嘘つきの書いた手紙 

2008年06月06日(金) 17時35分
逢いたいです。
お話したいです。

昨日の月は折れそうな月でした。
お空のかたすみに引っかかって。
いっそ握りつぶしてやればよかった。

今日の月はどんな月だったのでしょうか。

ひとは、文字でどのような嘘もつける。
魔術師にだってなれるのです。

逢いたいです。
これは嘘ではありません。決して。

人工衛星 

2008年05月09日(金) 17時30分
真夏のアスファルトに映ったくろい影
気づかれないように そっと踏むよ
今日の靴は 魔法の靴だから
影ふみすると捕まえておけるんだ

1m先の君が見上げた空は青すぎて
まるでテレヴィジョン
合成のような飛行機雲

そう、多分これは鮮やかな嘘。

この世界も、きっとジオラマ

とおく離れた人工衛星を君が探しているうちに
そっと踏むよ くろい影 捕まえた
振り向いてわらうその瞬間、
その こころを 魔法の靴で しっかり縫い付ける


空がひときわ鮮やかになった。


そして動けなくなった僕らの遥か上を
人工衛星が横切っていく。

無題 

2007年05月25日(金) 12時05分
さわさわとやさしい雨が降って
とてもおだやかな気持ち

まるで世界の終わりみたいだから
ちいさな方舟を作ろう

雨が降り続いて みんないなくなって
私はなんだか眠たくなって

ゆらゆら ゆられながら ずっと眠っていたいな

おとぎばなし。 

2007年03月06日(火) 23時34分
午後3時のお茶しながら、ショートケーキ潰してたら
とつぜんわかったの
この世は嘘と絶望とかなしみで出来てるって
苦いお薬無理矢理飲まされてる
例外なんて 誰ひとりいないんだよ

おとなもこどもも
みんな同じさ

王子様も魔法使いも
とっくの昔に死んでしまった

卵から生まれたわたしたち
青い鳥がまぼろしって知ってる

フェイクとデタラメだらけの世界へようこそ!
私はメアリーポピンズの傘さして
ハートの眼鏡でミニチュアの街飛び回る
「下を見てはいけないよ」
「あっというまにまっさかさま!」

おとなもこどもも
みんな同じさ

人魚姫の涙は甘い蜜の味だね

目隠しでお遊戯軽やかにステップ
信じられるのは君とケーキの赤い苺だけかもね


チョコホリック 

2007年03月02日(金) 21時26分
チョコレート 両手で包んでひとくち囓る
魔法のじゅもん 唱えるみたいに
リスみたいにすこしずつ囓る
魔法のじゅもん 唱えているのに
神様の声はきこえない

何でもないことで泣いたりするのは
癖のようなものなのだけど
ねぇ このままじゃ身体中が甘すぎて
わたし、この部屋に、溶けてしまう

チョコホリックを患った
これがないとなにもできない
チョコホリックにかかってしまった
ジゼルを踊る少女みたいに
軽やかにとんでいたいのに

私の瞳はチョコレート色
世界がセピアに染まってく

チョコレート 銀紙剥がしてつみあげて
ぜんぶ、この部屋に、溶けたなら
甘い海に沈む
神様の声は届かない

_ 

2007年02月28日(水) 1時02分
べつに、わたしのことなんて好きじゃないくせに。
定期的な連絡をどううけとめればいいの。
もてあます、もてあます、もてあます。
はっきりと判決をくだせばいいのに。
ゆるやかな死なんてのぞんでいない。

結晶 

2007年02月24日(土) 22時52分
黒い天鵞絨のうえに
降っては、消える
降っては、消える
一瞬の白 やわらかな結晶
あまりにもはやく溶けてしまうので
そこにあったことすら忘れてしまう

目を閉じたら 心の裏側思い出せる?

あのとき思ったこと
忘れたくないと
とても透明だと思ったもの

気づいたら消えていました
からからに乾いて、ふゆのそら
オルガンと一緒に蒸発

逝き損なった音符を拾って空をみあげれば
一面の白、やわらかな結晶
降っては、消える
降っては、消える

永遠に積もらない雪

ドロップ 

2007年02月24日(土) 1時09分
七色の言葉のあめだまを
舐めて溶かして噛み砕いて
ぜんぶ食べてしまったの
吸収して排泄して跡形もなく
ゴミさえも残らない
だから私は喋れない
だから私には言葉がない

パズル 

2007年02月10日(土) 0時56分
ちかごろ私、なんだかすべてを忘れてしまう
昨日のことも 去年のことも
先刻のことも 遠い遠い昔のことも
すべてがばらばらに どこかへ行ってしまったの

スカートの中に
鞄の中に
紅茶の中に
覗いた鏡の中に

かけらを見つけたけれど、すぐに溶けて無くなってしまう
あとには何も残らない

私にとってあなたは何だったの
私にとってあなたは誰だったの

ここには何も残っていない

あなたに私は見えてたの
私は何を見ていたの

私には何も残っていない

ぬけがら 

2007年02月10日(土) 0時22分
ほの青白い海の底に眠っている
目を瞑って横たえている
私のぬけがら

たとえ涙を流しても
曹達水の中ではわからないから
好きなだけ泣けばいい

ほの青白い海の底に眠っている
目を瞑って横たえている

もうひとりの 私 のぬけがら

2008年06月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる