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そもそも公認会計士資格試験の大変革は必要なのか? / 2010年06月27日(日)
 金融庁の公認会計士制度に関する懇談会は6月25日、8回目となる会合を開いた。金融庁の事務局は「とりまとめに向けて(たたき台その2)」との文書を公表。委員の間で依然として議論となっている部分についての意見集約を図った。しかし、立場が異なる委員からは、これまでの議論を振り出しに戻すような発言が相次いだ。政治主導で始まった懇談会には徒労感が漂い始めた。

 当初は6月中の最終報告とりまとめを目指していた懇談会は8回目の会合でも意見を集約することができなかった。金融庁の事務局は25日の会合でのとりまとめを目指し、ぎりぎりまで調整を続けたが、最終報告の公表は見送られた。議論を尽くすといえば聞こえはいいが、議論に求心力がないともいえる。金融庁 副大臣の大塚耕平氏は所用で懇談会を途中退席した。

 第1回:会議は踊る――会計士試験見直しで議論百出
 第2回:注目集める公認会計士制度の新試験案、議論の収れんは
 第3回:産業界が望む公認会計士資格の二段階化、その実現性は
 第4回:公認会計士資格の二段階化に筋道、大手監査法人が支持表明
 第5回:新公認会計士資格制度は旧制度のよみがえりか
 第6回:「准会計士」が誕生へ、しかし議論は混迷
 第7回:合格者に順位付け――新公認会計士資格制度の事務局案公表

 25日に公表された「とりまとめに向けて(たたき台その2)」は、6月7日に開催された前回会合で公表された「事務局案」とほぼ同じ内容だ。公認会計士試験に合格しても監査法人に就職できず、資格取得ができない就職浪人問題の解決と、監査、会計人材の育成を目的に、公認会計士資格試験制度の改正を提案する内容だ。検討されている試験制度については第7回会合の記事「合格者に順位付け――新公認会計士資格制度の事務局案公表」を参照してほしい。

 第8回で議論されたのは、この第7回会合で大塚副大臣が述べた「(公認会計士資格までに)多様な登頂ルートを設けることは多様な人材を育成するうえで望ましいとの意見が多数になっている」とのコメントを受けた内容だ。事務局案では元々、2段階目の試験を受験するための要件として3年程度の実務経験を求めることを検討していた。これによって多くの受験生がひとまず就職することになり、就職浪人問題が解決すると金融庁は見込んでいた。

 しかし、1、2段階目の試験を一気に合格するような優秀な学生に3年間の実務経験を要求するのは適切でないとの意見が第7回会合で出た。これが上記の大塚副大臣の発言につながっている。この「多様な登頂ルート」に対して金融庁が用意した答えは2つ。

 1つの案は「25歳以上は実務経験がないと2段階目の試験が受けられない」との案だ。25歳というのは仮の数字だが、この案では24歳までに2段階目の試験に合格すればその後に3年間の実務経験を行う。だが、2段階目受験前に25歳以上になっている場合は、3年間の実務経験を積まないと2段階目の試験を受験できない。24歳以下で2段階目試験の科目合格をしていれば、3年間の実務経験の後に、2段階目の残りの科目だけを受験することになる。ちなみに25歳というのは現状の合格者の内定率から導き出されている。既卒者を対象とした調査では合格時に24歳だった合格者の8割近くが内定しているが、25歳では6割程度に落ち込み、それ以上の年齢ではさらに内定率が低下する。すんなりと監査法人などに就職してもらうには、25歳未満での合格が最適と金融庁は考えているのだ。

 この案に対しては委員から「年齢で一律に差別をするのは大いに疑問」(野村総合研究所の大崎貞和氏)、「法律的な問題がある」(東京駿河台法律事務所の弁護士 上柳敏郎氏)と指摘され、支持はされなかった。

 一定の支持を集めたのはもう1つの案。これは「1段階目に合格した翌々年以降は実務経験がないと2段階目が受けられない」という案。つまり、1段階目を合格し、その翌年に2段階目も合格した場合は、その後に3年間の実務経験を行うが、2段階目の試験で不合格になると続けて受験することができずに、3年間の実務経験を積まないといけない。そして、その後に2段階目の試験を再受験する(科目合格している場合は残りの科目)。これによってずるずると受験を続ける受験者がいなくなり、早期に就職することを狙っている。

●ここまでやるべきなのか?

 確かにこの案は一定の支持を集めた。しかし、「ここまでやるべきなのか躊躇(ちゅうちょ)もある」と上柳氏が述べたように、受験者への負荷と混乱を心配する声も多く聞かれた。青山学院大学大学院の教授 八田進二氏は資格試験制度について「魅力のあるもの、夢のあるものにしないといけないと思うが、この見直しは中身が旧来よりも重装備で、魅力が激減する」と指摘した。さらに今回の資格試験制度改正の目的が合格者の就職浪人問題の解決だったことを指摘し、「いまの未就職の人をどうするのかを考えないといけない。試験制度の大変革をする必要があるのか」と話した。

 いま起きている合格者の就職難問題を解決するために、そもそも試験制度を改正する必要があるのか。八田氏の発言をきっかけにこのような考えが委員の間で広がりだした。

 日本公認会計士協会の会長 増田宏一氏も同調し、資格試験制度の改正ではなく、単純に合格者を減らすことを訴えた。「(現行制度で)受験生は5割増になったが、合格者は従来の2.5倍になった。その結果として実務経験の場がなくなった。(新しい制度でも)大量の合格者が出ると同じ問題が生じる」

 対して、金融庁の参事官 土本一郎氏は「合格者数だけで現在の問題が解決するとはいえない」と反論。金融庁の総務企画局 局長の内藤純一氏も「実務経験を早い段階で求めることが受験者を意気消沈させるなら考えるべきだが、現実には就職浪人問題がある」と話し、就職浪人問題を解決するには試験制度の改正が必要と訴えた。

●すでに始まっている絞り込み

 金融庁は2010年以降の合格者数について、この懇談会での議論を受けて対策が取られるまでは2000人程度に抑制する方針を示している。6月18日に発表された今年第2回の短答式試験の合格率は現行試験制度になってから最低の4.6%だった。すでに絞り込みは始まっているのだ。

 この懇談会ではさまざまな立場の人がさまざまな発言をしてきたが、受験者本人や合格者本人が意見を述べたことはなかった。第7回会合からは受験者も傍聴しているようだ。最終報告がどのような形になるのであれ、最も影響を受ける彼らの声も聞くべきではないだろうか。 6月25日22時47分配信 @IT
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100625-00000002-zdn_ait-sci
 
   
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