ヒマワリ第6話 

April 24 [Thu], 2008, 22:23
 野原高校の1年目の夏休みからよく銀哉と二人でトレーニングセンターで一緒に筋トレをするようになった。



 銀哉は痩せ型の体系でつくべき筋肉すらついていないようなモヤシ体系だ。俺が言うのもなんだが腕も脚も
全体的に細い。予想通り全体的な体力も不足している。本人も自分の体格にはコンプレックスをもっていたらしく成り行きで俺のトレーニングに付き合うようになった。
 銀哉は中学の時は柔道をやっていたらしく体格の割りに足腰はしっかりしている。はじめてのウエイトトレーニングで自分の体重と同じ重さを持ち上げたくらいだ。だけど、上体の筋力は不足しているらしくベンチプレスでは自分の体重の半分の重量も持ち上げられなかった。

 そうやって俺のトレーニングに付き合うようになって半年近くたったころにはもうモヤシと呼ぶには筋肉がある程度ついていて呼びにくい体系になっていた。もちろん全体的な体力も半年前とはまったくの別人だ。
 そんなある日俺の部活動に付き合って一緒に走ってる時だった。
「あ、伊野田先生(陸上部の顧問)だ
 俺が走るのを辞めて先生のところに歩み寄っているとき銀哉も一緒に後ろからついてきた。
「山中も一緒か
 山中とは銀哉のことだ。前々から陸上部が俺一人だけで不便だと思っていた先生は会うたびに銀哉を陸上部にスカウトしている。面倒臭がりやな銀哉はいつも「部活はやる気ない」と言って断っていたんだが今日は違った。
「先生。オレ陸上部に入っていいけ
 驚いたのは先生だけじゃない。オレも驚いている。仲間が増えるのは楽しいからそれはそれで良いんだけどなんだか嬉しすぎて心の中でオペラ合唱団が筋トレをしていた。

 銀哉とは遠足の時から月に1回以上のペースで何人かメンバーを誘って一緒にカラオケにも行っていた。そのメンバーにはもちろん悠もいた。
 ある時は真夜中の眠れない日。ある時は土砂降りだけどすることがなくて退屈な日。銀哉と悠と俺の3人でカラオケに行くのはよくあることだったがそれは前もって約束されたことではなくてその場の思いつきでのことである。
 俺はかなりの音痴でカラオケは好きなのに俺が歌うと聞く人は消してしまいたくなるくらいの酷い有様だ。それに気づいていながらも歌わないと「空気読めよ」といわれるので仕方なく。だけど堂々と歌っていた。


 そんな夢を見ていた。悠と切ったその日の夢がこれか俺重症だな。こんな思い出。これから思い出すたびに鬱になるのかなってかもうなってるしでもいまさら引き返せないよな。

 こうなったらとことん思い出してやる。

ヒマワリ第5話 

April 07 [Mon], 2008, 11:33
 メールを見て心が痛んだがもう決めたことだから俺には関係なかった。

 深夜に二人でコンビニに買出しに行ったことも。銀哉と悠と三人で同じベッドを使って寝たことも。0時過ぎの真夜中にカラオケでオールしたことも。哲学について語り合ったことも。そのうち色あせた思い出になっていくのだろうか



 気がつけば夜が明けていた。亜美と伊月はもうとっくに帰ったらしい。それはそうだ。夜が明けたのではなくすでに日が暮れていたのだ。
 これ以上ここに居てはいけないと思った俺は銀哉に挨拶をして最後に悠に声をかけた。

「元気でな。」
「うん。」
 これが俺と悠の最後の会話だった。あとは未練を断ち切るためにとことん毛嫌いされる努力をするだけ。そのためには俺は手段を選ばなかった。沢山酷いことや見苦しいことをしたことだろう。今は後悔はしていない。


 俺は帰り道を銀哉と悠と初めて会ったときのことを思い出していた。

 15歳の春。俺は野原高等学校(のはらこうとうがっこう・仮名)に入学してまだ間もない時期の放課後にクラスの半分(一クラス15人)に自分のアドレスを書いた紙切れを渡した。その中の一人に銀哉はいたのだ。銀哉は顔はあまり冴えない感じで例えるならガチャピンを人物化したようなやる気の無い表情。服装はセンスが良くお兄系だった。

 メールを繰り返すうちにお互いのことをわかってきた時期に校外学習(遠足)があった。メールをするような人は居るが友達が居ない俺としては二人以上で組みを作ることが苦痛だった。中学校の時は俺のことを押し付けあってる同級生たちをみて自分の存在価値を疑ったほどだ。そんなコンプレックスを抱えてる俺に銀哉は
「俺と組まない
 と、言ってきた。これが銀哉と更に親しくなったきっかけだったかもしれない。俺は驚きと嬉しさで心の中でコサックダンスを踊っていた。


 その校外学習を1週間後に控えた休日に俺は銀哉宅に呼ばれた。俺は目印を頼りに銀哉の家を見つけてお邪魔することになった。悠との初対面はその時だ。身長が小さかったのが印象的だ。当時中学1年生。まだまだ子供だと思っていた。その横にはまさに悠のサイズを更に小さくしたような女の子がいる。一番したのイチゴさんだ。





 あの日の出会いを思い出していた。家について自分の部屋で横になった。脱力感でいっぱいである。もう悠に会うことは無い。


ヒマワリ第4話 

March 28 [Fri], 2008, 15:23
「私と友達やめるつもりやろ

 そういった悠の目は冷め切っていた。怒りとも悔しさとも切なさともとれるその目を俺はなるべく見ないように答えた。

「そんなことより早く上いこうぜ

 強引に腰を上げてポンポンと悠の頭を軽く叩いて俺は階段を上った。後ろから悠はブツブツと文句を言いながらついてくる。

 お泊り会は王様ゲームで盛り上がっていた。
同人誌の音読。ミニ演劇。俺は王様になれなかったばかりではなく罰ゲームすら指名されなかったのが不満でならなかった。

 しかし銀哉(女の先輩設定)と伊月(男の後輩設定)の絡みは盛大に爆笑させてもらった。
性別が逆なのがさらに笑いを誘い最初の命令が10秒の絡みだったのが
「10秒でいいのか」という銀哉の挑発が原因で1分の絡みになってしまった。もちろんみんなでシャメとりまくり〜の萌えまくり〜の大爆笑でした。

 伊月(責め担当)と亜美(受け担当)の同人誌の音読も萌えと笑いが見事に合わさったショータイムとなりました。

 みんなが酒を飲みすぎたため女たちはお風呂で酔いを醒ますことになりました。俺と銀哉はマリオテニスでデッドヒートを繰り広げていました。

 みんなが眠りについてきた頃俺は玄関から表にでてタバコをふかしていました。

『これが最後なんだな。今日で俺はもうここに居ない。そう決めたから。』

 すると玄関から足音が聞こえてきた。俺は銀哉か悠のどちらかだと思ったが予想に反して姿を現したのは亜美だった。

「やっぱりタバコか。おいしいの
 いきなり何を聞いてくるのかと思えばお前は何回それを聞けば気が済むんだ4ヶ月前やり直し始めた時もそればっかりだったじゃんかよ。

「やっぱりタバコはまずいな。」
「じゃぁなんで吸ってるの
「口が寂しいから。」
「ガムでも噛んでおけばいいじゃん。」
「お前が忙しくさせてよ。」
「私で良いが
「新しい彼氏いるんだからそこは丁重に断ってくれ。」
「アンタなら良いかなって思っただけ。」
「お前と話してたら気が狂うわ。」

 しばらく長い沈黙が続いた。

「亜美。手首見せろ
 俺は王様ゲームの時から気になっていたことを突然確認したくなった。プロボクサーを目指していたハンドスピードをいかして亜美の腕をつかんだ。亜美からしたら何がおこったのかもわからない状況だろう。

「切ったないつ
 予想通り手首を切っていた。
「先月。」
「まだ…ひきずってんのか
 俺はこの話題にはあまり触れたくは無かったが確認しなければいけない気がして仕方なかった。

「…なにが
「裕介(ゆうすけ)のこと。」

「…………」
 亜美は黙り込んでしまった。ヤッパリまだ引きずってるんだ。俺みたいな普通に同級生だったヤツからしたら思い出として心のどこかにおいておくことが出来るかもしれない。友達だった奴らからもしたらこえなければいけない試練だったのかもしれない。
 でも。亜美には荷が重すぎる。俺は葬式や通夜には行ってないからわからなかったからなんともいえないが昔から大好きだったのに素直になれなくて喧嘩ばかりしてて。やっと仲直りしてこれから素直になろうって思い出した頃の事故だったんだからな。俺と付き合いながらも裕介のことを考えていたのかということはこの際無しにしよう。


 こいつが開き直れる日は来るのか


「中にはいるか。」

 何も励ましになることばが思いつかなかった自分が恥ずかしい。俺は亜美を抱きこんで頭を撫でると亜美は涙を流した。

「お前言ってくれたよな男の中で唯一甘えられるのは俺だけだって。だったら苦しい時は自分を傷つけるんじゃなくて少しでもいいから俺を頼れよ。」

 とりあえず俺は言いたいことだけでも言っておこうと思っただけなのに亜美はさらに泣きやがった。泣き止むのをまって二人一緒に中に入った。

 銀哉は横になってはいたがずっと起きていたらしい。伊月は明らかに寝ていたが俺らの足音で起きたらしい。悠は一度寝たら起きないやつだ。

夜が明けたら悠の寝顔も笑顔ももう見ることが出来ないのか。別に付き合ってたわけでもないのに変だな。そう思っていたら携帯にメールが来てるのに気がついた。

アドレスは銀哉からだった。

【今日で最後なんだよね?りょうがさんが決めたことならもう仕方ないけど最後に一つだけ言わせてください。やっぱりりょうがさんのこと好きでした。】


送り主は明らかに悠だった。

ヒマワリ第3話 

March 22 [Sat], 2008, 20:30
ぼろぼろのジーンズに赤のパーカーを来て俺は銀哉の家に来ている。今日は銀哉の家でクリスマス&お泊りパーティーだ。

参加者は俺と銀哉と悠と伊月(いつき)と亜美(あみ)の五人だ。いつもならこのメンバーに俺の元カノの愛海(あみ)も参加するはずだったがこの時愛海は県内にはいなかった。

俺に振られたショックも大きかっただろうがそれとはまた関係無く新しい彼氏と同棲するのに県外にでていったからだ。

ちなみに今回の参加メンバーの一人。桜 亜美(さくら あみ)は中学の時の元カノで同じ「あみ」という名前の元カノが二人いるためややこしくなるので俺は桜と星空 愛海(ほしぞら あみ)の星空とで呼び分けている。

伊月は桜の親友で俺の同級生で銀哉とは同じ柔道部で共通の話ができる仲でもあるしいつのまにかこのメンバーは仲良しグループとしてよく一緒にカラオケに行ったりしていた。




俺はこれから自分が犯すだろう過ちの決意を胸にこの居心地の良い環境を破壊しようとしているのかと思うとみんなに申し訳なくなった。もっと自分の器が大きければ別の解決策が見つかったかもしれない。だけどこれが俺の決めた道だからきっと誰も止めないだろう。

そんなことを考えながら早くつきすぎた時間を費やしていた。

たまに銀哉や悠さんから話をふられても反応できないくらい俺は思いつめていたかもしれない。

いちごさんは今日は友達の家にお泊りに行っているらしく銀哉宅にはいなかった。

あれから2ヶ月近く悠とは一回も会っていなかった。銀哉とは良く会っていたしお金に余裕があれば一緒にカラオケにも行っていた。

悠はというとあれから雪矢さんと付き合うことができたらしいが遠距離恋愛にありがちな心のすれ違いから別れてしまったらしくそれがまだ癒えていないようだった。

これは俺にもチャンス有りかとも思ったが一度振られてる立場上自信が持てなかった。



どれだけ話し込んでいただろうか玄関が騒がしい。

「あいつらやっと来たか。」

俺は銀哉の後ろに居たので表情は見えなかったが呆れた顔をしているのだろうということは声の調子からわかった。

「オレ見てくる

悠は普段は一人称がオレだ。俺ではなくカタカナで「オレ」だ。ちなみに俺と銀哉の一人称は漢字で「俺」だ。これから姿を現すだろう伊月もふざけてる時は漢字で「俺」だ。唯一一人称が女の子らしいのは桜だがこいつはちょっと暴力的である。大人しくしていれば可愛いのだが。まぁそれは伊月にも言えたこと。態度だけで言えば一番女の子らしいのは銀哉かもしれない。


「お待たせー

耳を突き刺すような大きな声でのあいさつはこいつらの十八番なのだろうか

「うるせー。」

俺は笑顔でブーイング。銀哉はやはりの呆れた顔。そして悠はこの二人に負けないくらいの大きな声でイラッシャーーーイ!!と叫びやがった。


まぁいつものことである。俺はそんないつものことでも一つだけどうしても我慢ができないことがある。

それは銀哉宅でお泊り会をするとかならずアンベリーバボーなことが起きる。


例1.花火に音事件。
例2.お経の音
例3.閉めたはずの食器棚。
例4.近づいてくるアクシデント。


あげてしまえばキリがない。俺は怖がりなので全部だれかのいたずらだと思うことにしたが花火の音事件はどうしても科学的に証明のできないできごとで今回のメンバー全員が経験している。


まぁ軽く話も済んだところで2階の銀哉の部屋に集合することになった。

みんな部屋をでていったので俺もソファーから腰を上げようとした瞬間。



目の前に悠が立っていた。

「上行くか。」

俺は何もなかったかのように腰を上げようとした瞬間。悠が俺の肩に手を押し付けてソファーに押さえ込んできた。

その時の悠の表情はなんとも癒えなかった。

口は笑っているのだが目が笑っていない。冷たい目。心の奥底を覗き込むような目をしていた。


バレタか。。。

俺は直感でそう思った。

ヒマワリ第2話 

March 21 [Fri], 2008, 15:17
 「寮佳さんどうしたが

何してるんだろ俺何でこんなことしてるんだろ

「ごめん…でも少しだけこのままで。。。本当にごめん

俺の声は震えていた。声だけじゃない。

体も小刻みに震えていた。悠はそんな俺に気づいたのだろう。

「ヨシヨシ…」悠は俺の頭をなでてくれた。

その時俺は目を覚ましたのだろう。強く抱きしめていた腕をほどいて悠を解放した。


「あれ携帯ない。。。ちょっと探してくるね

悠はそういって銀哉の部屋を出た。それとすれ違いで銀哉が帰ってきた。


「おぉw 寮佳来てたのか

「お邪魔しとるよ

まだ胸の鼓動が落ち着かない。完璧に悠に嫌われたよな俺オワッタなorz


「携帯リビングにあった

悠がシャキーンと見つけ出してきた携帯を見せながら登場。

銀哉はゲームを始めた。

悠はDVDプレイヤーでらんまを見始めた。

俺はブリーチの漫画を読み始めた。










俺はいつの間にか寝ていたみたいだ。銀哉と悠が俺に気を使って電機を消してくれたのだろう。もうすっかり真っ暗だった。

「銀哉 悠

その場に居ないことはわかっていたが一応呼んでみた。


やはり居ない。

下にいるのかな

そう思った俺は銀哉の部屋から出て階段を駆け下りてみんなが居るだろう部屋に乱入した。



「寮佳さん居たんだ。」

いちごさんだ。銀哉の妹で小学5年生。いつもアニメを見ていたりお絵かきをしていたりする。

「銀哉と悠さんは

いまさらだが俺はいちごさんと悠さんと銀哉の妹や女子に対してさんをつける癖があった。そうすることで自分から距離を開けていたのかもしれない。


「兄ちゃんと姉ちゃんならお母さんの寝室におるよ

「ありがとう。行ってみるよ。」


俺は銀哉の母さんの寝室の前にたった。よく3人でこの部屋にたまってバカ騒ぎをしていた。

夜は銀哉の母さんは仕事で居ないし父さんは離婚していて居ない。
でもたまに顔を出しに来て俺もよく話をしたことがある。

俺はドアノブに手をかけた。


!?

声が聞こえる。。。


「震えてたんだよあの寮佳さんが…震えてたんだよ

悠の声だ。震えている。

「りょうがさんのこと好きだけど。付き合いたいとかじゃないと思うし。でも…りょうがさんは付き合いたいって思ってるんだって。。。」

泣いてる。悠の泣いてるところは多分はじめてみただろう。

「言えないよ。私の一番は雪矢さん(ゆきや)だし。私どうしたら良いの

ごめん。悠。

ヤ ッ パ リ オ レ ム リ ダ


「ちょっとまって。」

銀哉の声だ。扉のすぐ向こうに気配を感じる。

俺はすかさず隣の部屋に身を隠した。案の定扉がひらいた。

「気のせいか。。。」

なんて勘の鋭いヤツだ。2年ちょいしか無い付き合いの中でお前の勘の鋭さだけは誰にも負けないくらい把握できてしまったぜ。

これ以上聞いていちゃだめだ。

俺は悠にメールを送った後に銀哉宅を後にした。

自宅についてから銀哉に電話をした。


「勝手に帰ってわるかったな。

 悠のことだけどな。

 ヤッパリ俺そこまで器でかくなかったわ。

 だからクリスマスパーティーの日で最後にする。」

「そっか。わかったよ」


電話を切ってはじめて悠からメールが来てることに気づいた。


【りょうがさんごめんね。これからもずっと友達だよね




そのメールを読んで俺は抑えられなかった。

枕がどんどん湿っていく。俺でもまだ涙を流せるんだ。

ヒマワリ第1話 

March 20 [Thu], 2008, 23:23
2年間付き合った彼女と別れて。夢も失って。家に引きこもったり夜遊びにくれていた18歳の秋。

高校に入ってから仲良くなった銀哉(ギンヤ)の家をたずねた。呼び鈴を鳴らしても誰も出ないので俺は勝手にお邪魔させてもらうことにした。非常識に思えるがこれが俺たちの間では当たり前だったしそれが俺たち流の礼儀だった。


「あごめん寮佳君(りょうが)気づかなかった

銀哉の母さんが申し訳なさそうに声をかけてくれた。スナックを経営していて昼間はお客さんと食事にたまに行くくらいでほとんど家にいる。

「いや。いつも勝手にあがっちゃってすいません

俺は銀哉の姿を探しながら返事を返した。

「銀なら学校やよ

「あ…そっか…この時間アイツ学校か。」

自分の不健康な生活が普通と思い込んでいた俺は一般常識的な生活を把握できないでいたのか銀哉が居て当たり前だと思ってた。


「あ!!寮佳さんだ!!」

銀哉の妹の悠(ゆう)だ。中学3年生。でも銀哉が学校に行ってるのにこいつは何でここに居るんだ

「悠は風邪ひいとるんやから大人しく寝とかれ

「わかっとるよあ、寮佳さんも兄貴の部屋行こうよ今らんまのDVD見とるがやけど一人やからつまらんだん。」

大人しく寝とけよってかあんなこと言った後にお前と二人っきりとか何考えてるんだよお前…と、思いながらも俺はこう答えた。

「どうせ銀哉も昼頃に帰ってくると思うし一緒にらんま見るか」と。。。

銀哉の母さんが心配していたのでちゃんと寝させますから安心してくださいと言って風邪とは思えないほど軽快なステップで階段を駆け上がる悠の後をついて俺も階段を上って銀哉の部屋に行った。


悠は無邪気にらんまを鑑賞していたが俺は心中冷静ではなかった。


俺は本当に悠に

好きだ!!

と言ったのだろうか


銀哉に言われた台詞を思い出していた。

「悠がお前の気持ちにこたえてあげられなくてもお前は友達でいられるかあいつもお前のことは好きだけどそれがlikeなのかloveなのかわからないって言ってたから。」


友達でいられるのか俺はこのまま友達でいられるのか自分の気持ちに気づいてしまってこの想いをおさえられるのか

そう。銀哉が俺にこの質問をしたのには悠の返事が隠れている。俺はそのことに今気づいてしまった。

悠には他に好きな人がいる。だけど俺の存在に気持ちが揺らめいている。だけど本命は俺以外の男。。。

そのことに気づいてしまった。


「さん… がさん りょうがさん





呼ばれていたのか…気づかなかった…


「りょうがさんどうし… 


オ ワ ッ タ …

何やってるんだ俺…



俺は…




悠のことを抱きしめていた。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:寮佳
  • アイコン画像 性別:男性
  • アイコン画像 誕生日:7月26日
  • アイコン画像 血液型:A型
  • アイコン画像 現住所:富山県
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もう当たり前だった日々には帰れなくて。
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