何処までも続くのか 

April 21 [Sat], 2007, 23:55
どうか、この子を頼む

私の愛しい子供を―


最後に抱いたかんしょくは、今でも忘れない



ふと、まどろみの中から意識が覚醒する。何時の間にか眠っていたようだ。
うたた寝をしてしまったから、随分と昔の記憶が夢となって現れたのだろうか。
もう少し見ていたかったと思いつつも、今は大事な作業のとちゅうだ。眠っているわけにもいかない。

「−もう少しか。」

叫びの木の声が、段々と大きくなっている。まるで妊婦のいきむ声だ。
実際、直に木の根元から紫色の生き物がはい出てくるのでまちがってはいない。
紫色の生き物はトープスといって、成長していくにつれて頭のふくらみから脱皮するかのように、様々なすがたに変わっていく。
そして、彼らは人に安らぎを与えるために飼われていくのだ。

「今回のトープスの出来は、まぁまぁってところか」

一度にたくさんのトープスが生まれてくるので、やはり表には出せない欠落したトープスも出てくるのだ。
どこか欠落しているトープスはそのままほうちされ、やがては次のトープスを産むための木の養分となる。残酷かもしれないが、それが彼らの厳しい運めなのだ。
そして、自分は叫びの木の管理者。無事生まれたトープス達を、この世界を管理する者達の所へ連れていくのがしごと。






気苦労 

October 20 [Fri], 2006, 23:54
「と、いうわけで。この子の面倒よろしくね。」

ふらりと、この島の主が帰って来たのはつい先刻ほど。
しかし、振り向くとそこには、何時もと違う風景があった。

表情は何時もの何を考えているか分からない微笑。

真っ黒な姿もそのまま。

しかし、抱きかかえているものは。


「・・・とうとう、」

「とうとう?」

「とうとう過ちを起してしまったのですかぁぁぁ!!!」

抱きかかえているのは、小さな小さな嬰児。
死魔の腕の中ですやすやと寝息を立てている。
なので、禅は叫んではいても起さない程度の声量だ。
しかし心の中では荒れ狂っていた。
声を出さないのに必死で、頭をかかえてうずくまっている。

「誤解してるよ、禅。これは僕の子でもなんでもない」

そんな禅の様子を面白気に眺めつつ、否定の言葉を表した。
禅はそれを聞くと、頭から手を離してとりあえず事情を聞く。

「・・・つまり、こういうわけですか。
またあの方の気紛れで嬰児を拾われ、片方の嬰児をこちらに押し付けてきたと。」

額をおさえつつ、正座をしながらうめく禅。

空を飛べない俺でも。 

September 08 [Fri], 2006, 22:21
君には、泣かないで欲しい

いや、泣かせない

俺が守るんだ


そう強く願った、君と出会った最初の日―


****

「ヒ〜ロ〜、腹減ったぁ・・・」

頭の後ろで腕を組み、腹をグーグーいわせながら着いてくる少年。
少年の前には、その言葉にキレそうになりつつも、耐える少女の姿。
傍から見れば、駄々こねの弟と、その弟に苦労する姉といったところだ。

しかし一つ違うのが、少年には人にはない、水色の尻尾があるというところ。

「・・・だぁぁーっ!さっきから五月蝿い!!アンタゼニガメでしょ!?水で満たしなさい、水で!!」

私だってお腹すいてんのよ!と、半ば奴当たりの形でゼニガメと呼ばれた少年に言葉を返す。

少女のいう「ゼニガメ」とは、この世界に存在する生き物のことだ。
ある者は火を操り、ある者は電気、またある者は自然を操る。
このゼニガメというのは、水を操る事ができる生き物だ。

「水は俺の中にあるんだから、満たせるわけないだろー。バーカ。」

怒鳴る気が失せたのか、既に半ばやる気のない声で前を歩く少女に返す。
そんな少女は、少年のパートナーであるトレーナーだ。
トレーナーとパートナーは一心同体で旅をする。
そして、最後にはポケモンリーグに挑戦し、チャンピオンになるのが旅をする目的だ。


過去話〜アオミと夜紗〜 

August 04 [Fri], 2006, 23:48
貴女は、誰?

・・・知らない人、のはずなのに・・・懐かしさを、覚えるのは何で・・・?



山のように書物が高く積まれている部屋に、わずかな灯りを灯した蝋燭が置いてあった。
そしてそこに居るのは、書物を読む、真っ黒な男。

「貴女が降りてきたということは、罪償いが終わったということですか」

書物に目を通していた男が振り返った。

周りは書物で埋まり、足場もなく灯りも無い場所。唯一あるのは、男が書物を読むための蝋燭1本のみだ。

そして振り返った先にいるのは、書物の上に乗っている美女。
僅かな灯りから見えるのは、白銀の色に似た髪と、豊かな胸をもつ身体。表情は不思議な布に隠されて見えないが、不機嫌そうな雰囲気をまとっていた。
面倒くさそうに前髪をかきあげれば、白銀のような、少し緑かかった髪がぱさりと揺れる。

「まぁ、な。全く、これだから上の考えは嫌なんだ。」

おそらく、面倒事を押し付けられ地上に降り立ったのだろう。大神の面々が動けば、少なからず迎えの奉りをしなければいけないからだ。

氏神ならば、公に歓迎の催しはされない。神と呼ばれてはいても、ただの役人でしかないからだ。

「で、何様で参ったのですか?簡単な任ならば、私でもよかったでしょう」

ため息をつきながら、読んでいた本を元の棚に戻し始めた。

この美女が現れたということは、何かしら自分に用があってのことだからだ。

「まぁそれもそうなんだが、な。ちょっとした私用もあるのだ。気にするな」

珍しく歯切れの悪い言葉に、内心興味を示しつつも気にした風も無く続ける。

「では、私の元に来ずともよかったのでは?」

「・・・少し、様子見を・・・と思うたのじゃ」

不思議な文様が編みこまれている布に隠された瞳には、おそらく迷いがあるのだろう。声にも迷いが伺えた。


・・・だから、か。


「貴方の大切な人は、元気ですよ。」

テスト。 

August 04 [Fri], 2006, 23:28
てすとー
凄いな〜これ!!(わくわく
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