第六話前編

April 25 [Mon], 2005, 12:43
機械仕掛けの神は大空へと飛び去った
すでにゲフェンの住人はプロンテラ、もしくはイズルードへと退避させている
なぜ?
簡単だ、ゲフェン塔は、いや、ゲフェンの町自体が蓋なのだ
その地下奥深くに蠢くものどもを封じ込めるための。
ダムに小さな穴が開けば、その水圧からダムは崩壊を始める
巨大な魔力を封じ込めたゲフェンの町に、穴が開いた
これまで押さえ込まれていた魔力は一気に地上をめざし吹き上がり、魔力のある場所にはモンスターが生まれ、さらにその濃度を上げてゆく
やがて地下二層、三層の封印も崩壊し、最下層への扉が開いた時、この美しいゲフェンの町は跡形も無く崩壊する

彼らは、それを断固として阻止するためにこの場に集まっていた

ゲフェン東部、普段なら初々しいノービスが戯れ、ポリンやルナティックで溢れるこの場所はガラリと雰囲気を変え、静かな静寂に包まれていた
軽い鎧と、巨大な両手剣のみを携えた軽騎士
ペコペコにまたがり、槍と鎧で身を固めた重騎士
一羽の鷹を肩に乗せたハンター
後方で治療にあたるプリースト達が並ぶ中、一際巨大な影が一角を占めていた
鷲のような嘴
全体を厚く覆う羽毛
その体躯を翔けさせる強靭な足
背に生える羽

翔鷲虎(グリフォン)師団
王都近衛騎士団第一大隊は、実質ほんの数十人の戦力ながら、通常編成一個師団並の攻撃力を誇る彼らは、強い畏怖と賞賛の意を込めてそう呼ばれていた
「・・・諸君」
翔鷲虎師団の先頭に立つウエストは一度呼びかけた後、周囲の目がこちらに向けられるのを確認し、言葉を続けた
「諸君が今見た通り、グロス・ゲフェニアは飛び立った。もうじき、あの『穴』からは無数のモンスター達が列をなして湧き出てくるだろう。まずはハンターフライ、ポイズンスポア、次にナイトメア、グール、そしてデビルチ、マリオネット、ドッペルゲンガー…長く、厳しい戦いになる。最下層への扉が開いた時、このゲフェンは崩壊する、だが我々は絶対にそれを阻止せねばならない。ゲフェンが崩壊すれば、最早再度の封印は不可能となりやがてこの国全体が暗闇の底に沈む事になる」



第五話後編

February 15 [Tue], 2005, 0:31
その後、自分の副官になるというエクス=ベルドナッドから作戦の概要を聞かされたヨルスは、暫くの間頭痛に悩まされる事になった
まったくの新機軸の武器…たしかにソレは、これまでにない新しいモノだった
既存のもので近いといえば、海に浮かぶ船がそれに近いといえる、しかしこれは…
その日から数日間、ヨルスはゲフェンの大図書館に篭り、魔術書、船の取り扱い書、過去の戦術、戦法…およそ戦争と名のつく書物を片っ端から読み漁った
それこそ食事も館に届けさせ、寝る間をおしみ、睡眠時間は昼寝で補い、まだ高級品のガスランプを夜通し使い続け、もちろん排泄中も…

「指令…発進準備が整いました」
過去の回想から別の方向へと思考がシフトしかけた時、タイミングを見計らったかのように、傍らのエクスが声を掛けてきた
常に冷静なようだが、昨夜行われた出撃前夜の宴会ではかなりハメをはずしていたらしい
意外と面白い奴なのかもしれない
「ん・・・そうか」
「あとは、指令の指示をいただくだけです」
室内の全ての目が彼に向けられていた
「了解した…手順に従い、発進準備を行え」
静まり返っていた空気が再び動き始める

「ジェムストーンへの魔力回路開け、ベントオープン」
「魔力回路開きます…魔力弁開放、魔力流入開始、ジェムストーン振動数上昇」
「動力炉内圧力上昇…振動数毎秒一万五千から二万へ」
「推力エネルギー変換率85%、動力炉接続30秒前…」
「圧力さらに上昇、振動率二万七千から三万五千へ」
「機関接続弁オープン、点火まで残り10秒」

9秒…

8…

7…

6…

5…

4…

かすかに聞こえていた音が高まり、室内全体が揺れ始める
もし失敗すれば、瓦礫の下敷きか…そんな死に方はごめんだな
そんな思考を頭の隅へと追いやり、全てを吹き飛ばす勢いで叫ぶ
「動力接続、点火!飛空艦グロス・ゲフェニア発進っ!」
「動力接続、点火!」
部下が指示を復唱し、シークエンス最後のレバーを引き下げる
耳を聾する轟音と、地震のような揺れが全員を襲い、そして…
「発進成功、現在グロス・ゲフェニアは高度650mを飛行中…」
かつて、ゲフェン魔法科学の粋を集めて作られたゲフェニアタワー
時代の移り変わりとともに、観光名所と成り下がっていた建造物は
再び
デウス・エクス・マキネ−機械仕掛けの神−として
大空へと舞い上がった

第五話中篇

February 15 [Tue], 2005, 0:30
周囲を人の背丈の倍はあろうかという本棚と、それを埋め尽くす膨大な量の本
およそ娯楽とは程遠いであろうその本は全て、魔術と化学の専門書らしかった
採光のために設けられた窓の前におかれた執務机に優雅にたたずむ連合議長、雪篠の姿
「ゲフェン魔術連合付騎士団所属、ヨルス=ヴァンシュタイン、命により出頭いたしました」
騎士団入団直後から徹底的に仕込まれる敬礼通りに挨拶を行ったヨルスに対し、雪篠はとりあえずイスに掛けるよう指示したあと、ゆっくりと喋り始めた
「今回、あなたには特別な任務を行ってもらいます、安全の保障はまったくありません。もし失敗すれば、あなたと指揮下の部下は敵を目にする前に瓦礫の下に沈むことになります・・・」
香水の甘い香りが室内を移動しながらヨルスに近づく
「ですが…成功させなければなりません。この作戦の成否に、ルーンミッドガルツの未来がかかっています。本来、この任務は知識の豊富な私の部下にまかせるべきなのでしょうが、あえて貴方に頼む理由がわかりますか?」
「いえ・・・」
雪篠が引き出しから書類の束を取り出し、めくる
「あなたがこれまで上層部へ具申した提案書類です。新しい行軍方、陣形、組織改革案等等…」
懲罰人事
その言葉がヨルスの頭に浮かんだ
軍人の命令は常にトップダウン方式で行われ、それを覆すような下部からの意見具申は大抵の場合、本人によからぬ結果を招くことになる
それが分かっていながら、なぜあれだけの数の具申を行ったのか
自分でも答えは分からないが、ヨルスはそれが自分の役目であると信じて行動していた

結局…こうゆう結果になるのは分かってたさ
諦めにも似た心境で小さくため息をつく
「今回の指令は懲罰ではありません。あなたの豊富な戦略眼を見込んでのものです」
「・・・は?」
「今回の作戦で使用される物は、これまでの常識を覆す、まったく新機軸のものです、これを自在に操れるとすれば、あなたしかいないと、私は考えました」

これは…俺の力を認めてくれているのか…?
言いようの無い興奮がヨルスの心の底からわきあがって来る

「受けて…もらえますか?」
既に腹は決まっていた
「謹んで…お受けいたします!」

第五話前編

February 14 [Mon], 2005, 23:59
ジュノー侵攻開始より三日後 魔術都市ゲフェン

「発進シークエンス、43%完了…現在システムオールグリーン」
「魔砲制御装置、射撃制御装置、側距儀安定…問題ありません」
「ジェムストーン振動数、圧力ともに正常、現在毎秒一万三千五百…」
薄暗い室内の中心に半透明の球体が浮かび、それを取り囲むようにして円形に座席が設けられている
座席の前には長方形の画像がぼんやりと浮かび上がり球体の光りと相まって部屋全体をうっすらと照らしている
その形状から通称、オペラハウスと呼ばれている部屋の一段高くなった座席で、ヨルスは突然ゲフェン魔術連合の長官室に出頭を命じられた日の事を思い出していた

第四話後編

February 12 [Sat], 2005, 2:50
「実際の所、軍はどうなんだ?戦えるのか?えぇと…」
幾分落ち着きを取り戻したラスティがテーブルの末席に座る騎士に問いかける

「ウエストです。ウエスト=ヤークトパンター。先日、王都近衛騎士師団長に命ぜられました」

「ああ、ウエスト君か、失礼。で、どうなのかね?」

問いかけられた騎士は一旦目を閉じ、意を決したように一気に喋り始めた

「どうしても戦えというのならば、初めの一週間、いえ、十日は存分に暴れてご覧にいれます。ですが、もし戦いが一ヶ月、一年と伸びれば保障はできません。もしこの反乱が意図的な物であり、十分な準備がなされているとすれば、敵の総力はかなりのものと予想されます、それらが時間の経過とともに次々前線へ投入されるのに比べ、わが国はまず軍の再編から行わねばならないため、どうしてもそこにタイムラグが生まれます。そして、敵の攻撃がジュノーによる王都攻撃後であると予想される以上、このライムラグはさらに大きくなると思われます。おそらく、各都市との連絡線の確立に攻撃後三日、軍の再編と、指揮系統の確立には最低でも十日はかかります。その間も増え続ける敵軍を現常備軍のみで支えるのはかなり難しいと思われます」

ウエスト自身はただ自分の考えを述べただけのつもりだったが、どうやらそれはラスティの気に召さなかったらしく、少しイラついたように急き立てる

「で、結局どうなのかね?軍は戦えるのか、戦えないのか!」

「…我々軍人は、上から戦えと言われればたとえ何が相手であろうと、全力で戦います!それが軍人の務めであると考えます」

この一言で、テーブルに着く全員が開戦は避けられないと悟った
たとえ彼らがどれほど抗弁しようと最終決定権はラスティが持っている、そのラスティが開戦を叫んでいる以上、彼らにはどうすることもできなかった

しかし
「…一つだけ、戦争を避けられる方法が存在します」
それまで沈黙を保っていたウイザード…ゲフェン魔術連合長、雪篠 雪那がゆっくりと立ち上がる
そのまま会議室の全員をゆっくり見回してゆく
青く長い髪が揺れ、その顔に影を生み出した
その影の奥
黒い瞳に一つの光りが生まれていた
狂信
魔術と科学の融合
ただその一点のみを追求する事で現在の地位に上り詰めた彼女
永遠に日の目を見ることは無いと思っていたその計画
彼女の信ずる神が…生まれる

第四話前編

February 12 [Sat], 2005, 2:22
「これは我が国に対する、明らかな侵略行為である!」

分厚い樫でできたテーブルに拳が叩きつけられ、上にあったコップが揺れる
ルーンミッドガルツ軍統合作戦本部長ラスティ=ザクセンは会議冒頭からずっとこの調子で弁を取っていた

「しかし、シュバルツバルドはあくまで一部将校の反乱であり、あくまで戦争の意思はないと言ってきているんですよ?」

プロンテラ騎士団長であるヨルス=ヴァンシュタインがそうなだめるがラスティの怒号は鳴り止むことがなかった

「ならばなぜ奴らはアルデバランでその将校とやらに攻撃を行わなかった!そして何故、ジュノー通過後も軍の大半をアルデバランに置いたままなのだ!このままジュノーがこのプロンテラを攻撃すれば、奴らは一気にこのミッドガルツで雪崩れ込んでくるに決まっているっ!」

「やはり、ここは我等も軍を進め、ミョルニールに防衛線を構築するのがよくはないかね?」

どうやらブラックスミスギルド長はあくまでラスティ側につく姿勢らしい

「防衛線を張ったとして、万が一事故や偶発的な戦闘が起こればどうする?それこそ全面戦争に発展するぞ」

実際に戦闘が起こった際、前線に立つ事になるハンター、アサシンギルド長は非戦派に属している

「そうなればそれこそ我等に思う壺だ、攻者は防衛側の三倍の勢力が必要であり、万全の策を敷いておけば、万が一にも我等に敗北はありえない、それとも、君たちは軍の主力として毎年多額の予算を浪費しているにも関わらず、戦えないとでも言うつもりかね?」

俗物めが…
ヨルスは心中で小さく呟いた
ブラックスミスギルドがなぜ開戦を主張するのか
答えは『金』である
戦争になれば大量の武器、防具が必要になり、それらを作るのは彼らである以上、ブラックスミスギルドには多額の資金が流れ込む
ヨルスとしてはそんな金の亡者のために、貴重な熟練兵を無駄な戦闘で失いたくは無かったが、予算の事を言われると反論できなかった
事実、ミッドガルツの年間軍予算の内、その半分以上を騎士団、ハンター、アサシンギルドが装備や設備等で浪費しているのだ、そして、それらの予算の大半は国民とブラックスミスギルドから国への税金でまかなわれている
そんな彼らの口からまさか戦えません等とは、文字通り口が裂けても言う事はできなかった

第三話後編

January 30 [Sun], 2005, 1:33
ああ、そう興奮しないでくれたまえ、あくまで仮定の話だよ。
当然、それは立派な反逆だ、だが、わが国は反逆者が万一「敵国」に孤立したとして、それを見捨てるほど冷たい国では無い。
だが、もし…反逆者達がプロンテラを壊滅させたとしたら…?
王都を失った国民は不安にかられ、ルーンミッドガルツの治安は悪化し、何千人もの犠牲者がでることになる、これはいけない。
我々は隣国の治安を維持し、隣人を助けるため、手を差し伸べる必要画があるな…
こんな話を考えてみたのだが、どうだろうか?
なかなか立派なフィクション小説だと思わないかね?
そうか…君もそう思うか…君はやはり素晴らしい人物だ
そう…元帥になっても不思議ではないな…
やぁ、今日は君と話せてよかった
ああ、いずれまた

「さて、博士…」
話し終えた所でヴェントはソビエツキーへ向き直った
「悪いが、君を拘束させてもらう、このジュノーは我々シュバルツバルド第一大隊が占拠した。今よりこのジュノーは我々の指揮下にて、『敵国』王都プロンテラ攻撃に向かう」
敵国…あの時、あの男は確かにそう言った。
すでに上層部はルーンミッドガルツとの戦争を覚悟している
このまま我々がプロンテラを壊滅させれば、頭を失った巨人、ミッドガルツは容易にシュバルツバルドに屈するだろう。
我々が失敗した場合でも、反逆者の逮捕と都市の治安維持を口実に、敵国内に自軍を置くことができる。
だが、この空飛ぶ要塞が万が一にも落とされるとは思えない
騎士の槍も、ハンターの矢も届かず、ウイザードの魔法は全面に張られた障壁が遮ってくれる…。
そして俺は英雄として再び本国に帰還し、元帥となる…
まさに覇者の道だな。
「大隊総員に告ぐ」
既に目の前には所定の指示に従い、部下たちが配置についている
「只今をもって、我々は『ロイヤル・ロード作戦』を開始する…作戦、発動!」

第三話前編

January 30 [Sun], 2005, 0:54
ジュノー侵攻より四日前 シュバルツバルド共和国ジュノー地下施設

「で?この装置でほんとうにこの都市は航行が可能なのかね、博士」
軍人らしい容貌の隻眼の男が傍らの白衣を着た人物に語りかける
「ええ、地下中心部にある『ユミルの心臓』の動力を増幅、一部を航行用機関へ接続しました。間違いなく、このジュノーは航行が可能です」
博士と呼ばれた男が誇らしげに答える、が、隻眼の男の目はどこか危ない光りを秘めているようにも見えた。
「しかし…このジュノーをどこへ?隣国ルーンミッドガルツとの戦争はもう百年も昔の事、海を越えた向こうにも、我等の脅威となるような国は存在しないように思えるのですが…」
二年前、ジュノーの飛行を可能にせよと極秘の内に辞令を受けた時からの疑問を彼は隻眼の将校へと問いかけた。
「知りたいかね?ソビエツキー=ソユーズ技術大尉」
「も、もちろん、極秘と言うならばこれ以上の詮索は…」
既にジュノーには戒厳令が敷かれ、市民等も全て他の町へと退去させられている
それだけ秘匿する必要がある程の事であれば、極秘扱いも当然と思われた
「まぁ…いずれ君にも話しておかねばならない事だ。今から二日前、私はある軍上層部へと出頭を命じられた…」

 暗い室内、奥にいる人物の顔は闇にまぎれて見ることができない。
声に聞き覚えが無い所をみるとよほど上位にいる人物だろうか。
その男は抑揚のない声で彼…ヴェント=ゲーリング少将に語り始めた

 ああ、よく来てくれたヴェント少将、楽にしてくれ
名乗るわけにもいかないが、その点は許してくれたまえ?
君はたしか明後日、ジュノーで行われている極秘試験の視察に行くそうだが、確かかね?
ふむ…結構。
これはもし…あくまで仮定の話だが、視察に行った将校が反乱を起こし、もし隣国の王都プロンテラを攻撃したとしたら…。

ヴェントは、自分の中で何かが弾けるのを感じた

第二話

January 22 [Sat], 2005, 3:15
聖暦1841年 飛鳥の月 15日
ルーンミッドガルツ王国 王都プロンテラより北へ86キロ地点

神は天にあり、世はなべて事もなし
もしこの場に詩人がいれば、昔の賢人の言葉を思い浮かべたかもしれない
一羽の鳥が悠々と空を飛んでいた
突然真っ黒な影が鳥を覆い隠した
彼は本能に従い、その影から逃げるため、一気に降下し、木々すれすれの位置から今まで飛んでいた空を見上げた
そこにいたのは、彼を鋭い爪で捕え、糧とするような猛禽ではなかった
すさまじく大きい何か
とても奇妙な光景だった
巨大な槍が空を飛んでいた
瞬間、槍の側部が光り、何かを吐き出した
彼は飛ぶ方向を変え、生存本能のままに逃走を開始した

槍の横から飛び出した光球はその鳥を狙ったものではなかった
飛び去る方向には、同じく巨大な、一つの都市が浮かんでいた
周囲を城壁で囲まれたそれは、都市と言うよりも城砦に近い
そして、光球がその城砦の壁へ激突し、その破壊力をエネルギーに変換し、堅牢な城壁を粉砕する寸前、まるで見えない壁に叩きつけられたかのように光球は消滅した
巨大な都市は、それを歯牙にもかけない様子でまっすぐ目標へと進んでいる
王都、プロンテラへ…。


「やはり、魔法は通用しない、か」
薄暗い部屋の中、空中に浮かび上がる外の様子を映し出した映像を見ながら、ヨルス=バンシュタインは呟いた。
「やはり、敵は周囲に魔力障壁を張り巡らせているようだが…エクス君、何か意見はあるかね?」
彼の背後に控えていた痩身の男は、何事もなかったように静かな声で答えた
「いえ、全て予想の範疇です。何も問題ありません」
予想ね…まったく、今から十日前、まさかこんな事になるなんて、一体誰が予想しえたものか…。
いや…、手段はともかく、「こうゆう状況」になることは、遥か昔から予想はできていた
それまでミッドガルド大陸を統一していたルーンミッドガルツ王国から離反し、大陸を二分した勢力が生まれた時
親の因果が子に報い…親と言うには些か時間が経ち過ぎてるが、百年前の因縁というのは、なかなか深かったと言うわけかな。
しかし…シュバルツバルドの奴らめ、ジュノー丸ごと攻めてくるなんて、少しばかり派手すぎやしないか?

煌々と光る太陽の光をうけながら、シュバルツバルド共和国、空中都市ジュノーは、ゆっくりとプロンテラへと迫っていた

第一話

January 20 [Thu], 2005, 0:24
今の時代より遥か太古の昔
遥か天のたかみに住まう神々と
混沌の底、深遠の淵にうごめく魔との
幾千年にわたる壮絶な戦があった
長きに渡る戦いは両者を著しく疲弊させ
神と魔、双方例外無くまさに世界が消えうせる寸前
彼らはある協定を結び、天と、深淵の間に緩衝地帯を設け長き眠りについた
「それ」は地上と呼ばれ、幾千里もの大地と、幾万里もの海
そして、様々な生き物がその地に生み出された
この戦いは
後に人間たちの間において、ラグナロクと呼ばれ、伝説として語り継がれるようになった

この地上を作った「彼ら」
今は長き眠りの底にて、ただ伝承としてのみ存在する者達は、ひとつの過ちを犯した
人間
ひとつの命の中に、神と魔両方の意思を持ち
愛と憎しみと慈しみとさげずみに溢れる心をもつ者達
他の生き物よりも遥かに高度な文明を築き
幾多の民族に分かれた者達
彼らはやがて
自らをこの世界の主と思うようになり
それはやがて、強大な力への渇望へと変わっていった
ある者は剣を取り
ある者は知を欲し
ある者は金を
ある者は愛を
ある者は復讐を
ある者は悦楽を
ある者はこの世の全てを
深い信仰で神の奇跡を得る事も可能であるにもかかわらず
力を得た人間たちの欲望は尽き果てることがなかった

力と力がぶつかる時
そこに新たな争いが生まれる
遥か太古の昔より続けられてきた争いは
「彼ら」共通の子等である人間の世界において
再び雄たけびを上げた


思いつくままに書いてみた
反省はしていない

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