雨柳堂夢咄  @ 

2008年12月08日(月) 6時28分

雨柳堂夢咄  うりゅうどうゆめばなし
♂→2  ♀→1  不問→1

ナレ    不問
蓮     ♂・・・・主人公、骨董屋の孫
真織    ♀・・・・絹問屋の娘。わがまま。(読み方)兄さん→あにさん
兄(乙弥) ♂・・・・真織の兄。妹思いの優しい兄。

〜朝顔写し編〜



N  >>これは少し昔のお話。
      骨董屋「雨柳堂」 
      祖父の手伝いでよく店番をさせられる少年
      「蓮」がおりなすちょっと不思議な物語。

      今日は絹問屋へ茶器の相談に行った祖父を
      蓮は迎えに行ったのでした。
      

      雨柳堂夢咄   朝顔写し




真織N>>兄さん
      しぼまない朝顔にしておくれ
      兄さんの朝顔はどこの花よりもきれいだもの
      ねぇそうしておくれ

      兄さん?


      兄さん!!




N  >>自分をかばって死んだ兄 乙弥
     その事故以来真織は腰の怪我から
     足が動かなくなってしまっていた。

     兄を亡くし、歩けなくなった真織は
     甘やかされ、わがままに育っていた。

     兄の夢を見てどうにもならない感情を
     真織は近くにあったお茶碗にぶつけた。



蓮  >>お嬢さん物をもっと大切にしてやってください。
      やつあたりでは浮かばれません。


兄  >>真織、物を粗末にしてはだめだよ
      ほら、なおしてやるから。


N  >>死んだ兄の言葉が真織の頭の中で
      甦る。大好きな兄の言葉。


真織 >>うるさい!うるさい!
      なんだいお前は!
      勝手に人の部屋に入ってきて!


蓮  >>おや
      それはそうですね。すいません。
      ちょっとこの部屋が気になったので。
    
      あぁ、ここだ。


真織 >>。。。ぁ

蓮  >>。。。これは植木鉢?どうしてこんな所に?
       お嬢さんが?


真織 >>知らない。
      どこになにがあったってお前には関係ないじゃないか


蓮  >>でもこれは朝顔を植えて欲しがっていますよ。
      朝顔用の鉢ですね。
      お兄さんが植えるはずだったんですね。
      お嬢さんが代わりに植えればお兄さんも喜びますよ。


真織 >>何も知らないくせにいい加減なことを言うな
      あたしが植えて兄さんが喜ぶはずがない
      兄さんはあたしを恨んでるんだから
     
      。。。去年、兄さんが死んだ時
      兄さんの植えた苗はみんな枯れてしまった
      おっかさんが世話したけれど駄目だった。
      あたしにくれるはずだった苗もみんな。。。。
      きっと兄さんがあたしを許してくれないからだ。
      
      骨董屋なんだろ?あげるよ持っておいき


蓮  >>だめですよ。大事な物手放しちゃ

真織 >>大事じゃないよ。どこにでもある鉢じゃないか。

蓮  >>わざわざ隠して持っていたのに?
      嘘ついちゃいけませんよ。


真織 >>いらないったら!!

N  >>真織が壁に向けて鉢を投げつけた。
      鉢はきれいにふたつに割れてしまった。


真織 >>出ておいき!!!

N  >>騒ぎを聞きつけて部屋に真織の母親たちが駆け込んできた。
     「またこの子は!」と言った表情で見つめていた。


蓮  >>すいません。僕がこの部屋に迷い込んだものですから。。。

真織 >>おっかさんも出てってよ!!
       誰の顔も見たくない。




N  >>(母親の回想)
     乙弥は朝顔を作るのが上手な子でした
     入谷の朝顔師の方にほめられるほどに
     その鉢は去年あの子が用意した物でしょう
     まだ残っていたなんて。。。。

     他の鉢などはみな主人が処分してしまいました
     見るのがつらいからと言って
     。。。。えぇ、お預けしてもかまいませんが
     割れてしまってもう使えないのでしょう?

     蓮はこの鉢を繕いに出した。
     どこにでもある鉢なのだから買った方が早いと言うのに


蓮  >>これでなければ駄目なんです。
     これに「残っている息子さんの思い」に
     呼ばれたんでしょうね。


N  >>家では真織が自分を腫れ物に触るように扱われていることに
     苛立ち自分を責めていた。


真織N>>どうしてこうなっちゃうんだろう
      
      やっぱり私が死んで兄さんが生きていればよかったんだ
      
      そうだ。死んじまおう。そうすれば兄さんにも会える
      
      あぁ。。でも兄さんは怒っているにちがいない。
      
      おっかさんやおとっつぁんを困らせて悲しませて、
      
      兄さんの鉢も割ってしまった。
 
      鉢?あの割れた鉢はどうしたんだろう?
      あの人が持って行きやしなかったか?




N  >>きれいに繕われた鉢。朝顔師に頼み朝顔を植えてもらった。
       綺麗に鉢に植えられた朝顔をもって
      蓮は再び真織を訪ねた。


真織 >>何のようで来たんだい。

蓮  >>今日はこれを持って来ました。

真織 >>朝。。。顔。。。

蓮  >>そう君のお兄さんの

真織 >>兄さんの?。。。だって。。。

蓮  >>大丈夫。この朝顔は枯れないから
      明日の朝には花が咲きます。


真織 >>。。。でも。。。。

蓮  >>真織さん、夏の無地の着物を持っているでしょう?

真織 >>え!?。。。えぇ。。。


蓮  >>淡い色だとなおいいけど。


真織 >>?浅葱色の絽があるけど。。。。


蓮  >>それはいい。出してもらって下さい。


真織 >>な。。。何するの?


蓮  >>君のお兄さんはとても君の事を心配しているから
      今夜一晩だけ僕の言う通りにしてごらんなさい。




N  >>衣紋かけに無地の着物をかけ、
      その前に朝顔の鉢を置き真織は眠りに着く。







真織 >>あの人はああ言ったけど、明日の朝
      花が咲いていなかったらどうしよう。

      もし枯れてしまっていたら。。。
      去年の花みたいに。。。。






兄  >>。。。真織


真織 >>。。兄さん!


兄  >>真織、ほらお前の朝顔だよ。
      約束しただろう?



真織 >>兄さん、しぼまない朝顔にしておくれか?

    
兄  >>お前の言う事はいつも無茶だなぁ。
      どんな朝顔だってしぼまない花なんかないじゃないか
      来年また次の花を咲かせればいい。



真織 >>それでもその花がなくなる事には変わりはない。
      もう兄さんに会えないのと同じようで切ない。



兄  >>私はいつも一緒にいるのに?
      それじゃずっと咲いてる花をあげるから。
      そうしたら一緒にいるとわかっておくれだね?
      真織、約束だよ。




真織N>>。。。。。朝!朝だ

    


      朝顔が。。。着物の柄に。。。。!


      これは。。。兄さんの朝顔。。。。



N  >>寝る前にかけておいた無地の着物に 
      見事な朝顔の柄がついている。
      乙弥の朝顔の鉢に植わっていたはずの
      朝顔はどこにも見当たらない。





兄  >>ずっと咲いてる
      花をあげるから。
      一緒にいるとわかっておくれだね?





真織 >>兄さん。。。兄。。さん。。ごめんなさい。。。。


N  >>動かない足で無理に起き上がり
     着物まではっていく真織。
     心配させてごめんないさいといつまでも
     泣くのでした。                   おわり。。。。   

          






P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:xxxkaixxx
読者になる
最新コメント
アイコン画像れーちゅん
» エヴァ1話 B (2012年12月21日)
Yapme!一覧
読者になる
http://yaplog.jp/xxxkaixxx/index1_0.rdf
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ