【BARKS編集部レビュー】ついにこの時代がやってきた、AK100が切り開く新オーディオライフ

November 16 [Fri], 2012, 21:51
押忍
いつも読んでくださって非常に感謝にたえません……
と言いつつも
なんだかんだで、音楽のデジタル化は次なる局面に向かっている。1982年CDの登場によって音楽はデジタル化されて家庭へ流通されるようになったが、とはいえ当時の一般リスナーがデジタルを意識する必要はなかったしそんな局面もなかった。CDが登場して約20年後にiPodとiTunesが登場したあたりから、我々は音楽をデジタルデータのファイルとして目にすることになる。

◆Astell&Kern AK100-32GB-BLK画像

「オーディオを突き詰めること=ハードウエア&環境の充実」という旧来の図式に加え、「音楽ファイルの品質をどう管理するか」という新たな要素が付け加えられたわけだが、後者の役目は「アーティストでもオーディオメーカーでもなく、オーディエンス側に委ねられる」という、それまでの常識をひっくり返すものでもあった。「はぁ?音楽を楽しむのになんでパソコンが必要なの」と全力の嫌悪感をむき出しにした音楽ファンも少なくなかったし、もちろん私も同様の心持ちだった。

当時、あまりに大きすぎる音楽ファイルをどのように圧縮するかがひとつの焦点だったわけだが、当然ながら一般リスナーは、専門的なことには興味もなければその意味を知りたいとも思わない。とにかくめんどくさいのは嫌じゃ、という意見だけが唯一の正論だ。

結果、一般音楽ファンと、良い音を追及したいと思う音楽ファンとの間には大きく深い溝ができ、2極分化が加速した。つまり、一般音楽ファンが本当にいい音に接触する機会そのものが壊滅的に失われてしまうという、最悪の事態へまっしぐらだ。若いアーティストを育む栄養分が欠落した劣化コピーで、たくさんの音楽が流通された。アーティスト性もへったくれもない音質や、アーティストの意図が削ぎ落とされた音源で、芸術や文化が育まれるはずもなし。音楽が音楽を刺激して新たな芸術を生み出す文化発展のスパイラルは分断され、実に深刻な事態を招くこととなったわけだ。

だが、時代はまわる。ここにきて、リベンジのように一般ユーザーへ“最高の音”が届く環境が、じわじわと押し寄せてきているのだ。「めんどくさいことはなし」のまま、アーティストが生み出した作品の素晴らしさを漏らすことなく享受できる最高品質のサウンドが身近にやってきている。技術革新、ばんざい!

そこで、Astell & Kernから登場したAK100の紹介である。ポータブルデジタルオーディオプレイヤー(DAP)は、iPodとWalkmanの2大ブランドが市場を席巻しているわけだが、実はiBassoのHDP-R10、Colorfly、COWON、AltmannのTera Player、HiFiMANのHM-901…といった、iPodやWalkmanのサウンドをはるかに凌駕した高級DAPは既に数多く世に存在している。ただし、多くがマニアのためのマニアックなプレイヤーであり、あくまでニッチな市場をにぎわすアイテムであることは否めない。あらゆる機能にメスを入れ徹底追及するがあまり、価格も高騰、ボディサイズも肥大し可搬性が犠牲になったりすることもある。

そんな中、このAK100だけはちょっと匂いが違った。極限まで抑えられた価格に、シンプルなデザイン、iPodで慣れ親しんだ音楽プレイヤーとしての顔を持ち、その佇まいは、よくある普通のプレイヤーのルック&フィールだ。何か難しそう…という初心者を寄せ付けないような威圧感は一切影を潜めている。むしろちょっとシャープでカッコよく、ポケットにスッと入るコンパクトなそのサイズからは、いい意味で中身の凄さを感じさせない。

要するにマニア向けのめんどくさい仕様ではなく、まさにiPodが登場した時のように直球でシンプルかつ潔いという、コンセプトにぶれがないのだ。ごく普通の人が、何も考えず言われるように使うだけで即素晴らしい音を堪能することができるAK100の立ち位置は、ありそうでなかった新たなシーンを切り開くエネルギーに満ち満ちている。

AK100のサウンドは、全域にわたってずば抜けた透明感を持ち、よどみなきクリアなトーンを叩き出す。清潔感のあるサウンドで、一切の無駄がなくタイトで体脂肪率の低いサウンドだ。余計な味付けを一切感じさせないので、そのCDそのものの音を、何ら演出なくソリッドに鳴らすという印象である。CDの中に入っている音のひとつひとつをディテール細かく描き出すことで、その解像度はこれ以上は望めないと思える領域に達している。

本来のCDの音をそのまま劣化させることなく最高品質の再生機器で楽しむというだけのことだが、音楽の中に閉じ込められた繊細な音の陰影に耳を澄ませてこそ、深遠なアーティストの思いに初めて気付かされることもある。いわば高音質の醍醐味はそこに尽きるとも思う。綺麗な写真なのにピンボケだと魅力は半減でしょ?素晴らしい芸術は手に取るように見回すことで、その感動が何倍にもなって押し寄せてくるでしょ?

AK100は単に音が良いというだけではない。iPodやWalkmanでは再生すらできないCDよりもクオリティーの高いスタジオマスター音源を気軽に楽しむことができる。いわゆるハイレゾ音源対応と言われるものだ。普段MP3などの圧縮音源を聞いている我々にとって、CDの音こそ最上位品質と思っているけれど、レコーディング現場で作られるサウンドはさらに上位の規格で高音質が保たれている。それを44.1kHz/16bitという規格まで“音質を下げて”流通させていたのが、CD盤だ。スタジオマスター音源(ハイレゾ音源)は、DVD AudioやSACD、Blu-Rayなどで一部用いられてきているけれど、一般リスナーにはなじみ薄い世界なのはご存じのとおり。

そんな中で、数年前から登場してきたのが高級ポータブルDAPの存在で、ハイレゾ音源を再生するために設計され、そのサウンドクオリティに似合った高い再生能力を与えられた商品群である。これらの登場によりハイレゾ音源を楽しむ人々のすそ野は広がり、e-onkyo musicを筆頭にハイレゾ音源の配信サービスも少しずつ充実を見せてきた。

そして今、AK100の登場である。

AK100をしばらく使い込んで思うことのひとつに、イヤホン/ヘッドホンの選択が楽しいということがあった。AK100のサウンド自体がプレーンなだけに、イヤホンの個性がそのまま引き出されるような印象を受けるのだ。「AK100はイヤホンを選ぶ」という意見も耳にするが、イヤホンの特性をより明確に暴き出しているにすぎず、AK100との相性ではなく、実は自分の好みとの相性を描き出しているととらえたほうが合点がいく。

イヤホンに注がれるサウンドは清水のような混じり気のないピュアなもので、そのプレーンなサウンドをどう再生するか、ひとえに再生機側の個性と癖がそのままサウンドに反映する写し鏡のような状況が作られる。フルレンジドライバーがいいとか、マルチドライバーが心地よいとか、バランスド・アーマチュアだダイナミックだ…というテクニカルな面での相性ではなく、いわば自分の嗜好が映し出されることを念頭に置くと、AK100で音楽を聴くことで、また新たな発見を見つけたりする。そう、AK100とのベストマッチなイヤホンなどは存在しない、AK100を使った自分とのベストマッチがそこにあるだけだ。

んで、お前はどうだったかって?ZERO AUDIOのカルボ・テノーレ、SONY MDR-EX1000、アトミックフロイドのスーパーダーツあたりは抜群に気持ちよかった。GRADO GR10、SOUL by Ludacris SL99、Westone4あたりもいい。でも目下一番脳髄とろけるのはStage93のStage 6だ。そして実はカスタムIEMでは思わぬ発見もあった。最近とんと使用機会を失っていたUE 18 Proが華麗なる大反撃を見せてくれたのだ。UE 18 Proが持つ温かみを残したまま、AK100のシャープさが生ぬるさを拭い去り、素晴らしい相性を見せつけた。暗さは重さへ変わりUE 18 Proの持つ本性が現れたかのよう。ローファイとは言わないまでも、まったりと温かみのある暖色系UE 18 Proが超絶解像度で楽しめるわけで、こんな音は他ではなかなかお目にかかれない。「ベストマッチなんかないよ、それは単に好みなんだよ」と言い放っておきながら、つい口走ってしまうのは「AK100のベストマットは、UE18 proだぜ!」と、鬼の首を取ったかの興奮発言をしてしまうあたしって、ほんとバカ(C)美樹さやか。

ちなみに、AK100本体には32MBのメモリ容量があるが、microSDカードのスロットを2つ搭載しているため、カードの差し替えによりライブラリーは無限大に拡充できる。マイクロSDカードは32MBが対応の上限としているが、FAT32でフォーマットした64GBのカードが問題なく使用できたため、全部で160MBもの容量を持ち運ぶことも可能となった。この時点で大容量という点から手放せなかったiPodクラシックの立場も、いきなり私にとって微妙なものとなってしまった。

スペックや仕様、そして細かい使用感はネット上にもたくさん上がってくるであろうから、私の出る幕ではないが、気付いた点を簡単に書き出しておこう。
・iPod同様、イヤホンを抜くとポーズになる点はナイス。
・ファームウエアは既にVer1.12。使い心地から機能に至るまで、アップデータ配布により改善されていくのがうれしい。
・曲の更新は簡単。PCに付属ケーブルでつなぎ、PCからドラッグコピーするだけ。メモリカードも同時に認識、マウントしてくれる。
・曲データはFLACがおススメ。フォルダや階層も自由なので、使いやすいように管理できる。
・microSDカードはFAT32フォーマットすれば64GBも使えるが、もちろん自己責任のサポート外。
・サイドボリュームつまみは非常に使いやすいと思う。釣竿のロッドのようにくるくる回す感覚だ。こんなところについているとポケットの中で爆音になってしまうじゃないかと懸念するところだが、回転に対しステップが細かいので、急激な音量変化は起こりえない。
・逆に一気に音量の上げ下げをしたい場合は画面タッチで可能。
・ポップノイズも特に問題なし。
・フォルダをまたがった曲選択ができないため、プレイリストを多用するものの、プレイリストが作りにくい。直接データをテキストで開き、編集したほうが簡単。
・1曲でも追加した場合は、全曲対象のデータベース更新となる。曲数が多くなるとちょい時間がかかるので、とりあえず指定された楽曲をプレイバックし、バックグラウンドでデータベース更新を人知れず行なうような仕様変更に期待。
・起動がちょい遅い。ファームウエア更新、あるいは次期モデルで改善されることに期待。
・マイクロSDカードの差し替えで簡単にライブラリの交換ができるのは嬉しいが、そのたびに更新が必要なのは、ちょいとわずらわしい。いたしかたないか?
・ギャップレス再生についてもアップデートで対応されるとの噂?
・バッテリーの持ちは必要にして十分。
・アンプをつなげての好みの音質追及も面白いが、軽量&コンパクトな使い勝手の良さを失ってしまうのは本末転倒かな…と躊躇。
・AK100のサウンドクオリティは、iPod+Fostex HP-P1と好勝負。

Astell & Kernとは、Astell(星)Kern(核)という意味で、中心的存在として輝き続けるという固い決意と思いがブランド名に込められているという。第一弾商品としてAK100が華麗に登場したわけだが、市場の声も受け取りながら、更なるブラッシュアップが図られさらに魅力的なモデルも登場してくることだろう。

未来への希望、更なる高音質の音楽ライフをさりげなく提供してくれる存在として、Astell & Kernへ寄せられる期待は大きい。圧縮で劣化した音楽なんて、冷めてのびたラーメンみたいなもの。美味しい音楽は、新鮮なまま選りすぐりの好みの音で聴かないと、人生損しちゃうよ。

text by BARKS編集長 烏丸

●Astell&Kern AK100-32GB-BLK
54,800円(オフィシャルショッピングサイト価格)
・ボディカラー:ソリッドブラック
・記録媒体:内蔵容量:32GB(NANDフラッシュ)※システム領域を含む
・拡張スロット:microSDカードスロット×2スロット(各最大SDHC 32GBまでサポート)
・音楽再生:収録数:約7,680曲
・連続再生:約12時間(FLAC/192kHz/24bit)、約15時間(FLAC/96kHz/24bit)、約16時間(FLAC/44.1kHz/16bit)、約20時間(MP3/128kbps)
・ファイル形式:WAV、FLAC、APE、MP3、WMA、OGG
・サンプリングレート:8kHz、16kHz、32kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz
・量子化ビット数:8bit、16bit、24bit(※24bitは、WAV/FLACのみ対応)
・ビットレート:FLAC:0〜8、APE:Fast〜High、MP3/WMA:8kbps〜320kbps、OGG:Up to Q10
・フォルダ管理:○
・タグ情報:ID3 V1 Tag、ID3 V2 2.0、ID3 V2 3.0
・データベース管理:すべて、アルバム別、アーティスト別、ジャンル別、再生回数順、24bit音源のみ
・レジューム機能:○
・アルバムアート表示:○
・歌詞表示:LRC形式
・プレイリスト機能:○
・再生方法:通常再生、シャッフル
・リピートモード:リピート、1曲リピート
・ギャップレス再生:-
・オーディオ:D/Aコンバーター:Wolfson WM8740 (High-End Audio DAC)
・ライン入出力端子:3.5mmイヤホン/光デジタル出力端子×1, 3.5mm光デジタル入力端子×1
・アウトプットレベル:1.5Vrms + 1.5Vrms(負荷無し)
・ヘッドホンインピーダンス:16〜300Ω
・周波数特性:10Hz〜20kHz / ±0.02dB
・ダイナミックレンジ:110dB≧
・S/N比:110dB(1kHz/0dB, 48kHz/24bit, 負荷無し)
・ステレオクロストーク:-120dB (1kHz/0dB, 48kHz/24bit, 負荷無し)
・THD+N:0.0009%(1kHz/0dB, 48kHz/24bit, 負荷無し)
・IMD:0.003%(48kHz/24bit, 負荷無し)
・クロックジッター:90ps
・イコライザー機能:ユーザーEQ (5バンド:62Hz、250Hz、1kHz、4kHz、16kHz)
・物理キー:電源・画面オン/オフ, 巻き戻し, 再生/一時停止, 早送り, ダイヤルボリューム
・物理キーロック機能:ダイヤルボリュームロック
・ボリューム調節:152ステップ (0〜75/0.5刻み)
・Bluetooth:バージョン:3.0
・プロファイル:A2DP、HFP
・表示言語:7言語(日本語、英語、韓国語、中国語簡体/繁体、ロシア語、スペイン語、フランス語)
・対応OS:Windows 8(64bit)、7(32bit/64bit)、 Vista(32bit)、XP、2000
・電源:バッテリー:内蔵リチウムポリマーバッテリー (2000mAh/3.7V)
・オートオフ機能:オートパワーオフ(無操作時)、バックライトオフ(無操作時)
・充電時間:約5時間30分(USB充電/460mA)
・USB種類:形状:microUSB(5pin)
・インターフェース:USB2.0 High Speed
・USBクラス:USBマスストレージ
・画面:ディスプレイ:2.4型 IPS方式カラー液晶
・解像度:QVGA(W 320×H 240 ドット)
・色彩表示数:約1,600万色
・タッチパネル:静電容量式
・サイズ(W×H×D):約59.2×約79×約14.4(mm)
・重量:約122g
・動作温度:-5℃〜40℃
・同梱物:画面用プロテクトシート、背面用プロテクトシート、microUSBケーブル、専用ポーチ、クイックスタートガイド、保証書(本体1年/付属品90日)、microSDカード 2GB(24bitサンプル音源×5曲プリインストール)
(この記事は音楽(BARKS)から引用させて頂きました)
【BARKS編集部レビュー】ついにこの時代がやってきた、AK100が切り開く新オーディオライフでした。
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(この記事は「メルぞう」から引用させて頂きました)

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