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「商品分析」と「顧客分析」が店舗売り上げのキーファクター / 2010年06月27日(日)
 前回「POSデータによる店舗分析で『自分の店がどんな店か』を知る」では、POSデータの3つの基本分析の中でも基本中の基本となる「店舗分析」について解説した。今回は残る2つ、「商品分析」と「顧客分析」について解説を進めていく。

 商品分析は、単品ごとの分析やトランザクションともいわれる販売単位(レシート)ごとに分析する考え方である。店舗分析で店舗のビジネスの大きな傾向をつかんだ後で、品ぞろえなどの具体的な施策を実行に移す際に不可欠な分析である。ACE分析などで「この商品は死に筋のような気がするがどうだろうか?」と想定したら、商品分析をすることで判断できる。

 商品分析は、商品単体ごとの売り上げを見ていくように思えるが、それだけで見てはいけない。重要なのは、「売り上げ全体やほかの商品と関連してどうなっているのか」という視点を常に持ちながら分析することである。例えば、ある商品の売り上げが減少していても、店舗全体の売り上げも減ってきているのであれば、必ずしもその商品の問題ではないということになる。

 商品分析は、前回店舗分析の基本と同様に、商品または分野別で長期視点と短期視点で見ていく。

●長期視点

週→月→3カ月(季節)→1年→3年の期間

●短期視点

(曜日別)→日→時間帯

 既に前回の店舗分析で長期・短期視点の分析方法を解説しているため、早速、商品分析の応用の解説に移る。

●商品分析の応用:ID商品を探す

 前回の終わりに相関関係について解説しているが、相関関係を活用した商品分析として「ID商品分析」がある。具体的にはMicrosoft Office Excelなどを活用して、各商品の売上高や販売数量の推移と、店舗全体の売上高や販売数量の推移に相関関係があるかを確認できる。

 ID商品分析では、各商品間で「商品Aの売り上げが増えれば商品Bの売り上げが減る」といった、代替やカニバライゼーションの関係も見いだすことができる。分析対象の商品(変数)が多くなるため、専門用語では「多変量解析」と呼ばれ、より精密な分析を目指すのであれば異常値などを取り除いて実行する。

I商品:店舗売り上げにインパクト(Impact)を与える商品やカテゴリー

 その商品が購入されるときは店舗売り上げが高くなる。つまり、売り上げと正の相関関係がある商品やカテゴリー。

D商品:店舗売り上げにダメージ(Damage)を与える商品やカテゴリー

 その商品が購入されるときは店舗売り上げが低くなる。つまり、売り上げと負の相関関係がある商品やカテゴリー。

Non ID商品:I、Dのどちらにも当たらない商品やカテゴリー

 商品の大半はNon ID商品だが、売り上げの変化に直結するI商品・D商品をまずは見つけることをお勧めする。

 I商品は、生鮮品を扱うスーパーマーケットなどでは、果物や肉、魚などに見られることが多い。果物の購入による客単価の上昇や、冬場の鍋物などに利用する肉や魚がほかに必要な食材と一緒に買われることなどを思い浮かべると分かりやすいだろう。特にI商品は売り上げに直結するため、ぜひ見いだしてほしい。一方、D商品を見つけた場合には、すぐに対策が必要となる。

●ある地方老舗スーパーのID商品分析例

 以前筆者のチームが業務改善をした、スーパーマーケットでのID商品分析事例を紹介しよう。

 同社はもともと地域の老舗の酒類卸(酒問屋)から創業し、現在では複数店舗を持つに至ったスーパーマーケットだ。創業以来の伝統から、競合店よりも酒類の品ぞろえと高級感を売りにしており、ここ数年はワインの品ぞろえなどにこだわりを持っていた。ところがそのワインをはじめとする酒類の売り上げが年々落ちてきており、その管理を含めて品ぞろえをどうしていくか考えていた。分析を進めると、同社らしさでもある幅広い品ぞろえを誇るワインがD商品となっており、悪循環の元であることが判明したのだ。

 POSデータの分析結果からは、ワインを購入する顧客に幾つかのタイプがあることが分かった。われわれが注目したのは、以下2つのタイプの顧客だ。

・常連の会員顧客の中で、ワインを購入する日はほかの買い物を控える顧客
・ワインを含む酒類の安売りの日に来店し、酒類のみを購入する非会員顧客

 例を挙げれば、「1日の買い物を3000円や5000円までにしよう」などと決めている中で、ワインを購入すると予算がその分減額するため、ほかの買い物に回せる予算が減り、ほかの商品の売り上げが落ちるという状況だった。一方、ワインが多く売れる日でも、その内容は催事などで特売品や低価格商品が売れていたという実態もあり、店舗の利益にほとんど貢献していなかったのだ。このスーパーの場合、結果的にはワインの品ぞろえを半分近くに削減して(見掛け上は高級品も残す)主力は低価格商品とし、それに伴いレイアウトの変更を実行した。

 このように、ワイン単品だけでなく顧客グループとレシート(併売状況)の商品や売り上げ全体を並行して分析することで、品ぞろえの変更を図ることができる。

●顧客分析の基本(1):顧客ID分析

 顧客をグループ分けすることについて触れたので、次に顧客分析の解説に入ろう。近年、顧客分析が最重要ともされているが、顧客分析ではまず顧客を以下の2つに分けて考えるのが基本である。

1. ポイントカードなどの顧客IDを持つ会員顧客
2. 顧客IDを持たない一般顧客(非会員顧客)

 会員顧客は店舗で定期的に買い物をする顧客であり、特にスーパーマーケットなどでは週に何度も来店するので、店舗の存続にとって極めて重要な存在である。通常は会員と非会員の比率が3対7といわれているが、地域に根付いた店舗などでは4対6を超えることもある。スーパーに限らず、百貨店やホームセンターなどでも、毎週というほどではなくとも、顧客IDを持っている会員顧客は一定のサイクルで来店することが多い。従って、まずは顧客IDを持つ顧客と持たない顧客とで分けて分析をする。

 売り上げを会員顧客と非会員顧客2つの切り口で比率を確認する。例えば、10人の購入顧客がいて、うち3人が会員顧客、残りの7人が非会員顧客というのがよくあるケースだが、売上高に占めるウエートでは、会員顧客の上位2、3人程度で5割から7割に達するということがよくある。また、一般的に会員顧客の方が非会員顧客に比べて客単価が高くなる傾向もある。さまざまな店舗が会員顧客を増やすために日々努力しているのはこのような理由があるからである。

●顧客分析の基本(2):デシル分析

 さらに顧客を細かく見るのが「デシル分析」だ。前回、店舗分析の1つとしてABC分析を解説したが、デシル分析は顧客を購入金額順に分けて分析する手法で、ABC分析やACE分析とよく似ている。ABC分析では売上金額に占める割合によって3分割しているが、デシル分析はその言葉(Decile:十分位数)が示すように、ある期間をもって、顧客を購入金額順に10ステージに分けて特徴を分析する。例えば、1カ月に5000人の顧客がいれば、500人ずつ10に分けるということになる。

 すると大抵の店舗では、1デシル、2デシルの2つのステージで売り上げの70%に達する。「3対7の法則」や、極端な場合は「2対8の法則」などという言い方をされることもあるが、特にスーパーマーケットや百貨店などでは上位顧客に売り上げが偏る傾向が強い。つまり、上位ステージの優良顧客が店舗の売り上げを支えているということを示している。

 従って、手っ取り早く売り上げを増やそうと考えたら、上位のデシルの顧客の購入商品、消費の関係性などを見ながら品ぞろえを変更することになる。ここまでで分かるように、あくまでデシル分析(顧客分析)と商品分析は不可分であり、並行して進めなければならない。

●顧客分析の応用

 さて、もう勘の鋭い読者の方は察していると思うが、ここまで解説したデシル分析に、会員・非会員の切り口や店舗分析、商品分析を加えてみよう。

 前回、ACE分析ではEに属する商品の在庫を減らす、扱いをやめるなどの判断は容易であると述べたが、BやDに属する商品に関しては判断に迷うところである。そんなときにデシル上位の顧客がそれらの商品を購入しているのか、あるいは会員顧客は購入しているのかを見れば、迷うことなく判断ができるはずだ。

●POSデータ分析の上級者を目指して

 参考として、POSデータ分析の上級者のものの見方について触れておこう。POSデータ分析の上級者の方と話すと、先ほどの図2のような2次元の分析思考でなく、図3のような3次元的思考で店舗をとらえて分析している。初級者の方は、「売り上げ」を商品構成、顧客構成などの1つの切り口で見てしまう傾向が強いが、上級者は「売り上げ」を、「顧客」と「商品」それぞれを組み合わせ、それに「時間(期間)」を加えて見ている。従って、「期間が長くなれば、顧客の嗜好(しこう)に合わせて品ぞろえを変えていかなければならない」という意識である。このようなイメージを頭に描きながら、日々のPOSデータ分析を進めていただきたい。

●データ分析者の「姿勢」や「意識」を整理する

 最後にデータの分析者の基本的な「姿勢」や「意識」を紹介しておこう。ここまでで基本的な分析手法は整理しているが、どのような意識を持ちながら日々の分析を進めていくべきか、忘れないように整理しておこう。

 データ分析は、一般的な業務分析と同様に以下2つの進め方がある。

仮説検証型

 こうではないかという仮説をあらかじめ持ち、POSデータを分析して検証する。つまり、分析の前に仮説を設定してそれをデータで確かめる進め方。

データマイニング型

 POSデータを分析した結果からいえることを結論としてとらえて、ほかの商品や販売方法に展開する進め方。データから結論付けるので、期間などの条件設定に関しては気を使う。

 恐らく、長きにわたり販売業務に携わっている方であれば、「この商品はこうすれば売れる」「結果こうだった」という仮説検証型が多いであろう。一方、マーケティングや調査業務に携わる方であれば「このタイプの顧客は、この組み合わせの商品を選ぶ」というように、分析結果を是とするデータマイニング型が多い。

 筆者が主張したいのは、どちらの進め方も正解であり、店舗の現場を常に見ながら自らの分析の進め方を持つことと、できれば仮説検証とデータマイニングの両面から分析を実行してほしいということである。そして、その方法論を関係者間で共有し、定期・継続的に分析を進めていただきたい。現場実践と方法論、そしてチームワークが加われば、あなたの店舗は必ず良い方向に向かうはずだ。

 次回は、利益構造の視点をベースに売り上げを伸ばしたスーパーマーケットのID-POSデータ活用事例の詳細を紹介する。【TechTargetジャパン】 6月27日12時50分配信 TechTargetジャパン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100627-00000001-zdn_tt-sci
 
   
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