臨終

August 29 [Wed], 2012, 11:58
20120819その3看護師から電話を受けたのは、0330を少し過ぎたころ。
その後すぐに千葉の姉に連絡した。
姉の自宅から病院までは小一時間かかるだろうから、到着はは04300500ごろになりそうだ。
もしかしたら、父の最期には間に合わないかも知れない。
病室に入ると、資fのポコポコする音が響いていた。
到着したときも資fマスクをしていたので音がしていたはずだが、気づかなかった。
眼と口を開けたままの父は、まるで物のように横たわっていた。
時折、口の端を少しだけむにゃ、と動かすが、これは肉体的な反射によるものだろう。
おーい、おーい念のため声をかけてみたが、反応は無い。
脈拍は2040くらいの間を行き来しているが、時々0になる。
しばらく見ていると、その範囲が徐々に下がっていき、0になってから復帰するまでの時間が長くなってきた。
病室には私一人。
何かあってはマズイので、ナースステーションに声をかけた。
あの、何か異変があったらどうしたらいいですか私は部屋に居ますけどこちらでも心電図が見えているので大丈夫ですよあ、そうですか。
わかりました。
お願いします病室に戻って数分後、脈拍が0のまま戻らなくなった。
20秒に1回くらいの頻度で波形は表示されるのだが、数字は0のままだ。
看護師2名と、医師らしき女性が入ってきた。
今夜の宿直の医師、◯◯です。
よろしくお願い致します女医さんは早速作業にとりかかった。
ペンライトで瞳孔の反応を見る。
何度か試してみる。
口元に耳を寄せ、呼吸を確認する。
手首で脈を取る。
次に、首筋で脈を取る。
胸に聴診器をあてる。
当てたまま、しばらく聞き入る。
この作業の間、一度だけ心電図の波が振れたが、それはパルス波のような四角い波形。
人間の鼓動ではあり得ないものだった。
一連の作業を終え、女医さんが言った。
心電図には時折大きな波形が出ますけど、聴診器で聴く限りでは、心臓の鼓動の音もしないですし呼吸もしていらっしゃいません。
光に対する反応もないですので、有効な波形ではないと思います。
このまま行くと恐らくゼロになっていくと思いますので医師は時計をしておらず、傍らの看護師にあ、時計っていいですかねと声をかけ、看護師は時計をしている手首を差し出した。
一緒にご覧になっていただいていいですかあ、はいえっと、午前3時57分ですね。
ご臨終です私は、開いた家出 女子高生ままの父の目を見た後、言った。
ありがとうございましたつづく
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