『失われた町』読みました
2008.03.10 [Mon] 11:30

評判を聞きつけて講読しましたが、読了までが非常にきつい作品でした。何がきついかといえば、登場人物たちと彼らの関係性、場面設定や展開など、全体があまりにステロタイプだった、もっとはっきり言えば陳腐すぎた点に尽きます。本当にこれが評判の作者・作品なのですか? そうだとしたら、文芸、特にこういったエンタテインメントは、ケータイ小説やブログ文化の隆盛とともに大きくレベルダウンしてしまったということなのでしょうか? よくわかりませんが…。 普遍性が高く、深いテーマ(『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』『アルジャーノンに花束を』などに代表される極限的な異種交流譚等)に、「消滅への順化」というカギをもって近づくことはできそうな気はしましたが、そういう方向はもう流行りではないのでしょうか。別に『世界の〜』等と比較することに意味があるわけではありません。でも期待のベクトルは自然にそちら方面に向けられると思うのですが…。 ともあれ、思春期の人が頭の中でふくらませがちな、ヒロイズムへの憧憬を発散させる場としての小説世界みたいなものを本体1600円で市場に出す際には、少なくとも「ジュブナイル」のひと言がオビに付されていて然るべきだと思います。