JR西強制起訴 「法廷で正直に話して」(産経新聞)

April 28 [Wed], 2010, 11:49
 「法廷で正直に話してほしい」。犠牲者の遺族や負傷者らは法廷で聞く経営トップの生の声に期待する半面、真相究明への長い道のりにもどかしさものぞかせた。

 次男の昌毅さん=当時(18)=を亡くした上田弘志さん(55)=神戸市北区=は「3人は法廷で正直に話してほしい。JR西の社員もこの事実を重く受け止め、再発防止に取り組んでもらいたい」と声に力を込めた。

 「これで次の段階へ進めるが、5年間は長すぎた。これからも長くかかると聞いた」と長女の容子さん=当時(21)=を亡くした兵庫県三田市の奥村恒夫さん(62)。容子さんの仏壇と遺影の前で「『裁判が始まるよ』と報告したい。ただ優しかった娘は『お父さんもういいよ』とわたしの体を気遣ってくれているかもしれない」と漏らした。

 一方、起訴された、垣内剛被告と南谷(なんや)昌二郎被告は23日、大阪市北区のJR西日本本社でそれぞれ報道陣の取材に応じ、謝罪の言葉を口にした。2人は現在は嘱託として被害者対応に当たっている。

 垣内被告は一礼した後、「起訴は重く受け止めなければならない。今後もご被害者のお気持ちに沿えるようにしたい。大変申し訳ございません」とこわばった表情で一気に話した。

 南谷被告は「こんな事故を起こし、大勢の生活をすっかり変えてしまった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。どういうタイミングで起訴されるのか、緊張した思いで過ごしてきた」と話した。

 南谷氏は、ともに強制起訴された井手正敬被告と昨年末に面会し、被害者の前で謝罪するよう要請したことも明らかにし、「(井手被告は)『出ない』の一言だった。(理由は)私にはわからない」と話した。

 兵庫県芦屋市の井手氏の自宅前には23日午後、約30人の報道陣が詰めかけたが、女性がインターホン越しに「何もお話しすることはできないんです。申し訳ありません」と繰り返すのみだった。

 JR西の佐々木隆之社長は「引き続き被害に遭われた方々に誠心誠意と受け止めていただけるような対応、安全性の向上、変革の推進に全力で取り組んでまいります」とのコメントを出した。記者会見は開かなかった。

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