2006年09月18日(月) 21時59分
そうだ、早く、学校へ行かないと。

そう思う時間。私には無駄。

なんでだろう いつのまにか、学校は卒業してて

仕事もしていない、私。

たしか・・・担任の先生に言われたっけ。

「お前、どうするんだ?大学いくのか?」

もうなんだか、わかんない・・・

眠いし、ここまできたじゃない、高校までズル休みしずに、きたじゃない。

・・・えらいじゃない。

これじゃ、だめなのかな・・・

気づいたら、ここにいるの。

私の一番好きな場所。

パジャマのままで、家を飛び出して、来るんだ。

私が住んでいるマンションの、裏にある細い道。

ずっと気になってて、いつだっけ、行ってみた。

そしたらね 綺麗な海が見えたんだ。

夕方からはカップルが多くなる。

その時間は行かないんだ。 ・・・なんだか悲しくなるから。

私には、彼氏はいない。家族も・・・いない。

友達だけ、沢山いるんだ。

でもさ、皆は大学とか仕事とかで忙しくて。

もう何ヶ月も会ってないんだ。

私、これからどうしよう・・・

 

2006年09月19日(火) 20時43分
・・・ってね。

これからさ、どうしようなんて 毎日考えてる

何が得意分野なのかもわかんない ・・・自分の事なのに。

今日も、行く。 私の好きな場所。

「あれ・・・?」

今日は先客がいたようだ。 こんなこと初めて。

あの顔は見たことある・・・

「・・・昌美。」

「あー!香湖やんっ」

確か、昌美は大阪に引っ越したんだっけ。

「もーまだパジャマなん?パジャマでこんなとこくんなって!」

明るい声で私に話し掛ける。

「・・・つか、昌美なんでいるの?仕事は?」

「仕事なんてやっとらんてー」

・・・は?

確か、昌美はいいとこのお嬢さんで、親の仕事をつぐとかいってたような・・・

「そんでな!」

・・・この顔。楽しいことを思いついたときの顔。 たいしていい事じゃないけど。

きっと。

「香湖とやろう思うねん。し・ご・と!」

・・・は?

「なんで?意味わかんないよ 却下。」

私は即答。昌美はいつも意味がわからない。

「まぁ話だけでも聞いてやっ」

 

2006年09月20日(水) 20時37分
・・・嫌な予感。 いい話じゃないことは確かである。

昌美は天然だから。

「まずな、ここで店開くねん。2人でな!なんの店かっていうt・・・」

「もういいって。 帰りなよ。 店開くとか無理でしょ?」

あ、ちょっと冷たかったかな・・・ でもまぁこれくらい言っとかないと、

諦めてくれないし。

「でもな、美緒もやる言うてるで?」

「みっ美緒が?!」

聞く前からどうでもよかった。 美緒と聞いて興味がわいた。

「なんなんよ〜美緒がいるなら、いいん?」

「・・・・・・考えとく。」

私は家の番号を教えて、帰っていった。

・・・鍵、閉めたよね。 ・・・空いてる?

ま さ か 。

「おかえりっちゃー!香湖ちゃんっ」

私の家の鍵を持ってるのは、私と美緒、だけ。

「なんでいるのぉ??!! 大学は?!てか美緒って家遠いじゃん?!」

今日は何なんだ。ミラクル?・・・笑っちゃう。

中学校の時の仲良し3人組が、大人になって再会なんて。

考えてもいなかった。・・・夢にも思っていなかった。

自然に笑顔が吹きこぼれる。 目から大粒の涙も流れる。

・・・会いたかった。

昌美は変な子だけど、親友。

いきなり訪ねてくる美緒も、親友。

「泣くなや、香湖!」

「勝手に入ってきちゃダメでしょー 昌美ちゃん。」

「さて、本題にはいりましょか。」

 

2006年09月21日(木) 22時33分
昌美が長々と話しはじめる。

私も美緒も聞く気が全くない。

「ちょー、聞いてるん?2人ともー」

「えーと、3人で店作るんでしょ?」

「ちゃんと聞いてるやん。  ・・・ってな! なんの店?!答えろ!」

「・・・」

「もーちゃんと聞いといて!私は・・・・・・・・・」

また長々と話し始める。 そんなに喋るのが好きか。

私は美緒と中学の事、高校の事を語り合う。

「・・・なんねんで?! 聞いとる?! ふ・く・や!」

・・・私は美緒と中学の事、高校の事を語り合う。

「・・・ ・・・?! 服屋?! 服屋っつった?! ええええええ???!!」

香湖と美緒は声を合わせて叫ぶ。

服?!たしか私は高校の時、進路のことで担任に言われた気が。

「お前、デザイン系はやめたほうがいいな。 笑」

・・・笑うなよ! 思わず先生に言っちゃったっけ。

だって、私は服とかすごく真剣に大好きで、

いけたらデザイン系の大学にいこうと思ってたのに、

この先生ときたら何なんだ!! と思った。

・・・実際私が下手だからしょうがないんだけど。

「香湖、考えるな。下手でも3人合わせれば、いけるで。」

昌美が元気づけてくれる。 いつもこんなパターンなわけで。

私は、この2人と服屋を作るのか?

 

2006年09月22日(金) 22時53分
「先に言っとくけどねぇ・・・私、ミシンダメだよ?」

恐る恐る喋る、私の声は震える。

2人はどう答えるのだろうか。

「・・・・」

ほら、沈黙。  ・・・もうやだあ。 ごめんね。

「知ってるっつの!だから心配すんなっつったろ!」

昌美がどんどん男口調になっていく。 本気で怒っている時だ。

「そおそお 大丈夫だよー 香湖ちゃんっ」

かわいらしい声で美緒が言う。

タイプが全然違う、3人。 

性格も、考え方だって、好きなファッションだって、違う。

そんなバラバラな3人が力を合わせて服を作っても。

すごく変てこな物ができあがりそう。

私はそんなことを考えて、一人で長いため息をついた。

「コラ。」 頭をコツンと叩かれた。

・・・・・・ん? あれれれれ?

私は瞬間的に考えた。今ここにいるのは美緒と昌美。

二人とも私の前に座っている。 私は後ろから頭を叩かれた。

サーッと顔が青くなる。

ゆっくり後ろを向いてみた。 後ろを向いたのと同時に言った。

「お前、帰れ!!!!!」

いつもくる、お隣りさん。

いい子ならまだしも、お隣りさんは、大学3年生の変な奴。

「何するんだよー お隣りさん♪だろ?」


 

2006年09月22日(金) 23時10分
「死ね!」

兄妹みたいな会話。 喧嘩友達とか、男友達じゃない。

ただのうっとおしいお隣りさん。

「てか勝手に入ってこないでよ!着替えてたらどうするの?!」

私は顔が真っ赤になるくらい、叫んだ。

近所に迷惑だとわかっていても、叫んだ。

「その時は、おとなしく、帰ります♪」

「・・・・・・死ね!変態男め!」

私は奴のお腹をぐいぐい押してバタン!と強くドアを閉めた。

「ごめん・・・うるさくて。 もーやだよね、あんな人。」

「あの人、何?」

二人は声を揃えて香湖に聞いた。

・・・・・はぁ?

「なんで?ただのキモイ変態男、お隣りの那流クンですけどー」

「何普通にしてんねん、いつもそんなん?!」

昌美が怒り出す。 なんで私が怒られなきゃいけないのよ。

昌美が怒っている意味と、二人の目がキラキラしてる意味がわからない。

「決定やな、美緒。」

「そーだねぇ。」

「は?」

ケッテイ?何が? 私は本気で意味がわからない。 

するとやっぱり昌美が言った。

「ウチラの店のイメージキャラクターになってもらえばええやんっ」

イメージキャラクター? あの変態が?

私は思わず吹き出して、笑いながら喋った。

「むっ・・・・無理だって! あはははは」

昌美はカチンとして部屋を飛び出した。

何をするかと思ったらお隣りさんち。

「何する気?!」

裸足で昌美を追いかける。 まぁ、マンションだからちょっとの間だけど。

ー・・・ピンポーン・・・

「はい? ・・・あ、」

 

2006年09月24日(日) 12時16分
「・・・あ、お隣りさんのお友達?」

「そうです!お願があって!」

「昌美!」

私は言葉で必死に止めた。 でも、手は出なかった。

・・・ 内心、那流君にやってもらいたかったからかもしれない。

・・・いや!そんな事はない!

私は昌美の手をひっぱる。

「ちょっと待って」

私をピタ、と止めたのは那流君。

「この人は俺に話があって来たんでしょ。 ・・・・・・入って。」

「ちょっ・・・!!!」

「お邪魔しまーす」

何を、考えてるの?

昌美も、那流君も。 打ち合わせでもしてた訳?

美緒が昌美の後ろについていく。

・・・ひとりぼっち。

あーそっか。私は何もできないから、発言する権利もないのかな。

あーあー・・・

家に入ろうとした。 ・・・ガチャッ

「香湖ー!なんでこないん?! ・・・あれ、香湖?どしたん?」

「・・・いいよ。2人でやってて。私はやめとく・・・」

結局自分で孤独を選ぶ。 馬鹿みたい。

馬鹿みたいで・・・泣ける。

「香湖!何考えてん?!」

昌美は私をがばっと抱く。

私は大粒の涙を流す。

「3人だからこそ、できるんやで?」

小さな声で言ってくれた。 昌美のいい所、人を元気づける所。

「・・・うん・・・」

 

2006年09月24日(日) 22時47分
「今、何時だよ・・・」

この声の主は、那流。

・・・ガタガタガタガタ ガタガタガタガタ・・・

今は朝方の4時、私達はミシンの音を大きくたてる。

近所迷惑なんておかまいなし。

早く、早く、服をつくる。 つくらなきゃ・・・

3人で死にかけな目をしながら、ミシンをガタガタやっていた。

「うるさい!今何時だと思ってるんだよ!隣りの事も考えろ!」

「うるさいよ・・・つかあんたも手伝えよ・・・」

「俺は寝る!・・・・・・お前らも寝ろ!死ぬぞ!」

寝るわけにはいかない。

たった10時間前、美緒がボソッと言った。

「明日、あの駅前の服屋で服オーディションあるって。」

この地域では珍しくない。 服オーディション。

年に一回くらい、駅前の「M・y・a」というお店で服オーディションがある。

これは、デザイナーじゃなくても、とにかく自分で作った服を

自慢しあう大会なのだ。

「・・・参加?」

「勿論。」

私達には時間がない。服オーディションは朝の9時からなのに。

だんだんめまいがしてくる。私だけじゃなくて、昌美も、美緒も。

日が昇る、私は死んだように眠る。

「ぅ・・・がっ?!」

目がぱっちりと覚めた。 ・・・やばい!

「ちょ、2人共起きてぇ!間に合わない!」

「なーにゆうてんの。あんたが一番最後やでっ!」

2人はもう起きていた。というか、私だけが寝てたらしい。

私は最終確認で服オーディションの広告を読む。

ルール 1、自分でつくったものだけを対象とする・・・

2・・・、作るのは自分ひとりだけじゃなくていい。

なんだ、全然大丈夫じゃん?

・・・あれ?

「はああぁあっっ??!えええっ?!」

驚きのあまり、朝に大声をだす。

「なんやねん?!びっくりするやんけ!」

「こ・・・ここ見て。各自モデル用意だって・・・」

 

2006年09月24日(日) 23時25分
「ありえない・・・」

「どうするん・・・?」

那流に頼もうよ、早速仕事じゃん!

・・・って言いたかった。だけど・・・

「作ったの、女物やしなぁ・・・ スカート・・・」

2人の視線が私に集まる。

・・・いやいや、嘘でしょ。

私はモデルみたいに細くないし、笑うことも多分できない。

「香湖・・・お願やで!やってや!」

「ぎやー!無理!ごめん!多分絶対無理!」

家を出て走りだす。ごめんー!を叫びながら。

久々に、この場所。

・・・−ザザ・・・ン・・・

綺麗。朝はやっぱり、水面が一番キラキラしてる。

海は私の思い出の場所ー・・・

「香ー湖!お願だってばっ!」

昌美が後を追ってくる。

私は海の向こうの向こうを見つめる。

一番向こうなんて見えないけど・・・

・・・−爽ちゃん、私、今キラキラしてる?・・・−

私はふぅ・・・と小さいため息をついて、決心した。

「いいよ。私がやる。」

勿論、モデルなんてやったこともない、ド素人。

「さあー!今年もやってまいりました!服オーディション!」

司会者が笑顔で、大きな声で喋る。

私の心臓は爆発寸前。

「今回は17の応募がありました!年々増えてってますね!」

ドキドキ・・・バックンバックン。 

もう周りが何を言ってるかわからないくらい。

「エントリーナンバー1番は、初出場の3人組です!若いですね!」

司会者は息をせず、続けて喋る。

「それでは精一杯アピールをどうぞー!『Honey*Flower』です!」

 

2006年09月25日(月) 21時28分
体がカチンコチンにかたまる。動けない。

「・・・香湖っ 緊張しなぃで!」

昌美が小さい声で話かけてきた。

私はやっと意識が戻ったみたいに動き出す。

周りは、ざわめく。 もしかして私、外した?

うわー・・・恥ずかしい。

私は笑顔をやめて、顔を真っ赤にする。

いつのまにか、自己PRの時間は終わっていたらしい。

昌美と美緒を見た。2人もこっちを見ていた。

「ちょっ・・・香湖!あんた、何?!モデル経験あり?!」

今まで見た中で一番の笑顔を見せながら、昌美がいう。

「ないに決まってんじゃん。ごめんね、ダメだったよね?」

「馬鹿!最高得点いうとるやんけ!」

「・・・は?」

私は グルンッ!を顔を得点ボードにむけた。

最高得点?!

そんな事ありえない。 服はいいかもしれないけど、モデルが・・・

私がモデルをやったせいで、最下位とかかと思っていた。

「な・・・んで?」

「あんた、自分で審査員見てなかったん?香湖をずっと見てたで!」

いやいや、それは私がカチコチで、顔も真っ赤で、

最悪なモデルだったからでしょう。 と言った。

「何いってるん!モデル並にすごかったで!ありがとな!」

いやいや、私はだから・・・

モデルとかやったことないし。

見たことはあるけどね。・・・爽ちゃんの仕事。

私は爽ちゃんを意識してたのかもしれない。

「さあさあお次は毎年優勝の『B.w』でぇぇす!!どうぞ!」

またうるさい司会者が大声で喋る。

B.wとは、毎年優勝しているブランド。

BLACKWILLの略である。 

「今年はモデルつきですが、一体誰を選んだのでしょうか?!」

司会者の声はどんどん大きくなっていく。興奮している。

「ねぇ。香湖?あのモデルって・・・」

「へ?・・・・あ!」

忘れる訳がない、スラッとした長い体。

・・・・・・ 爽ちゃんっ?!
2006年09月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:未来
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1993年8月24日
  • アイコン画像 血液型:A型
  • アイコン画像 現住所:愛知県
  • アイコン画像 職業:小中高生
読者になる
Yapme!一覧
読者になる