白い空(1話)

October 25 [Sun], 2009, 2:18



人間って、もっと高等な動物かと思っていたのに…。

笑える、信じていたヤツに裏切られ、嘘だろ?って思ってる俺がいる。

こんな事人事だと思って、自分の身には起こらないと思っていた、



そう。



昨日まで…。






「はぁ…」

もう、今日何度目の溜息だろう、もうすぐ春になろうとしてる、そんな季節の中。

今日は一段と寒さが身に沁みる。

あいつの笑顔が、心に沁みる。



「くそっ」



今日はあいつの事ばかり、海外に飛んで行ってしまった、アイツの事ばかり。

海外転勤の話を聞いたのは、昨日の夜、そして今日の早朝には成田からジャンボ機でバンクーバーだ



「終っちったのかなぁ〜?」



くすくす、自分でも笑ってしまう程呆れてしまう、恋愛の終わりは突然やってきた、

思えば、自分の我儘を 随分辛抱強く我慢して聞いてくれたよな、やっぱ我儘だったよな、俺。

自分で思って、笑ってしまった。



「我儘オレ!」


馬鹿だな、いつも後悔してて繰り繰り返し、そんで愛想つかれて終わり、こんなに後悔するのに



「馬鹿なオレ…」


ぽつり、呟いてみた。


「馬鹿なんですか?」

「?!」


独り言で言ったのに、まさか返事が返ってくるとは思ってなかった俺は、したたか驚いた

見ると、そこには街灯に照らされ、顔こそ良く見えないが学校の帰りらしい少年が立っていた



「はは、参ったな 独り言なんだよ気にしないで?」



ハハっと笑い、軽く片手を挙げて少年を背にして歩き出す、さぁ早く帰ろう、また明日も早い

自分に言い聞かせるように、拳を胸の前でトントンと叩いてみる



「トモヤ!」



いきなり自分の名前を叫ばれ、思わず振り返える

呼んだのは先程の少年だった、立ち止まってしまったトモヤの元へゆっくり少年が近づいてくる

今度は街灯が正面から当たるような形になって、少年の顔がハッキリ見えた



「?!」



その少年の顔には見覚えがあった、

たしか、同じ営業部の女達が言ってた『彼氏にしたいNO、1』の『桜塚 聖』CM見ない日は無い

ぐらいの人気歌手、兼、俳優『桜塚 聖』に…似てるなぁ

その整い過ぎた顔に暫く見惚れていたトモヤは、すっかり自分の名前を呼ばれた事を忘れていた



「トモヤ…さん?で合ってますよね?」

「?」


もう一度名前を呼ばれ、そう言えば何でこの少年は自分の名前を知ってるのか?とても不思議だった

こんな綺麗なコの知り合いは居ない、筈、…だよなぁ?第一歳が全然違うハズだ。




「ごめん、俺の知り合い?だったっけ?君の事思い出せないんだ…」




そう言うと、突然目の前の少年がピタっと固まった

ヤバイ、怒らせちゃったかな?内心焦った俺は、もう一度



「ごめん…な?」



少し屈んで、少年の瞳を覗き込んでみる、何処か遠くを見ていた視点が俺の眼と重なる



  ―瞬間―



   チュ




何かが唇に触れて離れて行く、?なんだ何が起きた???ハテナマーク満載の俺に、そいつは




「俺っ桜塚 聖!! 17歳!! この2ヶ月でトモヤさんの心 奪ってみせますからっっ!!」

人も居なかったが、往来の道端でそんな事叫ぶ少年に



「っっ声デカイから!!!!シ〜シ〜!!!」

焦って人差し指を口に当ててジェスチャーする まったく何考えてんだ?!デカイ声で

デカイ声で、?!今こいつ何言った?!その前に何をした??!!!過去の思考を探っていると


「トモヤさんっ」

「うわっ!」

美形のアップが近づいてきた、思わず後ろに下がる 少年は、ふふと(CMの様に)笑うと



「また、明日!」


っと片手を挙げて、街灯の先暗闇へ走って消えて行ってしまった 気が付くと自分も手を挙げてる

慌ててもう一方の手で引っ込める。



何なんだ?



少年の行動が、あまりにも意味不明でパニックになる



一体、何なんだ?!



ナオト〜〜〜あいつ何なんだよ〜〜〜っっっ!!




思わず元恋人の名前を心の中で叫んでみる、バンクーバーに向けて…。
P R
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