安らぎの涙が頬をつたう……二人の恋運命、やがて訪れる【最終結

October 21 [Mon], 2013, 14:46
はネタを集めていたのだ。この世の中、情報を制する者が勝つ。
 ところが彼の返事は実に素っ気なかった。
《ガセネタに払う金はない》
 私の努力をむだにする気か。
オメガ シーマスター アンティーク
《他にもいいネタありまっせ》
《要らん》
 ちっ。ケチ! 今日のお昼代にしようと思ったのに。
 報酬をもらいそこねてムスッとしていると、藤田さんから声をかけられた。
「ポチ、これあげる」
 目の前にポトンと置かれたものは、抹茶フレーバーのミルクキャンディ。
「きゃうーん、藤田さーん」
 藤田さんはプログラマーとして技術上のサポートをしてくれるだけでなく、時々こうしておやつのサポートもしてくれる。いい人だなあ。いや別に餌をくれるから懐いているわけではない、念のため。
 情報料をもらえなかったのは残念だったが、おやつが降ってきた。収支はトントンだ。それに係長のはほとんどゴシップの類だったしなあ。でも本人に聞かれていたのは大いにまずかった。怒ってないみたいだからよかったけど。
 そっと瀬尾係長に目を向けてみると、彼も自分の席からこちらをじっと見ている。どきっとして慌てて目を逸らした。
 やっぱり怒ってるのかな。うわ、まずいなー。これはますます訊きづらくなってしまった。
 
 というのも、同僚たちが瀬尾係長フィーバーするなか、私はどうも心に引っかかるものがあって気になっているのだ。係長とどこかで会ったことがあるような気がする――いわゆる既視感というもの。でもどうしても思い出せない。
 係長がこれまで所属していたPR事業部は八階に、ここWEB事業部は十階にあり、業務が重ならない限り顔を合わせることはない。もちろん同じ会社にいる以上その可能性は低くはあってもゼロではなく、例えば主任以上の管理職は毎朝十階の会議室に赴くから、遭遇することもあり得る。
 ただWEB事業部室というのは重役室に近い奥まった場所にあり、会議室の方が十階の入り口からは近いために、役付きの面々と顔を合わせることなど滅多にないのだ。それに彼ぐらいの美形なら社内で会えば印象に残るはずだ。
 さりとて社外での接点となると更にないわけで、どんなに考えても答えは見つからない。
omega シーマスター アクアテラ
だからと言って係長本人に尋ねるのもためらわれた。「どこかで会ったことありませんか?」なんて、ナンパじゃあるまいし、恥ずかしくて訊けるかって。
 しかし係長は私を知っているような素振りはまるで見せない。思い違いだったのだろうか。訊こうにもきっかけがつかめずもやもやとしていたところに、噂話をしていたことで悪印象を抱かれてしまってはお手上げだ――そう思っていた矢先。


「あー腹減った。俺もうお昼行くね」
 時計を見ると十一時四十五分を指していた。
 我がWEB事業部では昼休みの時間は各自の裁量に委ねられている。各々の仕事の進捗状況によって、キリのいいところで行ってよいのだ。
「藤田さん、私も一緒に行っていいですか?」
「あれ、お弁当じゃないの」
 私は節約のため毎朝弁当を作る。弁当派の女性社員は他に二人いて、時折おかずを交換するのも楽しみの一つだ。
「お米切らしちゃって。買うの忘れてたんですよ」
「ポチはよく食べるからね」
 日頃から兄には「たくさん食べて大きくなれよ」などと言われているせいか、我が家の米の消費量が多いのは確かである。しかしすでに二十歳も超え、今さらどこをどう大きくしろというのか。
 唯一思い当たる部分に目をやった。……ま、小さくても困る人は誰もいない。
 しかし藤田さんには無難に反論することにした。
「食欲の秋ですからねぇ」
「だからポチの食欲は一年――」
「瀬尾さーん」
 馴染みのない甲高い声が彼の声をかき消した。
 部屋の入口には係長のファンと思しき若い女性社員三人が立っていて、笑顔を振りまき彼ばかりか同僚たち全員の注意を引いている。一番手前にいて目についたのは明るい茶色の巻き髪をした女性で、存在感のある胸を見せつけたいのか身体にピタっと貼り付くようなカットのブラウス
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