連載小説: 空をかける恋 (1) 

June 16 [Wed], 2010, 0:10
 ブログの著者の実際に経験した、既婚者同士の恋愛を小説にまとめました。楽しみに読み進めて行って下さいね!

  ◎ ◎ ◎    空をかける恋 (1)    ◎ ◎ ◎ 

 桜の満開になる季節になると、亜紀と過ごした短い日々を思い出さずにはいられない。ごく一瞬のきらめき、胸の張り裂けそうな熱さとともに、切なくもある思い出。今もこの街のあちこちに感じることのできる亜紀の面影が、僕をとらえて離さない。
 二人のあいだには、容易には越えられない、障害だらけの行く手に阻まれており、僕は苦難の恋と言っても差支えないこの経験を忘れることはできないだろう。

 例年よりだいぶ遅くやってきた春が、精一杯の力とともにやっと桜の花を咲かせたのと同じようにして、難しいやりくりを超人的な努力で可能にして、やっとの思いで東京にやってきた亜紀が、僕の眼にはとても愛おしく可愛く感じられた。
 そもそも、僕たち二人の出会いそのものが、偶然の重なりの末に芽生えた運命の出会いのように思えてならない。あのタイミングで時を同じくして交流サイトで出会った僕たちが、微妙な駆け引きを繰り返した後に初めての衝撃的な出会いをして、同時に訪れた心の葛藤をお互いに乗り越えながら、二度目の再開を果たす。
 いくら恋愛の経験を重ねていたとはいえ、こんなに感動の多い、心の揺さぶられるような経験をしたことは後にも先にも亜紀だけだ。

 「おはようございます。今、名古屋から新幹線に乗りました。連日の忙しさで寝不足なので、こだま号で眠りながら行きます。もうすぐ、あえますね。 亜紀」
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