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薬酒は未病を治す

薬酒は、未病を治す(いまだ病まざるを治す)ということを目的として古来より愛飲されてきました。

私たちは、病気でなければ健康体であると考えがちですが、病名がつく程でもないけれど周囲を見回せば、倦怠感や憂鬱感、食欲不振などに悩まされている人を大勢見かけます。古人はこの半健康、半病人の状態を「未病」と呼びましが、全ての病気はこの状態を通過し、そのままではいずれ本当の病気になってしまいます。

薬酒は、病気になる手前で、その状態を解消してしまうことを目的としたものです。もちろん、病気になってから服用するケースも多くありますが、病気になる前に、自分の体質にあった薬酒をみつけて継続して服用することが肝心です。薬酒は、血液循環不良、虚弱体質体力低下、免疫力を強めたい人に向きます。

日本において、薬酒の歴史は古く、奈良の東大寺正倉院に伝わる天平11年(739年)頃書かれた文章の一つに、「写経生は終日机に向かっており胸が痛み脚がしびれるので2日に一度は薬の酒を飲ませてほしい」と書かれています。もう当時すでに「薬の酒」があったことがわかります。

アルコールは吸収が早く、胃壁から急速に吸収されて血中に入るので、効果が迅速です。アルコール成分が、末梢血管を拡張して血液循環を促しますので、成分が体のすみずみまで浸透します。

薬酒は、梅酒や果実酒のように誰でも簡単に自宅で作れますから、自分や家族の健康のために楽しみながら作ってみてはいかがでしょうか。ただし、アルコールに弱い人や、肝炎、潰瘍にある人は、薬酒に向きませんので注意してください。

薬酒のつくり方

一種類の生薬を酒に漬けたものを単方といい、二種類以上の生薬を漬けたものは複方といいます。

単方は、単純な症状で効果を絞りたいときに用いることが多く、短期間で早く効果が現れます。これに対して複方は、症状が複雑で慢性的、体質的な傾向をもつのに向いていますので、長期的にじっくり効果を現します。また、薬酒の場合、漬ける生薬の量が多いほうが効果があるような気がしますが、成分が多様で作用がシャープですから濃厚なものはかえってよくありません。
 
薬酒の作り方
・薬酒に使うビンは、果実酒を漬け込むときの透明な広口ビン、3リットルビンが適当です。
・薬成分の浸出に使う焼酎、ホワイトリカーは35度1.8リットルを準備します。アルコール度数の高いものは成分の抽出速度は速いですが、45度では強すぎるので、35度がいいと思います。冬期間ならば清酒に漬け込むという方法もあります。またワイン、ブランデイ、ジンをベースにする方法もあります。
・すべての薬酒には甘味料を加えますが、これは酒の味をつけるとともに、発酵と熟成も助け、悪酔いを防ぐ意味もあります。
・甘味料には蜂蜜、氷砂糖、グラニュー糖、白ザラメのどちらでも、好みに応じて100〜200グラム入れます。
・材料の生薬の使用量は材料によつて異なりますが、一般的に生薬は水洗いせずに使用し、通常は100〜200グラムです。
・成分が浸出するには一ヶ月以上は必要ですので、直射日光のあたらない涼しい所(冷暗所)に保存します。

薬酒の飲み方

アルコールを大量に飲み続けるのが体によくないことは周知のとおりです。薬酒は「毎日、少しずつ」が飲み方の基本です。適量を守ってこそ絶大な効果があります。健康にいいからといってガブ飲みはいけません。昔から酒は百薬の長といわれるくらい、飲み方次第では健康にいいものです。標準は1日40〜100mlです。

これを二〜三回に分けて食前酒として飲むか、食間(食事の二〜三時間後)に飲みます。また眠前に飲むことは、大変良いことで、睡眠中に体内で行われる代謝、ホルモン分泌などの働きが薬酒の作用と相乗効果をもたらすからです。当然、薬酒はお酒ですので運転前に飲んではいけません。

酒に弱い人の場合は、ロックにするとか、水で割ってもかまいません。薬酒は本来、味よりも効能本位に作られたものなので味のよいものばかりではありません。漢方薬の匂いが気になる人は飲むときにレモンを滴下するという方法もあります。また飲むときにワイン、リキュール、ジュースなどを加えても結構です。

ご自分の好みの味に変えて一番の見やすい形を見つけてください。薬酒を適量おいしく飲んで健康になりましょう。

赤ワインが健康に良いとなったわけ

昨今の赤ワインブームに火をつけたきっかけは、フレンチ・パラドックスにありましたが、フレンチパラドックスを簡単にいえば、 「フランス人は、先進諸国の中でも、バターや卵、肉料理などをたくさん取って脂肪の消費量が多いが、それにもかかわらず冠動脈疾患の死亡率は他国に比べてむしろ低い。」ということです。

そこで登場したのが、「赤ワインを飲むと血液中の抗酸化能力が高まる。」というもので、赤ワインに含まれるポリフェノールは抗酸化作用を有し、動脈硬化を防ぐことができるという論文が、朝日新聞で取り上げられ、赤ワインブームがおこったといわれています。

その後、ワインの効果を裏付ける新たな研究結果が発表されました。。36,250人の中年フランス人を12〜18年観察し、ワインとビールとでは死亡率が異なるかどうかについて調べています。その結果、ワインもビールも虚血性心疾患による死亡率を低下させます、アルコールに換算した場合、ワインの方が少量で抑制効果がみられたのです。

しかも、ワインなら1日あたり250〜350ml飲むことで、何とがんによる死亡率も低下したということです。やはりワインは他のアルコールとは違うようです。

しかしここで注意しなくてはいけないことは、確かにフランスでは虚血性心疾患による死亡率は実際低いものの、アルコールに関連したガン、アルコール依存症、肝臓疾患などは、英国にくらべて2〜3倍とはるかに高いのです。結局、飲み過ぎてしまえば、かえって健康に悪いのは他のお酒と同じことです。健康のために飲み過ぎないことが重要です。

赤ワインはポリフェノールのオンパレード

ポリフェノールとは、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなど植物が光合成を行うときにできる物質の総称です。糖分の一部が変化したもので、植物自身が生きるために持っている物質ですが、人のからだの中に入っても、抗酸化物として有効に働くことがわかっています。

ポリフェノールの効果は、体内に蓄積された悪玉のLDLコレステロールの酸化を阻害し、高血圧、動脈硬化を原因とした脳血管障害、心臓病などを予防することです。がんや老化の原因になる「酸化反応」は体の中で常に起きていますが、赤ワインを飲んだ後は、体の抗酸化力が高まって活性酸素の発生が抑えられます。

なお、ブドウに含まれるポリフェノールの量は種に最も多く、全体の65〜70%を占め、果皮は25〜35%、果肉には2〜5%と少ないため、果皮と種を使わない白ワインでは、ポリフェノールの含有量は赤ワインの約10分の1しかなく、ロゼでは半分くらいです。

赤ワインの中には、フラボノイド、アントシアニン、カテキンをはじめ、シンプルフェノールやタンニンなど、ポリフェノールのオンパレードといってもいいくらい多種類のポリフェノールが含まれています。

ワインは老人性痴呆の予防にも効果があるとされていますが、これはワインのポリフェノールが、脳内の過酸化物質を抑えるからだと考えられています。また、赤ワインには血流を良くし、血小板が固まるのを抑える働きがあります。つまり、ポリフェーノールの宝庫赤ワインを日常的に飲むことは、心臓病だけでなく、痴呆症の予防にも効果があることは確かなようです。

赤ワインはどんなものがいい

同じ赤ワインでも、ブドウの品種や製造方法によってポリフェノール量は変わってきます。色が濃く、味に渋みのある“フルボディー”と呼ばれるワインほど、ポリフェノールの含有量が多いとされています。

ポリフェノールが特に多い品種とされているのは、フランス産では「メルロー」「カベルネ・ソーヴィニョン」「カベルネ・フラン」、イタリア産は「ネッビオーロ」、アメリカ産では「ジンファンデル」などです。また、同じ銘柄では、年代の古い方が良いです。

ただし、ワインにポリフェノールが含まれるのは、製造の過程でポリフェノールを多く含む葡萄の皮を一緒に潰すことにより含まれるためで、どんなに高いワイン、安いワインであろうと製造方法は変わらないため、安いワインでも効果は同じです。

ただ、葡萄の品種によってポリフェノールの含有量が違います。日常的に摂取するなら、経済的にも低価格なワインで十分だと思います。

ただし、くれぐれも適量は守ってください。ワイングラス約1杯で十分効果があります。いくら健康にいいと言っても、飲み過ぎは体に害を及ぼします。