初期の休校が流行抑えた―新型インフルでWHO担当者(医療介護CBニュース)

June 01 [Tue], 2010, 15:56
 WHO(世界保健機関)メディカルオフィサーの進藤奈邦子氏は5月28日、厚生労働省の「新型インフルエンザ対策総括会議」でプレゼンテーションし、英国などでは昨年春に流行の第一波を迎えたが、日本では春の急速な感染拡大がなく、秋まで第一波が来なかった理由について、「大英断で一斉に実施した初期の学校閉鎖が、国としての流行曲線に影響したのではないか」との見方を示した。

 これに対し、国立感染症研究所感染症情報センターの谷口清州第一室長は、休校を実施しなかったフランスなどでも、日本と同じように春の急速な感染拡大がなかったと指摘。進藤氏は、「(発生初期の)フランスでは学生の患者がほとんど出ていなくて、旅行者から出ている状況だった。5月の神戸のような状況は、フランスでは起こっていなかった」と説明した。一方、英国での患者はメキシコから帰国した若者が多く、そこから学生に流行が広がったとして、「学校での集団発生から本格的な流行が始まる」と強調した。

 その上で進藤氏は、休校に関する各国・地域のデータを紹介した。それによると香港では、休校からそのまま夏季休暇につなげた結果、25%の感染減少が示唆された。ただ米国で、子どもの面倒を見るために仕事を欠勤した場合の影響を分析した結果、4週間休校を実施すると、103億-471億ドルの直接的な経済コストがあった。

 日本で新型インフルエンザの国内発生が初めて確認されたのは昨年5月16日で、神戸市の高校生だった。その後、小中高校生を中心に兵庫県、大阪府で感染が拡大したため、厚労省は同18日から23日まで全域の小中学校を休校にするよう両府県に要請。これ以降、流行は急速に収まった。

■迅速診断キットは「信頼していない」
 進藤氏はまた、インフルエンザの簡易検査に使われる「迅速診断キット」について、「メーカーによって感度が違う。わたしたちの調査では30-70%で、平均すると50%だった」とした上で、「確定診断としては信頼していない」と述べた。
 推奨する使用方法としては、呼吸器疾患の患者が多発している際に、30人程度の患者に使用して10人程度が陽性と判明すれば、治療方針を決定できると説明した。


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