リンク【世界に罪無き人はいない】

January 26 [Thu], 2017, 14:38
2作品目になります。
こちらもよろしくお願いいたします。


【世界に罪無き人はいない】

プロローグ

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 まだのものは少々お待ちください、作成中です。


第40闘【世界に罪無き人はいない】

November 13 [Fri], 2015, 16:00


【世界に罪無き人はいない】

第40闘

ー結論ー

――――――――――――


雄介ver.



自分が白き仔かもしれない。

そう里桜さんから聞いた時、「なんで?」と疑問が浮かんだ。
姿・形の問題などではなく。

単純に、存在について疑問に思った。





白き仔がどういう存在かは、以前のリンを見ていて、分かったつもりでいた。

凶暴で、見境なく人を食らう。
薫の声も届かない、危険な存在。

どう考えても、「生かす」選択肢などあるはずがない。
なのに、何故。

(ここにいるKanatoの人達は、俺を殺さない?)

別に殺されたい訳ではない。
死にたいという願望は決してなく、ただの客観的な意見。



俺の暴走を止めてくれた錬さんは、傷だらけの状態でKanatoのメンバーである里桜さんの手当てを受けていた。

なんでそこまでしたんだ?
コントロールなんかしなくたって、殺した方が早いでしょ?

正直な意見がそこにあった。





事実、白き仔であったと確信を持てた時も、俺の存在は「罪」なのではないのかと思った。

だけど、錬さんは傍に居続けてくれた。
離れようとはしなかった。

結果的に、ズタボロになるまで錬さんを傷つけた。
無事に生きているとしても、だ。

こんな錬さんの姿を見せたら、ロキは泣くかもしれない。
俺を責めるかもしれない。
当然だ、それだけの事をしたんだ。


ついこの間まで、平凡でどこにでもいるような人間だと思っていた佐々野雄介はもういない。
そして、「白き仔の雄介」という存在だけが残った。

人間の姿をした化物。
もう二度と、普通の生活は送れない。

不安が募る。
この先、どうやって生きて行こう?

いや、そもそも。
生きてて、いいのか?




「お前が今辛いのは知ってる。」
里桜さんと一緒に来ていた春人さんは、何も気にせず俺の傍に寄ってくる。

「俺なんか、生きていない方が。」
いい、と言葉を続けようとするのを、春人は制する。
「そんな事はない。」

「だって!俺は人を傷つける白き仔だぞ!」

ずっと我慢していられるロキとは違う。
事実、俺は錬さんを傷つけた。

「その為の俺たちだろう?」
「…!」

(俺は…生きてて、いいのか?)

「お前は、どうありたいんだ?死にたいのか?」

俺はついさっきまで死闘を繰り広げたいた錬さんの方を見る。
視線にすぐ気付いた錬さんは笑顔で手を振り返してくれる。

「……っ」

涙がこみ上げそうになるのを必死で堪える。
ここで泣くのは男として恥ずかしい。
だけど、だけど。

(嬉しい。)

「死にたくは、ない。」
「なら、ここにいろ。」

春人さんはそっと俺の頭をなでる。
子供をあやすかのような手つきは、少し前の俺なら拒否していただろう。

それでも、今はとにかく、認められたような気がして、感謝の気持ちで一杯だった。




「ほら、応急処置は終わりよ!後は戻ってからね。」
「ありがと、里桜。」
「べ、別に!アンタが珍しくボロボロだったから仕方なくよ!…全く、無茶ばっかして。」

救急箱をしまいながら、里桜は錬を見つめる。

「…錬、無事で良かった。」
「心配かけた。」

俺と春人さんはその光景を傍らで見ていたわけだが、意外にも仲良さげな感じがして少し気になった。
後に、白き仔の研究で一緒に仕事をしているという事実を聞くことになるが、それはまた別のお話。

「ほら、君も立てる?雄介君!」
「あ、はい!」

里桜さんの力強い声に反応し、俺も慌てて返事する。
何か小言でも言われるかと思ったが、案外セリフは普通で。

「帰るわよ!!」

「はい!」

単純で、なんてことない一言。
でも、何故か心に染みる。

帰る場所がある。
一緒に居てもいいと言ってくれる。

ぶつかる事があっても、信用出来ない時があっても。
それでも、信じて傍にいてくれる。

大事な、大切にすべき人達。







帰り道はみんな静かで、錬さんの研究室の前では、ロキが両手を振って飛び跳ねていた。

「おかえりー!!」

『ただいま』

俺と錬さんは揃って返事。
これがきっと、これからの日常になる。



「錬さん、頼みがあるんだ。」




ロキが玄関から走ってくるのを見つめながら、俺は錬さんに声をかける。




「ロキを助ける、手助けをさせて。」




錬さんは、ただ静かに笑い、拳を突き出した。




「よろしく、相棒。」
「あぁ。」





〜END〜


長期に渡り、ご愛読ありがとうございました。

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オリジナル小説更新中です。後、たまに夢小説書きます。結構不定期更新ですがよろしくお願いします。
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