2月25日、26日、パリにおいて「OECD農業大臣会合」が開催され、私も政府代表として出席してきました。
OECD、経済協力開発機構は、先進国30カ国による政策提言機関で、本部をパリに置いています。農林水産関係では、農業委員会や水産委員会を定期的に開催するほか、各国の農業政策の監視・評価、食料需給見通しなどの研究や議論を実施しています。
農業大臣会合は、その時々の大きな課題に対応することを目的に不定期に開催されるものですが、今回、12年ぶりに開催されました。その背景には、世界的な食料価格の高騰や食料不足、温暖化などに伴う新たな問題発生などがあります。
このような中で、今回のテーマは、「持続的な将来に向けた食料農業政策」であり、このためにそれぞれの国、また、OECDは何ができるのか、が議論されました。
従来より、OECDは、どちらかと言えば市場原理、経済原則を重んじる考えが基本にあり、農業で言えば自由貿易を進めるべき、そのためにはそれを阻害するような国内保護や関税障壁はできるだけなくすべきだ、との基本路線があります。一方で、それぞれの政策を定量的に分析することも得意としており、例えば、各国の保護水準を数値化したり、それを評価したりという作業もかなり以前から行ってきました。
日本は、OECDの場で、また、WTOの場で、自由貿易を促進するとの立場を取りつつも、農業の持つ多面的機能、つまりは、水を蓄えて洪水を防止したり、美しい景観を保ったり、二酸化炭素を吸収して空気をきれいにしたり、集落を形成したりといった様々な役割をしっかりと評価すべきだと主張しています。つまり、農業生産活動に伴って発揮される様々な役割に対して、一定の評価・支援をすべきだと主張してきました。
現在、日本においては、農産物価格の低迷により、農業の収益性が悪化、農業従事者の減少や後継者不足、農業生産の減少など、国内農業が危機的状況に追い込まれています。これに伴って、農村集落も疲弊の度合いを強めています。今、農業に対してその生産継続を支援しないと、食料の安定供給が危ぶまれると同時に、農業が無償で果たしてきた様々な役割をも無くしてしまうことになり、また、農村集落の崩壊にもつながってしまいます。
このような中、今回の農業大臣会合では、私からは、@人口増加や気候変動、水資源の制約などから、中長期的に食料需給はひっ迫する可能性が否定できないこと、A一昨年の食料危機の経験からも、自由貿易だけでは世界の食料問題は解決できず、各国ごとの多様な農業の共存を認め、それぞれの国が自らの農業生産力を強化する必要があること、を訴えました。その上で、@海外農業投資を促進し、途上国の農業生産性の向上を積極的に支援していること、A生産拡大と多面的機能の発揮を支援するための新しい農業政策の導入に取り組んでいること、を表明しました。
印象的だったのは、多面的機能について、かつては少数の国からしか理解を得られなかったものが、今回の会合において、多くの国の大臣から同様の発言や評価の声をもらったことです。また、多くの国で、日本と同様、価格の低迷に悩み、それぞれ生産支援の様々な政策をとっている現状も報告されました。
最後に発表された成果文書の中においても、貿易だけでなく、国内生産の重要性も盛り込まれ、また、多面的機能の評価・分析を行っていくべきとの記述が盛り込まれ、一定の成果はあったのではないかと自負しています。
ハードなスケジュールの中での出張でしたが、会議や食事の間には、フランスやドイツ、メキシコ、ニュージーランドほか、多くの国の農業大臣との2国間会談の機会も持ち、お互いの立場や農業政策についての意見交換ができ、大変有意義な出張でした。
OECD、経済協力開発機構は、先進国30カ国による政策提言機関で、本部をパリに置いています。農林水産関係では、農業委員会や水産委員会を定期的に開催するほか、各国の農業政策の監視・評価、食料需給見通しなどの研究や議論を実施しています。
農業大臣会合は、その時々の大きな課題に対応することを目的に不定期に開催されるものですが、今回、12年ぶりに開催されました。その背景には、世界的な食料価格の高騰や食料不足、温暖化などに伴う新たな問題発生などがあります。
このような中で、今回のテーマは、「持続的な将来に向けた食料農業政策」であり、このためにそれぞれの国、また、OECDは何ができるのか、が議論されました。
従来より、OECDは、どちらかと言えば市場原理、経済原則を重んじる考えが基本にあり、農業で言えば自由貿易を進めるべき、そのためにはそれを阻害するような国内保護や関税障壁はできるだけなくすべきだ、との基本路線があります。一方で、それぞれの政策を定量的に分析することも得意としており、例えば、各国の保護水準を数値化したり、それを評価したりという作業もかなり以前から行ってきました。
日本は、OECDの場で、また、WTOの場で、自由貿易を促進するとの立場を取りつつも、農業の持つ多面的機能、つまりは、水を蓄えて洪水を防止したり、美しい景観を保ったり、二酸化炭素を吸収して空気をきれいにしたり、集落を形成したりといった様々な役割をしっかりと評価すべきだと主張しています。つまり、農業生産活動に伴って発揮される様々な役割に対して、一定の評価・支援をすべきだと主張してきました。
現在、日本においては、農産物価格の低迷により、農業の収益性が悪化、農業従事者の減少や後継者不足、農業生産の減少など、国内農業が危機的状況に追い込まれています。これに伴って、農村集落も疲弊の度合いを強めています。今、農業に対してその生産継続を支援しないと、食料の安定供給が危ぶまれると同時に、農業が無償で果たしてきた様々な役割をも無くしてしまうことになり、また、農村集落の崩壊にもつながってしまいます。
このような中、今回の農業大臣会合では、私からは、@人口増加や気候変動、水資源の制約などから、中長期的に食料需給はひっ迫する可能性が否定できないこと、A一昨年の食料危機の経験からも、自由貿易だけでは世界の食料問題は解決できず、各国ごとの多様な農業の共存を認め、それぞれの国が自らの農業生産力を強化する必要があること、を訴えました。その上で、@海外農業投資を促進し、途上国の農業生産性の向上を積極的に支援していること、A生産拡大と多面的機能の発揮を支援するための新しい農業政策の導入に取り組んでいること、を表明しました。
印象的だったのは、多面的機能について、かつては少数の国からしか理解を得られなかったものが、今回の会合において、多くの国の大臣から同様の発言や評価の声をもらったことです。また、多くの国で、日本と同様、価格の低迷に悩み、それぞれ生産支援の様々な政策をとっている現状も報告されました。
最後に発表された成果文書の中においても、貿易だけでなく、国内生産の重要性も盛り込まれ、また、多面的機能の評価・分析を行っていくべきとの記述が盛り込まれ、一定の成果はあったのではないかと自負しています。
ハードなスケジュールの中での出張でしたが、会議や食事の間には、フランスやドイツ、メキシコ、ニュージーランドほか、多くの国の農業大臣との2国間会談の機会も持ち、お互いの立場や農業政策についての意見交換ができ、大変有意義な出張でした。
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