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日本はゼロ金利でもまだ高い 「マイナス金利政策」の導入に検討の余地あり / 2010年06月22日(火)
■なぜ日本の政策金利はゼロなのか

 日本の政策金利は2000年以降、ほとんどゼロに維持されてきました。なぜこのような状態が続いているのか改めて考えてみました。

【写真】日本はゼロ金利でもまだ高い 「マイナス金利政策」の導入に検討の余地あり

 1つの大きな理由として、80年代後半のバブルの後始末という面があります。バブル時代、日本中で様々な余分なものが作られました。需要予測が甘い観光施設や港湾、人の通らない道路、売上げ増加を見込んで人員増加、工場の増築など、さまざまです。

 これら過大な供給能力に対し、バブル崩壊後あてにしていた需要が一気に無くなってしまったため、さまざまな設備が余ってしまいました。このような需要不足供給過剰の状態が続くと、物価が下落します。

 そこで日本では政策金利を低くすることにより、新たな需要を生み出そうとしました。例えば車や家のローンや銀行からの借り入れを考えてみると、これらすべての金利が大きく下がりました。これにより新たな需要が生み出され、需要不足の解消に貢献しました。

 また、金利を下げることには、将来の期待キャッシュフローの割引率を低下させ、資産価格を押し上げる効果があります。バブル崩壊では株式と不動産の価格が大きく下落しました。金利が低下したことにより、これら資産価格の下落が幾分か和らいだと考えています。

 ただ、バブル後の需要不足の大きさがあまりにも大きかったため、金利低下による民間需要創出の効果ではバブルの遺産の穴を埋めることができませんでした。現在は政府の支出で民間の需要不足を補っている形になっているため、財政赤字が拡大しています。この構造がデフレと低金利の一因となっています。

■グローバル化の進展

 政策金利が低下した理由にはもう1つ重要な要因があります。それが90年代以降日本企業で急速に進んだ「グローバル化」です。

 90年代前半は、急激に進んだ円高に対応するための海外移転でした。円高により輸出競争力が落ちる製品は海外、特に中国で生産が行われるようになりました。この動きは、製造業の賃金は中国での安い賃金への収斂(しゅうれん)を引き起こすため、国内の製造業の賃金に大きな下落圧力がかかりました。

 90年代後半以降になると、企業の運営、特に賃金制度のグローバル化が進展しました。それまでの日本的な年功序列の賃金体系からより成果主義に近い体系に変わることにより、とくに50歳以上の年齢層で賃金に下落圧力がかかりました。

 この結果、企業業績は好調だが、雇用は伸びず、給与も伸びずという現在の構造が出来上がりました。給与が伸びないと物価はなかなかあがりませんので、政策金利は低位安定という結果になります。

■理論的な政策金利より高い実際の政策金利

 政策金利を決定する理論的な枠組みに、米国FRBも採用していると言われるテーラールールがあります。簡単に説明すると、政策金利は「名目の長期期待成長率を基準とし、景気の変動による需要過不足とインフレ率の変動を考慮して決定する」という枠組みになります。

 例えば、米国の場合長期期待成長率を4%とすると、足元では大きな需要不足とインフレ率の低下が見られるため、目標とする政策金利は4%より大きく下がるという形になります。

 次に日本の政策金利をテーラールールの枠組みで評価してみましょう。結果はとても興味深いものとなります。日本の長期名目期待成長率はせいぜい1.5%程度でしょうか。それに加えて巨大な需要不足とデフレが存在しているため、目標とする政策金利は1.5%より大きく下、間違いなく大きなマイナス、正確に推計することは難しいですが、−1%と−2%の間ぐらいだと考えています。

 ここで立ち止まって考えてみると、景気やインフレの面から考えた理論的な政策金利より、ゼロより政策金利を下げないという問題のため、実際の政策金利が大幅に高く設定されていることに気がつきます。よく「日銀の金融緩和が足りない」という議論がされることがありますが、言い換えれば、政策金利が非負の制約により高止まりしていてしまっているということも出来ます。政策金利はゼロに維持されているわけではなく、本来もっと下げる必要があるべきところが、ゼロに押しとどめられてしまっているのです。

■政策金利が高すぎる悪影響

 それでは「ゼロであるにも関わらず政策金利が高い」ことがどのような悪影響を及ぼしているか、2つの例で見てみましょう。

 1つ目は、銀行預金にお金が滞留するという現象です。銀行預金といえば、金利はゼロで低収益の代表例のように感じるかもしれませんが、実は正反対です。物価上昇率がマイナスの中でのゼロ金利は、実は非常に高い収益をもたらしています。それに加えて元本保証であるため、銀行預金はこのデフレ環境の中では無敵の資産へと変貌します。銀行預金にお金が滞留するのは別に特別なことではなく、極めて合理的な投資の結果なのです。

 2つ目は、インフレ率に比べて政策金利が高いため、円高をもたらしているという現象です。海外の投資家は、実質金利というインフレ率考慮後の金利を参考に、投資を行う場合があります。日本は、政策金利に対してインフレ率が低く、実質金利が大きくプラスなのに対し、米国、英国、ユーロの実質金利は大きくマイナスとなっており、海外投資家には日本円は非常に魅力のある通貨として映っているため、円高を招いています。円高が引き起こす悪影響は計り知れません。製造業の海外移転と国内の賃金低下、輸入物価低下によるデフレ、まさに今我々が抱えている問題そのものです。

 この議論は決して新しい議論ではなく、足元の実質金利が高いのが問題なのは周知の事実で、実質金利を下げるために、デフレの脱却や新たな金融緩和、国債を増発しての景気対策やインフレ期待の創出などの議論がされてきましたが、どれも決め手に欠けてきたのが現状です。

■実質金利を下げるために政策金利をマイナスに

 実質金利を下げるあまり一般的でない方法として、政策金利をマイナスにするという方法があります。実は金利がゼロ以上でなければならないという決まりはありません。実際に、スウェーデンは現在中央銀行への準備預金金利を−0.25%に設定していますし、スイス中銀は70年代に非居住者向け預金金利を−40%に設定したことがあるそうです。また最近、スイス中銀が最近のスイスフラン高とデフレ圧力に対応するため、政策金利をマイナスに引き下げる可能性があるというレポートを米系銀行が発表しました。

 金利をマイナスにすることには、大きな抵抗が生じる可能性があります。現実にはゼロでも−0.1%でもほとんど変わらないのですが、マイナスは精神的に大きく傷みを伴うためです。ただ、日本の現状を打破するためには、どのような政策をとっても何らかの傷みを伴うことを考えると、即効性があり、合理的で、すぐにでも実行可能な政策であるマイナス金利の導入は検討の余地が大きいのではないでしょうか。

 今回の金融危機では、FRBによる銀行救済やECBによる国債買取など掟破りの政策が乱発されました。それに比べれば他国で導入実績のあるマイナス金利の導入は、デフレという実情に沿った現実的な政策です。貯金は減っていく、ただし借金も減っていく、このようなマイナス金利を導入し金利の非負制約を突破することで、デフレ、円高、財政問題すべてが解決に向けて大きく前進すると考えています。

【6月22日10時0分配信 MONEYzine
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100622-00000000-sh_mon-bus_all
 
   
Posted at 15:33/ この記事のURL
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