広まる臍帯血移植

March 24 [Thu], 2011, 14:07
へその緒の血液である臍帯(さいたい)血を活用する臍帯血移植が広まりつつある。これによって、白血病や先天性免疫不全症などの治療に光明が見えてきた。
● 苦痛がなく、手間も不要

 血液を作る、免疫によってウイルスや細菌から守る、老廃物を体外に排出して新しい栄養分を補充するなどの基礎的な体の働きが損なわれる病気には、急性白血病、再生不良性貧血、先天性免疫不全症、先天性代謝異常疾患などがある。
 こうした病気の治療で、薬物療法などが効果のない場合は、血液の成分を作る細胞(造血幹細胞)を移植する必要があり、従来は、造血機能がある骨髄を移植する方法しかなかった。しかし、1990年代の半ば以降、造血機能のある臍帯血を移植する治療が始まった。
 「臍帯血はへその緒の血液なので、提供者は、針を刺されることもないので、苦痛もなく、手間も要りません。採決された臍帯血は、冷凍保存され、各地の臍帯血バンクで管理されます」と、神奈川臍帯血バンクに携わる昭和大学藤が丘病院(横浜市)小児科の磯山恵一・助教授は話す。
 臍帯血バンクは全国に9カ所あり、「日本さい帯血バンクネットワーク」に全国の情報が集められる。
 磯山助教授と同じく、神奈川臍帯血バンクに携わる大和保健所(大和市)の西平浩一所長は、「神奈川臍帯血バンクからは、97年からの4年間ほどに、50人の患者に臍帯血が提供されました。患者は、6歳未満が38人、6歳から15歳が11人、成人が1人です」と話す。

HLA不一致の許容範囲広い

 輸血は血液型が一致しなければできないのに対し、骨髄移植と臍帯血移植は、白血球の血液型であるHLAがある程度一致していなければできないが、HLAの幾つもの指標のうち、骨髄は1つの不一致までが移植の許容範囲であり、臍帯血は不一致が2つでも移植できる。このため、適合する血液が見つけやすい。臍帯血は、今後、3つの不一致まで移植できる可能性も出てきている。
 造血幹細胞の移植が必要な病気は、命にかかわるものであり、移植をうけた時には既に進行している患者が多い。このため、臍帯血移植を受けても、全員が回復するとは言えないが、移植患者の中には日常生活ができるようになった人もいる。
 「臍帯血移植は、骨髄と違って、移植後の拒絶反応も抑えやすく。患者の身体的な負担も軽い。しかも、この治療は、骨髄移植と同じ程度の効果が得られています」と磯山助教授は話している。
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