「子宮頸がん」で市民公開講座(医療介護CBニュース)

June 01 [Tue], 2010, 10:19
 子宮頸がん征圧をめざす専門家会議などは5月30日、第51回日本臨床細胞学会総会・春期大会の一環として市民公開講座「検診とワクチンで予防できるがん 子宮頸がんについてよく知ろう」を横浜市で開催した。看護師、助産師などの医療関係者のほか教育関係者など300人以上が参加し、6人の演者による講演に熱心に耳を傾けた。最初に登壇した自治医科大医学部産科婦人科学講座主任教授の鈴木光明氏は、「なぜ今『子宮頸がん』かというと、実は子宮頸がんの原因が分かった」と強調。原因が分かったために、予防するワクチンができたことなども紹介し、「今、女性のがんの中で一番ホットな話題だ」と述べた。

 鈴木氏は、子宮頸がんがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が引き金となって発症することなどを説明した上で、「誰でも子宮頸がんになる可能性を秘めている」とし、がん検診の受診を呼び掛けた。
 続いて、NPO法人子宮頸がんを考える市民の会副理事長で細胞検査士の高山須実子氏が、細胞検査士によって行われる細胞診検査について、視覚効果を使ったクイズなども交え、分かりやすく説明した。
 島根県立中央病院母性小児診療部長の岩成治氏は、細胞診・HPV検査併用検診について講演。併用検診のモデル事業を行った島根県の出雲市と斐川町で、検診費用の削減が実現したことなどを紹介し、高精度な併用検診は受診者、産婦人科医、細胞検査士、行政などにとってメリットが大きいことなどを説明した。
 また、自治医科大附属さいたま医療センター産科婦人科教授の今野良氏は、HPVワクチンについて、「本物のウイルスに似た『偽ウイルス』を遺伝子工学的にハイテク技術で造った新しいワクチンで、ワクチンに含まれる偽ウイルスには本当の中身、遺伝子がなく、殻だけ。接種しても間違ってHPVに感染することはない」などと指摘。副作用や接種スケジュール、費用対効果などについて説明し、子宮頸がん予防のための検診受診とワクチン接種の必要性を訴えた。
 さらに、日本赤十字北海道看護大准教授のシャロン・ハンリー氏が、母国である英国の取り組みを紹介。教育現場などでの効果的な啓発活動や、検診、ワクチン、DNA検査のすべての費用が無料といった政府援助が実施されていることなどを説明した。
 スペシャルゲストとして招かれた女優の仁科亜季子氏も最後に登壇し、自身の子宮頸がん経験を踏まえ、検診受診とワクチン接種の大切さを訴えた。

 講演後、会場との質疑応答や、講演内容を整理・確認するための○×形式のクイズを実施。クイズの進行を務めた今野氏は、性交渉やセクシャルパートナーの多い人が子宮頸がんに罹患しやすいという間違った理解をしている人がいたことを踏まえ、「子宮頸がんの患者になる人は特殊な人ではない。どなたでもなる可能性がある」と述べた。


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