オングリーン 〜変化が生む変化、その不変さ〜 

October 10 [Sat], 2009, 0:06
辿り着いたその島にはあらゆるものが満ちていた。

色彩の森。

怒りの谷。

涙の湖。

記憶の風。

奇跡の海。

それはまるで、大型スーパーマーケットの調味料売り場のようだ。

揃っている。集まっている。

僕は幼子の様に大きな声を上げて感動するわけでもなく、かと言って、全てを悟った哲学者の様に眉間に皺を寄せる訳でもなかった。

ただ、自然にそれを受け入れた。

ただただ、自然にそれを受け入れられたのである。

ヒカリは僕の隣で、大樹の根元に腰を下ろし優しく眼を閉じている。

その姿はまるで、木洩れ日だった。

それくらい、美しく、そして柔らかだった。

「競争は引き分けね。あなたもなかなかやるじゃない。次は負けないよ。」

眼を閉じたまま、優しくヒカリは言う。

「僕もだ。僕も次は負けない。さぁ、少し休んだらもう一回遊ぼうよ。」

自分の言葉の端々に英気が満ちている事に少し驚きながら、僕はヒカリを誘った。

ただ、ひたすらに、直向に遊びたかった。

地平線の様に、それは真っ直ぐな思いだった。

「嬉しいな。」

ヒカリは穏やかに微笑んだ。

「さぁ。」

僕はゆっくり立ち上がり、ヒカリに手を伸ばした。

希望の太陽は丁度、僕らの真上から種を蒔いている。

そう、それは丁度、僕らの真上から温度を与えている様だった。

ここにある全てに温度を。
P R
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悲しい物語と、良い知らせは「小さな声」で語られる。

昔から、そう決まっている。

耳を澄ませば。

ほら。

アンサンブル。


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