かべたラビが立っている。

「だから、今は無理だって言ってる・・・」
「二人がおつかいに行ってる間に、兄さんにラビの部屋を聞くからさ。ね?」

深読みすると、「早く行ってこないとただじゃおかないわよ」と言っている。
完全に人の話を無視するリナリー。隣で苦笑しかできないラビ。
何回溜息をしたらいいのだろう。

「・・・分った。行けばいいんだな。」
「宜しくね、二人とも。」

満面の笑顔だけを残し、リナリーは足早に部屋から出て行った。
「黒いさ・・・」と、小さくラビが呟いたのが聞こえ、俺は鼻で笑うしかなかった。

To all people happiness -11- 

August 20 [Wed], 2008, 16:48
                         -11- 赤い髪のエクソシスト


教団に入ってから3年という月日が経った。
相変わらず科学班の手伝いは終わりそうにないし、コムイのシスコンには手の施しようがない。
なかなか会えないグレアには、少し寂しさをも感じる。
それは恋愛ではなく、友達としてなのだが。
神田の鍛錬に付き合っていたのだが、科学班の手伝いをするため、急いで自室に向かう。

あれ・・・?

廊下を見ると、眼帯の男と爺さんが立っていた。

1人は眼帯をしている。背は俺より高く、170ぐらいはあるだろう。
もう1人の爺さんは、長い髪が異様に上へ伸びているため、髪を含むと俺の身長と近い。
髪を除くと小さいのだが。

すると、向こうの1人――眼帯がこちらに気付く。
足早に、こちらに近寄ってきた。

「もしかして・・・エクソシストさ?」

さ? 語尾に『さ』?
多少違和感を感じつつも、質問に返答する。

「そうだけど・・・新しいエクソシスト?」
「そうなんさー・・・今日、入団しばっかりで。」

俺は「そうなんだ」とだけ言うと、眼帯の横を通り抜けようとした。
第一印象で『面倒そうな奴』と認識されたためである。
焦った眼帯は、通り抜けようとする俺の腕を掴んだ。

「ちょ・・・!! 待って!」

眼帯の手を振り放し、振り向く。

「まだ何か?」
「『何か?』って・・・そんな・・・まだ名前聞いてないさ。」

焦った笑みを浮かべる眼帯。

名前・・・?
そんなの後からでもいいのに・・・。
眼帯に対しての印象が変更される。
『面倒そう、じゃなくて絶対面倒な奴』、と。

「瑠堵李 飛鳥」
「ると・・・?」
「瑠堵李 飛鳥」
「・・・日本人?」
「日本人だ。」

「そっか」と眼帯は頷く。
何が『そっか』だ。

「俺はラビ。んで、こっちにいるパンダジジィが――・・・」

ラビが横を向く。
そして、目を見開く。

「・・・ジジィがいないさ。」

ジジィって、さっきの爺さん?

「そう、名前は持ってないけどブックマンて呼んでるさ。」
「ブックマン・・・」

聞いたことのある名前。
確か、裏歴史を記録するとかいう仕事をする奴だったな。
ふと、ラビの顔を見る。微笑みを浮かべこちらを見ていた。
右目にしている眼帯は、何故だか重苦しいのだが、赤い髪が印象を変える。
そして、左目はとても綺麗な緑をしていた。
だが、笑みを浮かべているような目はしていない。
なんだか・・・ただ俺を映しているだけ。
まるで、ガラスっぽいっていうか・・・なんというか・・・。

「どうしたんさ?」

顔の前で手を振るラビ。
我に返り、俺は1歩下がった。
言っておくが、これは引いているのではなくて、いつものクセだ。

「とりあえず・・・用件はこれで済んだだろ。」

立ち去ろうとする俺の腕をまたもやラビが掴む。
全く・・・こいつは・・・

「俺、ジジィから部屋の場所教えてもらってないさ・・・」
「なっ・・・」

部屋の場所くらい聞いておけよ・・・
溜息をすると、思いっきりラビの腹に蹴りを入れた。
蹴られたラビは、腹を抱えてしゃがみこむ。

「いってェ・・・何すんさ!!」
「司令室に行くぞ。」
「・・・へ?」
「司令室に行くと言っている。」

そういい、しゃがみこんだラビに手を差し伸べた。
まだやることが沢山残ってるのに・・・。


゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚
すみません。終わりませんでしたorz
いやー・・・どうせならこのまま進ませてしまおうかと・・・
タイトル名も変更になりました。
To all people happinessは英語で『全ての人に幸せを』と言う意味。
これは、誰か1人だけが幸せになるのでなく、全ての人が幸せになれるようにと考えたんですが。
得に上の意味は気にしません。だって、DグレはDグレだもん。((はい?
さて第二期、ということで宜しくお願いします!!

悲空に誓って -10- 

August 14 [Thu], 2008, 11:41
                              -10- 長イ旅


夜も更け、洞窟の外は月明かりだけが光を放っていた。
ゆっくりと深呼吸をすると、潮の香りがする。
砂浜の上を歩き、海の側までくると、俺はしゃがみこんだ。
そして、真冬の海の水の中に手を入れる。

「冷たい・・・」

遠くから見ると青黒い色をしていた海の水だったが、近くから見ると、とても綺麗に透き通っていた。

―――『これは俺の意思だが。』

ふと、先ほどの事を思い出す。
AKUMAにも、あんなことを言う奴がいるとは思わなかった。
どうも、AKUMAはあまり良いイメージを持った事が無い。当たり前なのかもしれないが。

「なにやってんだ?」

後ろから、聞いたことのある声がした。
振り向くと、コートを持ったグレアがいる。

「いや・・・得に何も。」
「ほら、この季節にその格好で海にいると風邪引くから。」

確かに、薄い長袖一枚、長ズボンでいたため、今更だが寒気がしてきた。
コートをいつものように投げて寄こされる。
そのコートは、白く胸から腹あたりにかけて小さなポケットが3つあるという、あまり見たことがない形だった。

「これ・・・どこから・・・?」

不審そうにグレアを見ると、グレアは苦笑を漏らし、言った。
俺が行かなければいけない場所の名を。

「黒の教団から支給されてるんだ。」
「・・・黒の教団って、俺が行こうとしてる・・・」
「そう。そこだよ。」
「ということは――・・・」

「言い忘れてたが、俺は黒の教団探索部隊(ファインダー)所属、グレア・セイレット。」

探索部隊(ファインダー)・・・?
唖然としている俺に手を差し伸べ、微笑みを作るグレア。

「お疲れ様でした、飛鳥。そして――」

何の躊躇もなく、グレアの手を掴んだ。


「これからも宜しくお願いします。エクソシストさん。」






         ● ● ●







「・・・師匠が?」

馬車に揺られて2時間。だんだんと硬い椅子の上に座っているのがきつくなってきた。
俺は、眉をしかめてグレアに聞き返した。

「はい。飛鳥さんと会う3週間前、実はクロス元帥に会いました。」
「へぇ・・・」

流れていく景色に目を逸らしつつ、軽く相槌をうった。
グレアは、そのまま話を続けた。

「そこで、今回の事件を解決させるように、との命令があって現に至ります。」
「師匠・・・」

呆れ混じりの溜息がでる。
そんな素振りは全く見せなかった師匠。
いや、試験みたいにしたかったのは分るんだけど・・・まぁ、いいか。

「というか、なんでお前はいきなり敬語になったんだ。」

グレアは、きょとんとした顔をしていたが、笑みを浮かべて言い切った。

「何を言っているんですか。僕は初めから敬語でしたよ?
「・・・は?」

驚きの声をあげてしまう。
僕? 敬語?
え、ちょっと。変な嘘をつかれても困るんだが・・・。

グレアは人差し指を口にあて、静かに、というポーズをとった。

「色々と厳しいんだよ。なんか年下だとしてもエクソシストなら敬語使え、とか。」

小声で、先ほどとは全く違う言い方になった。
聞いたのは俺だが、あまり興味はなかったので、「へー」とだけ返事をする。

「・・・ま、とりあえずここは二人だけだからいいんだけど、馬を操ってんのが先輩だからなー・・・」

独り言を言って、大きな溜息をつくグレア。

「というか、黒の教団て遠いんだな。」

話題を変え、先ほどから思っていたことを述べる。

「まぁ・・・出発地点があそこだったし・・・。」
「にしても、もう2時間は経過してる。」
「だから、遠いんだってば。」

呆れたように笑っているグレアを見てから、また窓の外へと視線を逸らした。

「少し寝てたら? 椅子、痛いけど。」
「そうする。着いたら言ってくれ。」
「着いたら、というより昼飯になったら、だけどね。」
「ちょ・・・今はまだあさの7時だぞ」
「あと2日はかかるから」
「・・・。」

あと2日も・・・疲れるな・・・きっと。

そんなことを考えつつ、俺は目を閉じ、眠りについた。

゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚
最後が死んだみたいになってしまった;;
飛鳥は死んでませんよ!!
ついに、次回で悲空に誓って、も(多分)最終回。
グレアはファインダーという結果。猫かぶりが大得意。((何
で、今、気がついたのですが。
Dグレキャラが全く出てないことに気付いた。
本当は、戦ってる時にリナリーあたりでも登場させる予定だったんですが・・・いつの間にか違くなって;;
やっちまったな(^ω^)(効果音でテヘ☆)
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8月8日 ブログコメント返信
みゆ様>いや、もしかしたら幽霊になってマリアさんが出てくるかもしれないy((嘘
      マリアって名前は、適当につけたので得に意味がないです(^ω^)((オイ
      あ、飛鳥は師匠ともう会ってますよ。(1話目参照)
      これは黒の教団に入る直前の話なんでね。
      師匠のおかげで(?)金に敏感になってしまいました☆((←

悲空に誓って -9- 

August 08 [Fri], 2008, 17:35
――『敵は私だけじゃない。よく周りをみてみろ。』
ラインさんの言葉が俺の中で引っかかっていた。


                             -9- 崩レタ家族


・・・なんだろうか、この香り
どこかで嗅いだことがあるような気がする。

「やっぱり、貴方は生かしておくべきじゃないわね」

後ろから、声がした。
AKUMAとなったラインさんの声ではなく、あの声。
まさか・・・あの人が・・・

俺は、なんとか手を振り払い、振り返る。
すると、暗かった洞窟はいきなり明るくなった。

「この事件、やっぱりあんたも関わってたのか・・・」

信じたくない真実。けど、信じなくてはならない。
目の前に立ってた人物は――・・・

「マリアさん。」


腰まである黒髪。優しかった顔。
けど、今は・・・

「気付いてたのね。」
「いや、さっきのラインさんの言葉でだ。」
「そう・・・今、貴方をそのまま帰らしちゃって後悔してたところよ」

笑顔を見せるマリアさん。
その笑顔は、昼間に見たようなものではなく、冷たく、見た人に恐怖感を与える。

「ま、別にこのAKUMAを壊されても大丈夫なんだけどね。伯爵様にお願いすればいいもの。」
「どうして・・・」

昼間、いつまで待っても帰ってこない娘と夫を心配して泣いていたマリアさんが頭に浮かんでくる。

「あんたは・・・ライクさんと娘さんをあんなにも大事に思ってたじゃないか!!」

俺の怒鳴り声が洞窟内に響き渡る。
すると、突然マリアさんが高笑いし始めた。

「私が? そんなことは一度もないわよ!」

酷い・・・そんなこと、だなんて・・・
自分の中に怒りが込みあがってくるのが分る。
俺は、マリアさんのところまで駆け寄り、頬を思いっきり叩いた。殴った、ともいうのかもしれない。
どのくらいの力を入れたのかは分らなかった。
ただ、殴られたマリアさんは洞窟の隅までとんだ。

「金の無い奴なんて、私には要らないの」

どうやら、まだ気を失ってはなかったようだ。
洞窟の壁を伝って、よろけながらマリアさんが立つ。

「夫が会社を辞めた日。私は娘を殺し、夫には、『友達と洞窟に行ったっきり、帰ってこない』って嘘をついた。」


立ち上がったマリアさんをみると、そこには自分の欲望に囚われたような暗い目をしていた。
目が合った途端、俺は、なんとなく背筋がぞっとする。

「娘なんか居たって、ただ金がなくなるだけじゃない。そんなのは御免だわ。
夫と私は、洞窟に来て、私が娘を殺したことを告げると同時に伯爵様が現れた。」
「そこで、ラインさんはAKUMAになったのか。」

マリアさんがにやりとした表情に変わった。

「そうよ。伯爵様が、AKUMAのレベルアップをしてくれたらお金をくれるって言ったのよ。」
「・・・世の中、お金さえあればいいって考えかよ・・・残酷なもんだな。」

その不気味な笑みにつられるように、俺は鼻で笑った。
本当に、世の中は残酷な冷たい世界だ。
ただたんに、金儲けのために人殺しがあるだなんて――・・・

「それの、何が悪いのかしら?個人の自由じゃない。」

なにを。平然と物事を言うように・・・

「いいや、俺は、そんなことが悪いとは一言も言ってないけど? 人の話はちゃんと聞くことをお勧めするぞ。」

この人にとって、夫は金ズル。
娘は、ただのおもちゃ。
そんなの・・・俺は・・・

「俺は・・・金に関しての人殺しは大嫌いだ!!」

俺が、またマリアさんの近くに行こうとした瞬間。
ふっと、横を何かが通り過ぎた。

「・・・?」

足を止めると、銃声が鳴った。
マリアさんの所にはAKUMAとなったラインさんの姿が見える。
そして、その影となって見えなくなっていたマリアさんは――粉と変化していた。

少しの風が吹き、マリアさんは跡形もなくなった。
AKUMAに向き直り、戦闘態勢にはいる。

これが、妻がブローカーとなり、夫と娘がAKUMAとなった家族の成れの果て。

「あんたもAKUMA、だもんな」
「これは俺の意思だが。」

どうやら、こちらに攻撃を仕掛ける気は向こうには無い様。
俺は、ゆっくりと銃を構え、引き金を引いた。


「やっと、戻れる・・・二人とも・・・」


銃声が響いた後、爆発音が銃声よりも大きな音で洞窟内で響いた。

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はい、中身が薄い小説ですみませんorz
というか、微妙に設定を間違ってしまいました。
ラインが娘さんを呼んだら、娘さんの魂がAKUMAの中にはいるから、皮となったラインさんの意思はありませんよね・・・確か。((ぇ
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7月31日ブログコメント返信
みゆ様>THE 幽霊☆・・・じゃなくって、正体はマリアさんでした(^ω^)
      いつもコメント有難う御座います!!

悲空に誓って -8- 

July 31 [Thu], 2008, 17:05
                          -8- 明かされない真実

「今夜。またあの洞窟に行くから。」

屋敷を出た後、何も話をせずに街へと戻ってくる。
そして、街に戻ってからの第一声がこれだった。

「・・・了解。いってらっしゃい。」

俺の後ろについていたグレアは、呆れたようで楽しそうな笑みを浮かべている。
勿論、俺は見ていなかったが。多分、だ。

「何か分ったのか?」
「・・・いや、また分らなくなった。」

どうして、ブローカーのはずのライン氏までもが行方不明になるんだろうか。
険しい顔をして悩んでいる俺を見つつ、グレアは言う。

「その前に、何か食べないか?」

グレアが近くにあるレンガ造りの建物を指差した。

「・・・賛成。」

店に入ると、美味しそうな香りが漂っていた。


         ● ● ●



「んじゃ。気をつけなよ。」
「あぁ」

夜中の1時。
俺は、また例の洞窟に入っていった。
もう、ここに来るのは最後となるだろう。

「・・・あら? また来たのね。」

透き通った声が洞窟の中で響いた。
また、あの女が出てきたことが分る。
いや・・・あの男、とでも言うべきか。

「あぁ。お前には色々と世話になったしな。お礼をしにきた。」
「お礼?」
「お前は分らないだろうけどな。」

多少の嫌味も含めたが・・・まぁ、いい。

「まさか・・・私を壊そうって言うの?」

お、自分から言ってきてくれたか。
というか、こいつ・・・俺がエクソシストだってことを知ってたな。

「いつ、俺がエクソシストだと分ったんだよ。」
「もう会った時から。貴方のイノセンスに気付いたの。」
「じゃあ、やっぱり、お前はAKUMAなんだな。」

静かな洞窟で、機械音が響き始めた。
それと同時に、甲高い笑い声も聞こえる。

「残念ね・・・貴方、エクソシストにはなったばっかりでしょ。」

・・・!!

「団服を着てないから、そのこともすぐに分ったわ。」
「団服?」

眉を顰め、聞き返す。
黒の教団の団服、ってことか?

「もう、貴方は知る必要は無いわ。ここで私に殺られるんだから。」

その言葉の後、殺意を感じ、イノセンスを発動させる。
すると、AKUMAの笑い声が増した。

「そしてね。この場所で、拳銃は不利なのよ。」

確かに、この暗闇で弾を撃つことはできない。
相手が何処にいるのか分らなければ、的がない。
けど、これはただの拳銃じゃない。イノセンスだ。

「・・・不利だと思うか?」

「え?」と、相手が聞き返す内に攻撃する。


―― Io confermo un scopo!


笑い声が一瞬として消えた。
どうやら、まだAKUMAは壊れていないらしい。機械音のみが聞こえる。

「・・・お前、イノセンスの怖さを知らないだろ。」

相手から返事がこないことを知りつつ、続ける。

「イノセンスは、俺達ができないと思ってることまで、いとも簡単にやっちまう。」

科学では、証明できないほどだ。イノセンスは、この世の万物じゃねェんだろうな。

「そして、イノセンスはAKUMAを破壊するためにある。」

悲劇で作られてしまったAKUMAを開放するために。

「これで、もうあんたは辛い思いはしなくていいんだ。ラインさん――・・・」
「・・・なんで分る。」

透き通った声は、いきなり低くなった。

「ここでなんかの事故があったんだろう。あんたの娘さんは亡くなったんだな。」
「・・・。」
「その後、千年伯爵に出会い、『娘が生き返る』という甘い罠にひっかかった。」

そして、悲劇が生み出され、ラインさんはAKUMAとなる。

「・・・違う。」

ラインさんは、一言で言い切った。

「私がお前に壊されても、また新しいAKUMAがくるぞ。」
「新しいAKUMA・・・?」
「敵は、私だけじゃない。よく、周りを見てみろ。」

・・・ラインさんと、娘さんだけが敵じゃない?

拳銃を構えつつ、俺は動きを辞めた。
その時、後ろから口を手で塞がれたのが分る。

その手は、恐ろしいくらいに冷たく感じられた。

゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚
ちなみに、Io confermo un scopo!はイタリア語で目標を確認!という意味です。(多分)
発音は知りません☆((オイ
ついでに言うと、この時の飛鳥さん、9歳です。
頭が良過ぎる設定。どうやら父親に世界の言葉を仕込まれたみたいです。
母親は、普通に勉強を教えるぐらい。学校には行ってません。
だからって飛鳥もガリ勉はせずに、自由気侭に過ごしてた。

悲空に誓って -7- 

July 26 [Sat], 2008, 9:49



                               -7- 街外れの豪邸


「ここだ。」

着いたのは、街から少し離れた場所だった。
とは言っても、洞窟主の家自体は古臭いものではなく”豪邸”と呼んでいい大きさ。
洞窟がある土地を買い取れる程の金がありそうだ。

早速、門にあった呼び鈴を鳴らすと、中から1人の女性が門に近づいてきた。

「どちら様ですか?」

女性は、門の格子越しに尋ねてくる。

「ヴェチカンの使者です。」

ヴェチカンの使者・・・。
ということは、やはりこいつは黒の教団関係者なのか。
グレアの言葉を気にしつつ、格子越しの女性を見る。
女性は質素なメイド服を身に纏っていて、黒い髪を後ろで一つにまとめている。
目には優しい光を灯し、おしとやかそうな雰囲気が出ていた。

「どのようなご用件でしょう?」
「洞窟の事について、ライク・アイン氏にお会いしたいのですが・・・。」
「・・・すみませんが、旦那様は、只今お会いできませんので。」

優しい声だったが、女性はぴしゃりと言う。

「そうですか・・・じゃあ、ライク・アイン氏の奥様は・・・?」
「・・・奥様ならいらっしゃいます。」

女性はそう言うと、門の大きな鍵を外す。

「どうぞ、お入りください。」

門を開け、微笑みながら女性が言った。


     ● ● ●


「こちらのお部屋で少々お待ちください。」

客間に案内され、言われるがままに待っていた。
街で一番大きいと思われるこの屋敷は、外見だけではなく、内装も凄い。
天井にはシャンデリアがあり、壁には、どこかの画家が描いた絵も飾ってある。

「お待たせさせてしまって、ごめんなさいね。」

ゆっくりとドアが開き、40歳あたりの女性が出てくる。
腰辺りまであるような黒髪を、ゆったりとしたみつあみで結わえていた。

「ライク・アイン氏の奥様ですね。」

グレアがほっとしたような表情を浮かべながら聞いた。

「えぇ・・・ライクの妻のマリアです。」

先ほどのメイドと同じような優しく、おしとやかな雰囲気が出ている。
育ちのよさが良く分るな・・・。

「ライク氏は外出中なんですか?」

グレアがこの質問をすると、いきなりマリアさんの顔が暗くなった。

「夫は・・・あの洞窟で行方不明となっております。」
「・・・あの洞窟というのは、海辺の砂浜近くにある洞窟ですよね」
「はい・・・そういえば、あなた方はうちの洞窟の事についてお話があると聞いたんですが・・・」

暗い顔をして下を向いていたマリアさんが、顔をあげる。

「今のお話と関係があるんですが、洞窟で行方不明になる人が増えたという事件についてで・・・」
「そうです。一時期、洞窟から帰ってこないということを聞いて入ることの禁止をしました。」
「けど、現在は、もう解除なさってるんですよね?」
「はい。夫が何故か、洞窟を解除する、と言い出したものですから。」

・・・!!
じゃ、やっぱり、ライン氏がブローカーの可能性が高い。
この屋敷に住むのには金がかかる。
だから、それで――・・・

・・・いや、待てよ。
なら、どうしてライン氏までもが行方不明になるんだ。
ライン氏が洞窟に行く必要は全く無いはず。

「ライン氏は、いつごろから行方不明なんです?」
「えっと・・・もう、一ヶ月ぐらい経っていますね。」
「あの洞窟に入って行方不明になるという事件はいつから?」
「3ヶ月前です。」

ライン氏は禁止を解除して、自分で洞窟を見に行ったのか?
だったら、禁止している間に見に行くよな・・・。

「失礼ですが、ライン氏が金銭関係で困っている、などのことは聞いたことがありますかね?」
「いえ・・・そんなことは一回もありません。」

ということは、もしや、俺の予想は少し違うかもしれない。

「話が戻るのですが、ライク氏が行方不明になる前に何か、この家で事件はありませんでした?」
「・・・禁止を解除したすぐ後、娘が洞窟で行方不明となりました。」

またもや、マリアさんの顔が暗くなる。
娘が行方不明、か・・・。

「もしかして、娘さんは、長い金髪の方で?」
「そうですが・・・娘を知っているのですか!?」

俺の質問に驚きの声と嬉しそうな声になるマリアさん。

「あ、いえ・・・洞窟を調べている際に、そんな方を見たものですから。」
「娘は、うちに養子として来た子でした。ですが、先月、友人と出かけに行くと言ったっきり行方が分らなく・・・」

マリアさんの目から、一筋の涙が流れる。

「ごめんなさい・・・思い出したら・・・つい・・・」
「こちらこそ、辛い事を思い出させてしまいました・・・すみません」

俺が頭を下げると、グレアが立ち上がる。

「では・・・そろそろ、僕たちは失礼します。」
「娘さんや、ライク氏のことについて、何か分ったらご報告いたしますので・・・」
「お願いいたします・・・」

ふかぶかとマリアさんが頭を下げて、俺達は屋敷から出た。


゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚゚+*:;;:* *:;;:*+゚
7月24日 ブログコメント返信
みゆ様> そんな風に言っていただき、有難う御座います・・・w
       私も、皆さんの文才を分けていただきたいくらいでs((オイ

悲空に誓って -6- 

July 24 [Thu], 2008, 11:01
『また今度、逢いましょう。』

あいつは一体・・・何者だったんだろうか。


                                   -6-   コタエ


「―――か・・・飛鳥!!」

どこかで聞いた声で目を覚ました。

「大丈夫か?」
「グレア・・・」

自分は、ベットの上に居る。
少しずつ起き上がって、辺りを見渡すと、宿屋の部屋にいることが分った。

「お前が連れてきてくれたのか?」
「まぁ、ここまではね。洞窟の中には俺は入ってないよ。」
「じゃあ、誰が・・・」
「分んない。いつの間にか、洞窟の入り口に倒れてるお前がいたんだ。」
「そう・・・。」


『貴方は普通の人間なんですね?』

普通の人間?
どういう意味だったのだろうか。
この世界に普通じゃない人間なんて――


「おーい。飛鳥?」

グレアの呼ぶ声で我に返った。

「な・・・何?」
「洞窟の中で何を見たんだ?」

ベットの脇にあった椅子に座り、真剣な顔になったグレアが問いかける。

「何って・・・」
「覚えてない?」
「いや、そんなことはないけど。」

会話が途切れる。

俺は、あの洞窟で何を見てきたのだろうか。
覚えてるんだけど、言葉に表せない。

「・・・ま、いいか。今は起きたばっかりだもんな。なんか食いに行くぞ。」
「あぁ・・・うん。」


最後に見えたのは、確かに女の人だった。
金髪の長い髪・・・ニコニコとこちらを見ていたことはハッキリ覚えている。
洞窟の持ち主は、あの女がいることを知っていて洞窟に入ることの禁止を解除したのか?
でも、これがどうしてAKUMAと関係しているんだ・・・。
洞窟の持ち主は・・・もしかして・・・

「ブローカー・・・?」

千年伯爵の協力者となるブローカー・・・。
洞窟の持ち主が、ブローカーでAKUMAのレベルアップをさせるために洞窟に入ることを禁止を解除した。
ということは、俺が洞窟で会ったあの女は・・・AKUMA!?

「悪いグレア! 食事は後からにしてくれ。」
「どうしたんだ、いきなり。」
「分ったんだよ!」
「・・・え?」
「洞窟の持ち主の家はどこにあるんだ?」
「・・・分った。連れて行くよ。」

グレアの後を追い、宿屋から出て行った。
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