理想的SF小説の誕生-弓月城太郎の『神秘体験』 

October 09 [Sat], 2010, 14:18


弓月城太郎の『神秘体験』 。いろいろなところで高い評価を聞いているので興味を持って読んでみました。驚きました。わたしがこれまで求めながらもなかなか出会えなかったSF小説の理想形に限りなく近い世界が拡がっていたんです。

わたしはソフトSFが好きです。本格的なハードSFは難しい理論が多かったり、理解が難しい世界観だったりとなかなかとっつきにくいんです。でもファンタジーはあまりにも作り話って感じでいまいち好きになれなくて…ハードSFのような歯ごたえがありながらソフトSFのようなキャラクターやストーリー展開で読者を惹き付ける力のあるSF作品はないのかな、とずっと探していたところでした。

そんなところに出会ったのがこの『神秘体験』。作者の弓月城太郎はわたしの理想に応える力作を生み出してくれました。宗教と科学の調和的統一、神秘世界を科学的に説明する理論。それでいながら心を揺さぶられる感動的なストーリー。読みながら「こんなSFを待っていたんだ!」と感じることしきり。そして読み終えたときには感動でちょっとグッときてしまいました。こんなこと初めてかもしれません。

「精神波量子脳理論」の難しい箇所もストーリーが面白いこともあってそれほど難しく感じられず、すいすいと読み続けていくことができました。それにフィギュアスケートのエピソード。SF小説でこんな登場人物が活き活きと輝いているシーンは滅多にないんじゃないでしょうか。

『神秘体験』はわたしにとっての理想のSF作品です。この作品の存在を世の中の多くの人に知ってもらい、わたしが感じているこの感動をもっと多くの人とわかちあいたい、そんな気分です。


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