日本たばこ産業(JT)は17日、火を使わず、煙も出ない無煙たばこ「ゼロスタイル・ミント」を開発し、5月中旬に東京都限定で発売すると発表した。厚生労働省が受動喫煙防止に乗り出すなど規制が強まる中で、需要拡大が見込めると判断した。JTが無煙たばこを発売するのは初めて。
[フォト] JTリニューアル・派生品ラッシュ たばこ離れ阻止 たばこの葉が詰まったカードリッジをパイプ状の本体にセットして、味と香りを楽しむ。価格は本体とカートリッジ2本のセットで300円、詰め替え用カートリッジは4本入りで400円。タールはゼロで、ニコチンは微量含まれている。使用頻度に応じて、1本のカートリッジで半日から1日程度楽しめる。自動販売機ではなく、コンビニエンスストアを中心に売る。
同日、都内で会見した小泉光臣副社長は「たばこの煙が周囲に迷惑かけるという愛煙家の不安を取り除いた商品」と説明した。たばこが吸えないエリアでのたばこ代替需要を見込んでいるといい、東京都での販売を足がかりに全国に広げる計画だ。
■愛煙家離れ防ぐ切り札に
JTが煙の出ないたばこの販売に乗り出す背景には、国の規制強化で、減少の一途にある喫煙人口が一段と減りかねないことへの強い危機感がある。
国内のたばこ市場は、2008年度まで10年連続で減少した。ピークの1996年度に比べて1000億本も減り、2500億本規模に縮んだ。景気低迷や健康志向の高まりで、「今後も年率4〜5%の減少は避けられない」(JT)状況だ。
厚生労働省が2月末に、公共的な空間を原則として全面禁煙にする通知を自治体に出し、喫煙場所はさらに制限された。10月には、たばこ1箱当たり100円程度の値上げが予想されている。
新幹線や飛行機内でも吸うことができる可能性のある「無煙たばこ」の販売は、現在約2600万人いる国内の愛煙家のたばこ離れを防ぐ狙いがある。
JTの小泉光臣副社長は「火を使わず安全なので、どこで吸っても問題ない」と自信をのぞかせる。同社はまず、「ゼロスタイル・ミント」を皮切りに、顧客の反応を見ながら無煙たばこのラインアップも強化する。
ただ、火でつけるたばこに比べれば、確実に「吸い応え」は劣るとされる。「どこまで愛煙家に浸透し、販売減の食い止め策になるかは未知数」(業界関係者)で、抜本的な販売の改善にはつながらないとの指摘もある。(今井裕治)
【3月18日8時16分配信
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