それぞれの誓い 

2013年09月13日(金) 21時33分

「…何してやがる?」

さっきからどうも触れられている感覚があった。
不愉快ではないが、気にしないでいられるものでもない。
しかたなく目を開けると、思った通り視界一面に黒がうつった。

言うまでもない、この船の船長だ。
抱き合ったあと、そのまま寝てしまったらしい。いつものことだが。

「この傷…」
「あん?」
胸に走った傷は、鷹の目とのやり合いでつけられたものだ。
やりあったというより、一方的になぶられたといった方が正しいが。
この傷が治ってから、彼はよく傷痕に触れる。
ひきつれた皮膚は、触られると少しくすぐったく、なんともいえなかった。

「なぁゾロ」
「あんだよ」

「もう二度と、オレの前で死ぬな」
「…それはこっちの台詞だ」

「…そっか。じゃあ、仕方ねぇな」
「だろ」

本当は、たがいに知っている。
命を懸けて望むものがあり、それは決して互い自身ではない。
けれど、そうだったら良かった、と願うこともない。
望むものが違っていれば、2人は決して出会えなかったから。

けれど、互いを失いかけた想いを二度と味わいたくないのも事実で。
だから、このやり取りは、自分たちへの戒めだ。夢と命と、両方を守れるように。
そして、相手の夢と命も、守れるように。

明日は、今日より強くなる。
その誓いを、胸に。

2人は静かに、口づけを交わした。
P R
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小説担当:白華、絵担当:キャミの、BL仕様の二次創作サイト。
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誕生日が一日違いのチビたちを相手にしながら、日々萌え萌えする専業主婦2人組です。
基本はワンピース(ゾロル)、スラダン、後は各々気の向くままに。
萌え、育児、グルメなど、節操なく更新中。
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