June 17 [Thu], 2010, 23:11
南アジアは産科サービスが十分に行き届いていない地域の一つで、その中でもバングラデシュは厳しい状況にあります。
バングラデシュといえば、人口増加率の高い国として有名ですが、産婦死亡率が10万人中351人にも上るという問題を抱えています。
その原因としては、自宅出産が9割を占める中での、医療施設の不足、産婦輸送手段の未発達、十分な研修を受けた産婦人科医・助産師の不足が上げられます。産婦の輸送には、リキシャを使うのが一般的のようですが、運び方を間違えると命取りとなります。
また、ヒンズー教徒の間では、産後の母親と赤ちゃんが一定の期間小屋で隔離されるのが当たり前だそうで、その小屋が清潔に保たれているかどうかも、赤ちゃんの健康状態に影響します。
バングラデシュで活躍するNGOは多く、もちろん妊産婦への支援に関連した活動もしていると思うのですが、インフラが整っていないために支援が届く地域が限られてしまう、急速なスピードで増える人口に対応するには人手も物資も十分ではないようです。
出産は命がけと言われますが、貴重な命はやっぱり守っていきたいですよね。
バングラデシュの女性が、安心して妊娠・出産できるように、赤ちゃんが健康に育つように、日本のノウハウが活かせればなと思います。
February 25 [Thu], 2010, 22:14
昨日たまたま「ワールドビジネスサテライト」を観ていたら、バングラデシュの水ビジネスで奮闘する日本の中小企業の話が出てきました。
最近は仕事で接する人々の間でもバングラデシュに興味を持つ人が増えてきている気がするのですが、やはり水ビジネスで同国との関係を強化したいと言っていました。
私はバングラデシュの水ビジネスを「日本のために水資源を確保する」という視点で捉えていたのですが、番組を観て「現地の人に安全な水を販売するビジネス」ということを知りました。
川に囲まれたバングラデシュは水資源が豊富だけれども、地下水のヒ素汚染が深刻な問題というのはかなり前の記事でお話したと思います。ヒ素に汚染されていなくても、川や池には人間に有害なバクテリアもいますし、下痢で病院に駆け込む人々が跡を絶ちません。
日本の中小企業が開発したのは、ヒ素に汚染された水や池や川の濁った水を飲み水に変える粉。マグネシウム等で出来たもので、これと先述の水を混ぜるとあっという間に水が透明になるのです。
価格は現地の生活水準に合わせてボトル一本20円。また、ヤクルトレディのように、村を回る販売員を雇用することで地元の貧困層の雇用にも繋がっています。
同じような試みはヨーグルトで有名なフランス企業のダノンも始めています。中国製の機械の導入、現地で仕入れた牛乳を使用することで、設備投資・材料調達・輸送コストを抑え、40円でヨーグルトの販売が可能だそうです。材料調達面では農家の収入に貢献しています。ダノンはマイクロファイナンスで有名なグラミン銀行とも提携しているとのこと。
こうした貧困層をターゲットとしたビジネスは最近注目を浴びているようです。あと、日本の中小企業がバングラデシュに押し寄せる日も遠くないのかもしれません。
February 02 [Tue], 2010, 22:16
バングラデシュ料理というと、カレーのイメージが強いですが、海外との接点が多い層は他国の料理も口にします。距離が比較的近いせいか、辛い料理が好きなせいか、タイ料理も親しまれつつあるようです。
2年前のダッカ出張の最終日、相手側からタイ・レストラン「Aristocrat」での夕食会に招待されました。
レストラン内は欧米風の雰囲気。バングラデシュのレストランの中では豪華な方だと思います。
メニューは、野菜炒めやビーフン、さつまあげや春物など。
それまでバングラデシュで食べたものは、思ったほど辛くなかったので、タイ料理とはいえ大丈夫だろうと思っていました。しかし、さつまあげやサラダ系が激辛。甘く見てました・・・。
ウェイターがお代わりをよそいに回ってきたのですが、「ちょっとムリ」と思い、最初によそってもらった分だけで終了。
締めは日本人には激甘のプリン。
辛さと甘さの刺激が強い夕食でした。
September 18 [Fri], 2009, 19:34
もう2年前の話になるのですが、ダッカ近郊にあるJICAの青年海外協力隊の隊員が活躍している職業訓練学校にお邪魔したことがありました。
バングラデシュは中東やマレーシア、シンガポール、韓国に労働者を派遣していることもあり、事前訓練施設では集中して語学の授業が行われています。日本への送り出しはなく、従って日本語のニーズも少ないようで、私たちが見学しに行った時は韓国語の授業が行われていました。テープに合わせて練習するというものです。生徒が韓国でどのような仕事をするのかは分かりませんが、韓国語の習得もなかなか大変だと思いますし、韓国とバングラデシュのやり取りは日本と比べるとまだまだ少なそうなので、教材や教師が不足しているのではないでしょうか。
日本語については、現地にいくつか日本語学校があるようです。また、日本に出稼ぎ或いは留学に行っていたバングラデシュ人が日本人相手にビジネスをしている例も多く、実際出張中に使った旅行会社の職員は日本留学経験者でした。ただ、日本語のレベルは高くてもビジネス通訳は厳しいかなという感じです。
独立した直後に日本政府が承認したこと、日本から多大な援助が入っていることもあって、バングラデシュ国内での日本のイメージはかなり良いようですが、一方で2ヶ国のつながりが少ないためか、まだまだ日本語は普及していないのかなと思います。ただ、ベンガル梧の語順は日本語と同じらしいので、そういう意味ではまだやりやすいのかもしれません。
近い将来繊維産業を中心にバングラデシュに進出する日系企業が増えることも考えられるので、日本語学習者数が増えるかもしれませんね。今後の課題は質の向上でしょうか。
July 02 [Thu], 2009, 23:14
仕事でバングラデシュ担当になったこともあり、バングラデシュ人と接する機会が増えました。
バングラデシュというと、日本から遠い国というイメージがありますが、意外なことに在日バングラデシュ人って多いんですよね。最近は、「ViVi」で活躍しているモデルのローラがバングラデシュと日本のハーフと知りました。
不法滞在者も多いようですが、貿易やレストラン(大半はカレー)などのビジネスを展開している人も多く、職場にはそういった関係の人とよく会います。中には日本滞在が数十年という人もいて流暢な日本語に驚かされることも。
また、そんなに有名ではないとはいえ、商工会も出来ているようです。メンバーの多くは上記のビジネスマンです。
彼らの間では故郷の発展のために尽くしたいという思いがありますが、日本人が感じるバングラデシュとの距離や同国に対する誤ったイメージが障害となってなかなか大きな話につなげられないようです。
そうはいいつつも、中国や東南アジアから南西アジアに関心が移っている日本人も多く、特に縫製業界関係者からは注目を浴びているようです。
バングラデシュ側が望む日本への労働者輸出は伸び悩んでいますが、日本からの投資の部分では今後伸びる可能性はあると思います。
June 09 [Tue], 2009, 23:03
バングラデシュにいる時によく聞いたのが、「ヒ素中毒」というワードです。実は同国は地下水のヒ素汚染が深刻なことでも知られています。ヒ素に汚染された水を飲み続けると、皮膚ガンを発症する確立が高くなり、最悪の場合は死にいたるそうです。
国民の9割が飲料水として地下水を利用しているのですが、1990年代の調査では64県中60県においてヒ素汚染が確認されました。
こうした被害を防ぐため、ろ過を行う「代替水源装置」という方法と「深層地下水」(深井戸)を利用する方法が取られているようです。バングラデシュ人の一般家庭では地下10〜50メートルの浅井戸を利用するのが一般的なようですが、浅井戸については全土でヒ素の汚染が確認されています。深井戸については、現時点で75,000あるようですが、高度な技術が必要でコストもかかるようです。
水が豊富なのはいいのですが、洪水なり砒素汚染なり、水絡みのトラブルも多いですね。
April 03 [Fri], 2009, 22:57
今日バングラデシュの38回目の独立記念日を祝うレセプションに行ってきました。
バングラデシュはご存じのとおり、1971年以前は東パキスタンでした。しかし、民族や言語が西と東では異なり、政治も西側に有利に働くことが多かったため、独立戦争を経てパキスタンから分離独立したのです。
レセプション会場は私たちが着いた時点からかなり人が多くて歩くのがやっとという感じでした。周りを見回すと、在日バングラ人、各国の外交官やビジネス関係者のほか、「ミス・ワールド」に出場した日本人美女2人がいました。その中でも目立っていたのは、やはり民族衣装を着たバングラ人女性でした。
大使のスピーチ、来賓のスピーチのあと、バングラデシュ料理をごちそうになりました。カレー味がメインです。
とりあえず激辛ではなさそうな肉料理やカレーを口にしてみました。日本人の口に合わせたのか思ったほど辛くはありませんでした。そんなに多く盛ったわけではないですが、一つ一つの味が重いせいか、すぐにお腹いっぱいになりました。
よく考えたら日本でこんなにバングラ人に囲まれた場所に足を運んだのは初めてかもしれません。かなり多いとは聞いていましたが、ここまで日本にバングラ人がいるとは。
かなりディープな夜でした。
March 02 [Mon], 2009, 22:20
昨年末の選挙が無事終了し治安が良くなったような印象を受けたバングラデシュでしたが、25日から26日にかけて大きな事件が発生してしまいました。
ダッカにある国境警備隊(BDR)の事務所周辺で、待遇改善を求めるとともに国連平和維持活動への参加に不満を示した警備隊員と政府軍が銃撃戦になり、将校と民間人合わせて100人の死者が出るという大惨事になりました。
事態は26日夜に将校が投降し、大部分に恩赦が認められるということで収束に向かいましたが、集団墓地や下水道に死体があるのが見つかり、当初50人と言われていた死者の数が100人に増えたことで、改めて銃撃戦の激しさを知らしめる結果となったのです。
実は、銃撃戦が始まった25日、職場の上司と先輩がダッカに出張中でした。用があったので、先輩が持っていった海外携帯にかけてみたのですが、いつも通じるはずの携帯がつながらず、その後連絡を取れなかったので、「まさか」と思って心配になりました。
結局翌日電話がかかってきて無事なことが分かりましたが、私が電話をかけた時はちょうど通信規制があったようです。上司と先輩が泊まっていたホテルから事件現場は離れていたので、特に混乱はなかったようですが、アポがキャンセルになったりと影響はあったようです。
BDRの不満内容は、世界経済不況や食料価格の高騰といった問題に繋がっているのかなと思います。バングラデシュの主産業は縫製ですが、最近は先進国からの注文が激減して、外貨獲得が苦しくなりつつあるのでしょう。
今回の事件をきっかけに治安がさらに悪化→市民による暴動→政権崩壊といったシナリオにならなければいいのですが・・・。
December 24 [Wed], 2008, 23:22
12月29日にやっとバングラデシュの総選挙が行われます。日本を始め、先進国からの監視団参加の下での実施です。
元々は2007年1月21日に予定されていたものですが、政党間の対立が激化したため、1月11日の非常事態宣言発出とともに、延期となったのです。
1975年の独立以降1990年まで軍事政権が続いていましたバングラデシュは、1991年議院内閣制に移行しましたが、その後の総選挙では毎回政権が変わり、長続きしていません。 2006年まで政権の座にあったバングラデシュ民族主義党(BNP)は任期満了を受けて退陣。ジア首相はその後汚職容疑で逮捕されてしまいました。ジア首相は2005年に来日された時にある会合に出席されていたので、捕まったと聞いた時は驚きました。
その後選挙管理内閣が発足したものの、政党内対立による国内情勢悪化し、上述の通り選挙は延期、今に至っています。
今度の選挙でも大混乱が予想されますが、バングラデシュの場合は縫製業を中心に経済発展がめざましいので、政治の方でも国際社会の信用を得たいところだと思います。
場合によっては(選挙によって閣僚がガラッと変わるなど)、私が関わる仕事にも多少影響が出そうなので、気になるところです。
November 28 [Fri], 2008, 21:51
バングラデシュはイスラム国家なので街でお酒を買うことは出来ません。例外として欧米資本のホテルでは観光客向けに販売していることもありますが、日本の価格の10倍以上なので、気軽に何杯も飲める感じではないですよね。
2007年9月に出張に行った時、酒好きの上司にとってバングラデシュは辛いのではと思い、事前に「トランジット先のタイでボトルを買って持っていきましょうか?」と提案したところ、「大丈夫だ。我慢できる」とのことでした。内心疑いの念は消えませんでしたが、最終的には本人が言うなら信じようと思いました。
上司の他に、職場の関連の団体が同行していたこともあり、食事はバングラデシュでは高級の部類に属するレストラン、欧米人向けのレストランに行くことが中心でした。こういったところでは、ワインやビールを出してくれるので、上司たちはその機会を捉えてアルコールで息抜きをしていました。結局平均1日に1回はなんとかアルコールにありつけるような感じに思えました。
ところが!
後日一緒に行った先輩から聞いた話なのですが、上司は上記でも物足りなかったようで、最後の方にホテルのラウンジの喫茶店で真っ昼間からビールを注文したそうです。しかも、事前打ち合わせのために早く来ていたバングラデシュ人の関係者2人にも無理矢理ビールを勧めたとのこと。バングラデシュ人は基本的に人に勧められると断れない性格のようで、しぶしぶ口にしたようです。
上司としては自分たちだけがビールを飲むのは嫌だから巻き込みたかったのでしょう。それでも、宗教的な理由で飲めないと言っている人達に強引に飲ませるのはどうかと思います。話を聞いて呆気に取られてしまいました。飲み足りないなら、私達が提案したとおり、タイからボトルを持っていけばよかったのに・・・。
さらに私達を呆れさせたのはポンと渡された紙一枚。
その内容はご想像にお任せします・・・。