彼が取った選抜の方式は

November 15 [Fri], 2013, 14:32
なかった。

 ウメに頼まれなければ、決して首を縦に振ることはなかっただろう。

 彼女は、とてもずるい。

 どうすれば、エンチェルクが断れないかを知っているのだ。
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 キクとその夫のところに、世話になっていてもいいとまで言われては、エンチェルクには断ることは出来なかった。

 一生。

 一生、ウメの心配をして生きていくと決めていた。

 主が結婚していないのに、自分の結婚など考えることは出来なかった。

 浮いた話がなかったわけではない。

 道場に通っていたキクの弟子の兵士から、求婚されたこともあったのだ。

 だが、エンチェルクは首を横に振った。

 大事なものが出来るのが、怖かった。

 その大事なものと、ウメを天秤に載せるのがいやだったのだ。

 夫が。

 子供が。

 ウメと天秤にかけて、どちらに傾いたとしても、それは自分を深く傷つけるだろう。

 そう考えると、彼女は結婚という選択肢を選ぶことは出来なかった。

 リーバイス


 ウメを心配することが、骨の髄までしみついているエンチェルクにとって、彼女なしの生活をすることには不安が山積みだった。

 四十路も目の前の女だというのに──他の生き方を忘れてしまっていたのだ。
半分は本当で半分は嘘


 ハレは、自分の側仕えの貴族の子らを集めていた。

 あと一人、文官役を彼は選ばなければならなかったのだ。

 皆、それを分かっているのかジーンズ
、緊張した面持ちでハレを見ている。

 彼が取った選抜の方式は、問答だった。

 次々と、国、まつりごと、学問などの質問を浴びせる。

 その中に、ハレはさりげなく、夜や月の話題を混ぜた。

 一人、その中で面白い答えを返す者がいた。

「夜、ですか……謎
P R
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