8月から今までに読んだマンガ 短評3

December 15 [Thu], 2011, 14:55
闇金ウシジマ君巻真鍋昌平連載中点タイトルからギャグマンガ風なのかと思い込んでしまい、読んでいなかった。
ところが、内容はいろいろ考えさせられる社会派マンガだとさえ言っていいほどだ。
絵柄もどちらかというと劇画調だが、内容にあっている。
社会派といっても総体的に堅いものではなく、カネにまわるさまざまな人間模様やそれぞれの心理などがしっかり描写され、一ひとのエピソードが印象に残る。
巨躯にメガネの奥から、見るからに凶暴な目をのぞかせるコワモテな主人公ウシジマ。
まだ若いウシジマが営む闇金には、朝からパチンコ中毒になった主婦たちが押しかける。
カネを貸した相手からはどんな手段を使ってでも、友人からでも、必ず取り立てるというウシジマの営業方針はの経営哲学の実践のようだ。
は麻薬のようなものという常套句があるが、その最大のものはカネだとくづく思い知らされるこれは青木雄二のナニワ金融道などにも言えることだが、比較すると本作のほうがシリアスだ。
前者は街金、後者は闇金それぞれの仕組みや実態を描いており、ある程度のリアリティを保ち飽きさせないストーリーとなっていることは共通しているが。
カネの貸し借りを通してさまざまな物語が描かれるが、どのエピソードもだれることなくドラマを成立させている。
真鍋昌平は処女作である短編と年頃のクイックジャパンでの連載しか読んでいなかったが、当時からその作風はかなりの異色性を感じさせた。
こうした才能がメジャーな商業誌でヒットを飛ばすことは難しい。
真鍋昌平はバカな編集者の指図など無視してどんどん加速していく予感がする。
伊藤潤二恐怖漫画全巻点タイトル通り、伊藤潤二の恐怖マンガあるいはホラーマンガの作品集。
伊藤潤二は年代末には評判になっていたと記憶にある。
特にそのグロテスクな描写が注目を集めたのだと思うが、私は伊藤潤二はそこに尽きるというか、それだけしかないマンガ家のように思える。
経験が長くても作風は変わらず、短編はそれなり、長編はまったく面白くない。
短編で瞬発力を発揮できている作品もあるにはあるが、彼の作品全般に言えることだが、着想に乏しく、絵のグロテスクさばかりが際立。
実際、グロテスクな描写にいてはズバ抜けており、ホラーマンガ誌の編集者などをいかにも惹きけそうではある。
惨殺されても何度もよみがえる少女を描いた富江シリーズは映画化もされ、代表作と言えるだけあり、グロテスクな描写が活きてそれなりに面白い作品になっている。
だが、一方ゲイ、それほどグロ描写が現れない双一シリーズでは、双一という子供の不気味さとおかしさ狂気という意味でもあり、笑えるという意味でもあるが描かれており、伊藤潤二の独自な能力はこちらのほうに発揮されていると個人的に感じる編集者ウケは悪そうだが。
この作品集には、各巻末に著名人による賛辞や感想が掲載されているのだが、楳図かずおが、やんわり苦言を述べながら愛情あるれるアドバイスをしていることに伊藤潤二は気づいているだろうか。
仮面ライダー巻連載中点児童向けかという予断で期待していなかったが、仮面ライダーに対する愛があふれているのが、ちょっとした描写からも伝わってきて好感度は高い。
画風もヒーローもののストーリーに適している。
いや、その点は、実写をもとにしているだけに評価はわかれるだろうが、とにかく実写版の仮面ライダーを忠実か微細に再現していることが、まずこの作品の魅力であることに多くのファンは異論を持たないだろう。
変身前の本郷猛や一文字隼人たちが個性的に描き分けられている点も評価できるし、ファンにとってはたいへん嬉しいことだ。
しかし、ストーリーを読むのがツライ。
仮面ライダー号、仮面ライダー号、仮面ライダー、ライダーマン、仮面ライダー、仮面ライダーアマゾン、仮面ライダーストロンガー、スカイライダー、仮面ライダースーパー1までが個々に登場して活躍する巻までは各々のエピソードが短く、懐かしさもあって、なんとなく読めるのだが、テレビシリーズ化されずに雑誌連載が中心だった仮面ライダーゼクロスが中心となる巻以降は、子供向けというほかない展開が長々と続くこととなり、よほどのファンでなければ楽しめないだろう。
また、ゼクロス編になっても、すべてのライダーがたびたび登場するのもライダーインフレとでもいった風情で食傷気味の感が続く。
しかし、これもファンなら嬉しいのだろうか。
冒頭で作画にいて良い点を述べたが、このマンガに限らずひと気になることがある。
モンスターやロボットの類が登場する最近のマンガでは、それらのデザインが複雑化しており、戦闘シーンなどではコマ割りや見せ方に注意を払わないと、一体どこの部分が描かれているのかわからなくなることが多い。
一部を破壊されたり引き裂かれたりした場合、いっそう、そうなる。
残念ながら、この作者もそれを免れていない。
またその種の作品は微細に描くマンガ家ほど見にくくなる傾向がある。
描いている当人にだけわかっているというのは勘弁してほしいものだ。
編集者のチェックなど当てにならないと考えてほしい。
実際、当てにして失敗してるのであろうから。
蒼天の拳全巻原哲夫点結論から言うと失敗作だ。
その理由はまざまなものがある。
まず、画面が黒すぎる。
微細に書き込むのは構わないのだが、それが昔の絵物語、たとえば少年ケニアレベルで、コマを追っていくマンガとしてはたいへん読みにくいのだ。
疲労さえ覚える。
単行本で、池上遼一をゲストに迎えて劇画論のようなテーマで対談をおこなっているが、池上に較べると原哲夫は数段落ちる。
イラストレーターとか挿絵画家ならいいのだろうが、マンガとして読みにくく、疲れる絵というのは考えものだ。
また、日中戦争勃発直前の上海を舞台としているが、まったくと言っていいほど、その設定が活かされていない。
主人公の霞拳志郎は、租界を牛耳る秘密結社というより暴力団である青幇の味方として戦うが、その理由が青幇に対抗するヤクザ組織紅幇よりも上海の統治者としてマシだというのも理由として弱い他に、青幇の最高指導者になる男の妹と恋人であるにしても、だ。
また、蒋介石など実在する人物も登場するが、単なる飾りとしかいえない。
さらに、この状況にあって、主人公が日本軍に対してどのように考えているのかもまったくと言ってよいほど描かれていないのは不自然というより明かな欠陥だ。
要するに、舞台をこの時代の上海にする必然性もないし、それを活かしてもいない。
このマンガが描かれるまでには、いろいろ紆余曲折があったようだがその辺りの詳細は検索エンジンで調べてほしい、北斗の拳原作者であった武論尊が監修としてクレジットされているとしても実質的な降板であり、原作のほとんどを編集者元週刊ジャンプ編集長がくっているのは、この作品に現れているあらゆる稚拙さから推測できる。
シチュエーションのおかしさ、登場人物や戦闘シーンの魅力のなさほか、なぜこんな作品になってしまったのかは、単行本で読むことができる編集者の凄まじい思い上がりから、さもありなんと思わせる。
私はは衰退を示しており、その代表がプロレスとマンガだと考えているが、この作品はたとえ編集者といえどもシロウトの大幅な介入を許したのが致命的だったと言える。
原哲夫が目の病をおして描いた情熱にも関わらず、これは北斗の拳の劣化版だ。
地獄少女全巻原案地獄少女プロジェクト作画永遠幸点復讐モ。
きわめて酷い作品だ。
深夜時にだけアクセスできる地獄通信。
それは噂として広がっており、地獄に堕ちてほしい者の名前を書き込むと願いがかなう。
代償は自分も死後地獄に堕ちること。
アニメ先行でメディアミックスの一環として企画されたようだ。
低学年向け少女漫画誌であるなかよしに連載されたそうだが、それにしたって、酷い。
幼年少女向けだからといって舐めているのかと思わざるをえない。
舐めていないでこのレベルならこのマンガ家には廃業を勧める。
まず絵が酷い。
典型的な幼年少女マンガの絵だともいえるが、レベルが低すぎる。
登場人物はみな同じ顔、人物のアップが多く、背景は明らかに手抜きかそもそも描く実力がないのだろう。
コマ割りも工夫しているもりであろうが裏目に出て、読みにくく最悪。
とにかく本当に低レベルの画力に辟易して、ページ読むとそれ以上読み進めるのがたいへんな苦痛になる。
構成力も極めて低く、こうした物語で当然重要な復讐のカタルシスがほとんどない。
私は未見だが、アニメ版は評判がよかったようだ。
しかしこれはゴミとしか言いようがない。
相手を地獄に落とす代償として依頼者も死後地獄に墜ちるという設定は、使いこなせば、虚無や悲哀など、かなり感情をゆすぶるドラマを生むことができるはずだ。
だが、このマンガ家の力量では到底望むべくもなかった。
残念だ。
そもそもなぜこんなマンガ家に描かせたのか理解に苦しむ。
コネでもあったのだろうかマンガ家にもこんなゴミを企画し掲載させた編集者にも怒りを覚える。
なかよしには、かのキャンディキャンディという名作も掲載されていただけに嘆かわしいことだ。
くだらない大人にくだらないモを読まされる今どきの子供たちがかわいそうになる。
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