ラッサ熱

March 22 [Mon], 2010, 18:32

ラッサ熱(らっさねつ、Lassa fever)は病名。出血熱のひとつ。アレナウイルス科ラッサウイルスによる。マストミス(Mastomys natalensis,en:Natal Multimammate Mouse)とよばれる齧歯類が自然宿主である。感染者のおよそ80%が軽症であるが、約20%が重症となり致死率は感染者の1〜2%程度。毎年10万人以上が感染し、5000人程度が死亡している。妊婦は重症化し易く、胎内死亡、流早産を起こしやすい。





歴史


1969年、ナイジェリアのラッサ村にて最初の患者が発生。1970年代にウイルスが分離され、村名にちなんでラッサウイルスと命名された。


病原体


アレナウイルス科に属し1本鎖RNAをもつ。病原体を扱うにはP4レベルの施設で行う必要がある。


疫学


マストミスという齧歯類の動物が自然宿主。感染しているマストミスは症状を示さず、「排泄物」、「唾液中」に終生ウイルスを排出する。基本的に空気感染せず接触感染であるが、ヒトは咳などの飛沫感染により伝播し二次感染も起こるが、手肌の接触程度では感染しない。

症状


特異的な症状は示さない。徐々に進行し主な症状は発熱、頭痛、倦怠感、関節痛、咽頭痛、吐血、下血、粘膜出血など。脳炎症状を併発する場合もある。重症例ではショックに至り、ときに再燃がみられ、また回復後に知覚神経麻痺(代表は聴覚障害)・歩行失調がみられることがある。


診断


P4レベルの施設で、培養細胞を用いて咽頭ぬぐい物、血液、尿などからウイルスを分離。血液などの検体からPCR、ELISA、免疫抗体法などで遺伝子や抗体を検出する。鑑別診断は他のウイルス性出血熱、発熱性感染症の原因病原体の不検出。


治療


リバビリンを静注する。初回33mg/kg、ついで16mg/kgを6時間毎4日間、さらに8mg/kgを8時間毎3日間使用する。致死率を有意に低下させることが知られている。患者の退院は血液、尿からウイルスの非分離が条件となる。


法律


感染症法における1類感染症で、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る。検疫法における検疫感染症である。


脚注


外部リンク



  • 感染症の話 ラッサ熱 国立感染症研究所


厚生労働省検疫所



  • ラッサ熱

  • 感染症別情報 ラッサ熱


無エンベロープ: アデノウイルス科 - パピローマウイルス科 - ポリオーマウイルス科


ラッサ熱
  • URL:http://yaplog.jp/yapmed/archive/18075