鍬山神社

March 01 [Fri], 2013, 15:25
鍬山神社(くわやまじんじゃ)は、京都府亀岡市上矢田町にある神社。

式内社。

旧社格は府社。



通称として「矢田社」・「矢田宮」とも。



亀岡市南部、面降(めんこう)山(天岡山)東麓に鎮座する。

面降山を始め、周辺は多くの古代遺跡が残る。



太古は湖であったという亀岡盆地において、祭神の大己貴命(大国主命)が国作りの1つとして保津峡を開削して盆地を開拓、そして開削に使った鍬を当地に山積みしたという伝説に基づく神社である。



境内の垣根内には本殿に並んで八幡宮が同規模・同形式で建てられており、両宮とも社殿は京都府登録文化財に登録されている。

境内には多くの紅葉が植えられ、紅葉の名所でもある。

また、当社の例祭では亀岡市内までの神幸が行われ、「亀岡祭」として亀岡市内では伝統的な祭りとして続いている。


祭神

鍬山宮:大己貴命 (おおなむちのみこと、大国主命に同じ)

出雲神。

創建以来祀られる主神。



八幡宮:誉田別尊 (ほんだわけのみこと、応神天皇に同じ)

八幡神。

永万元年(1165年)以降祀られる客神。



歴史
伝説
伝承地の保津峡入り口
左岸に請田神社、右岸に桑田神社が鎮座する。



鍬山宮の創建

当社の創建に関しては、延宝元年(1673年)の『矢田之祠記』に伝承が残っている。

それによると、往古、泥湖であった亀岡盆地の開発のため出雲大神が八神と黒柄岳で談合した。

そして一艘の樫の舟に乗り浮田(うけた)の峡(現 保津峡の口)を切り開き、水を山城国方向に流して抜くことに成功、広大な平野が開拓されたと伝える。

そして出雲大神は天岡山の麓に祀られ、鍬山大明神として崇められた。

また、この神は出雲国における10月(神無月)の会合には出席せず、郡内の八神は当社に会した、というものである。

また、開削に用いた鍬が山積みされたことから「鍬山」の社名となったと伝えられる。



亀岡盆地が湖だったということに関する伝承は周辺各地に残っており、実際に湖だったことを示す地層も見つかっている(詳しくは「亀岡盆地#湖伝承」を参照)。

以上の説話は全国に残る大国主の国づくりの1つとされる。



八幡宮の勧請

鍬山宮・八幡宮の間にある小池
両宮が争わないため設けられたという。



並列する八幡宮に関して、『矢田之祠記』によると永万元年(1165年)に面降山(天岡山)に降臨したという。

以来新八幡宮として鍬山宮の隣に祀っていたところ、雷雨の発生や鳩と兎の争いがあった。

村人はこれを両神の不和と捉え、八幡宮を杉谷に遷したところ収まったといわれる。

なお、伝承との前後は不明ながら、現在鍬山宮は兎、八幡宮は鳩の神紋を用いている。



慶長14年(1609年)に両宮が現在地に遷されたのちも、争いを防ぐために両宮の間に小池が設けられ現在に至っている。




社伝では創建は和銅2年(709年)といい、当初は面降山裏手、現社地から北西800mほどの医王谷にあった。

面降山には山頂にかけて小祠が点在しており、山頂には八幡宮が降臨したという影向石が残っており、古代祭祀の色が濃い。

周辺には古墳も多く、また三宅地区は屯倉が設けられたという伝承から国衙ないし郡衙があったという説もあり、面降山が一帯の祭政と深く関わっていたことがうかがわれる。



平安時代中期の『延喜式神名帳』には「丹波国桑田郡 鍬山神社」と記載され、式内社に列している。

医王谷出身という医家・丹波康頼も当社を信仰したといわれ、「医王谷」の名も医学に精通した康頼に由来するという。



地名「矢田」は当社に関わるもので、8つの神田を持っていたことから「八田」と言われ、のちに源頼政が当地を拝領するにあたって「矢田」に改めたという。

また、古くから神輿祭・八日祭・庭燎神楽・競馬・相撲・猿楽等といった祭礼が行われていたと伝えられるが、天正4年(1576年)に丹波へ侵攻した明智光秀によりそれらの祭礼は廃され、別当寺として大智院(現在は廃寺)が建立された。

今人気のギフトまた、8つの神田も接収された。



慶長14年(1609年)、亀山城主・岡部長盛が現在地に新社殿を造営して遷し、社地も寄進した。

寛永16年(1639年)には藩主・菅沼定房も社領を寄進した。



延宝9年(1681年)には杉原守親が『祭礼中興記』を記し祭礼を再興。

同年に城主・松平忠晴から神輿が寄進され、以来例大祭は口丹波一の大祭「亀山祭(のち亀岡祭)」として賑わった。



明治6年に近代社格制度において郷社に列し、昭和3年に府社に昇格した。

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