虎威

November 06 [Tue], 2012, 15:42
サーファーの後輩から電話が来た。
彼はかつて同じ職場で働いた仲間であり、高校の後輩でもある。
何年も連絡をしていなかったが、結婚して近所に住んでいるらしい。
私の仕事のルマに協力してくれるという。
現住所を伝えると、えー、ホントにすぐ近くじゃん。
今度遊びいきますよーという。
ついでに、近くにある床屋の店主も同じ高校の先輩である事を告げると、マジで今度行ってみますわといった。
数日後。
いつもの仏頂面で600過ぎに家を出た。
出かけるのに手間取ったので足早に横断歩道を渡る。
すると前方から〇〇君と私を呼ぶ声がした。
睨みつけると、爽やかな笑顔で、自転車に乗った後輩が手を振っていた。
互いにこんな所で会うとはと声を合わせた。
そのまま道路の真ん中で立ち話を始める。
私がオレんちここだよと親指で建物を指すとへー、駅近くていいですねと言ってくれた。
まだまだ話していたかったが、互いの背後にある歩行者信号を気にし始めた。
また電話するからといって足早に渡りきる。
振り返ってじゃあまたーと手を振り合う。
サーファーといえばオシャレなスタイルの代名詞である。
そういう人物と知り合いであるというだけで誇らしい気分になる。
ましてや早朝から横断歩道の真ん中で会話するなんて、まるでドラマのワンシーン。
私はカリフォルニアの海辺を歩く、金髪みたいに薄笑いを浮かべ駅へ向かった。
薄紅色の朝焼けがマンションや住宅の壁を紅く染めている。
帰宅後、床屋の店主にメールした。
散髪の予約をするために。
すぐに返事が来て予約が大丈夫な事と、後輩が髪を切りにきた事を教えてくれた。
さすがである、有言実行で行動が早い。
背の高い2人のイケメンが髪を切ったり切られたりする、そして話題はもちろんサーフィン。
どのビーチの波が良いとか、板はアレがいいコレがいい、カッコいい話題に花を咲かせるのだろう。
予約した日は後輩住むアパートに行く日にした。
必要なものを届けに行くのだ。
お邪魔すると、調度品はもちろん南国リゾート気分を演出するものばかり。
しかも奥さんもサーファーだという、抱いていた0歳児はイケメンになること間違いなし。
帰り際、これからあの床屋に行ってくるぜというと。
そこからまた話が盛り上がってしまい中々帰れなくなった。
話題の順序を間違えてしまったようだ。
中々彼らのようにスマートに事を運べない。
床屋のドアを開ける。
後輩の話題で大いに盛り上がろうとしていたが、席が埋まっていた。
大繁盛である。
鏡の横にあるテレビをボンヤリ眺めていると、店主である先輩が客と話をしているのが聞こえた。
自分体育の成績は3年間5でしたね。
やはりサーファーになるには運動酔oやセンスが必要なんだな、としみじみ思ったものである。
やっと自分の所にきた。
私と後輩が一緒に働いていた頃の話をした。
アイツ、海に行ってから仕事にくるようなヤツでしたよというと、気合はいってますね。
自分も良く早朝に行きますねーという。
やはり彼らは共感する事が多いらしい、感動さえ覚えてしまった。
次の日は早めに家を出た。
またバッタリ出くわすのはなんだか恥ずかしい。
それにしても数分出るのが遅かっただけで出くわしたり、同じ高校出身の3人が故郷を離れた町でご近所さん同士に簡単副業なったり。
こんな事があるのか、そう思いながらホームで電車を待っていた。
ふと後ろを振り向くと、マンションや住宅が立ち並ぶ向こうに美しい朝日が浮かび、あたりを赤く染めていた。
浜辺はきっとハワイのサンセットビーチみたいになっていることだろう。
そこに2人のサーファーを配置した、ロングボードを持った人影が風景にアクセントを加えてくれる。
一枚の絵葉書を頭に浮かべていると、電車が来るチャイムが鳴った。
私は人気の無い朝の駅ホームにいた、そして手には出勤用のカバンが握られている。
一度もしたことのないサーフィンの事などいっぺんに頭から吹き飛んだ。
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