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【社説】人民元症候群─中国の決定、世界経済の均衡化にはつながらず / 2010年06月21日(月)
 事実上のドルペッグ制を終わらせ、人民元相場の弾力性を高めるとの中国の発表は、よく言えば貿易戦争の回避につながる可能性がある。しかし、この動きによって世界経済が「均衡化」したり、製造業の仕事が米国に雪崩を打って回帰すると考えるべきではない。

 中国人民銀行(中央銀行)は今回の決定について、中国の経済的利益に基づくものと主張した。これを疑う理由はない。しかし、トロントで開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の1週間前の決定は偶然ではない。中国はこの会議で自国の為替レートが中心的な議題となり、欧米諸国の経済政策失敗の問題から人民元へと市場の関心が移るのを望んでいなかった。

 米国ではチャック・シューマー上院議員(民主、ニューヨーク州)を中心とする保護主義派が、中国政府が為替レートについて何らかの行動を起こさなければ、同国製品に新たな関税を課すと約束している。シューマー議員は今回、上院財政委員会のボーカス委員長と米下院歳入委員会のレビン委員長といった党の有力議員と連携している。

 11月の中間選挙の見通しをめぐる民主党の焦りや、オバマ大統領の政治的権威の後退により、保護主義を掲げる議員の間違った法案が成立する可能性は排除できない。中国の動きは、少なくとも短期的にこうした確率を低下させ、世界経済のぜい弱な回復を支えるものとなる。

 効果が「短期的」と言うのは、今回の中国の決定で人民元の切り上げを求める世界の声がなくなることはないためだ。人民銀行の声明によれば、一度に大幅な切り上げを行う意向はなく、一日の変動幅を広げる意向もない。

 ガイトナー米財務長官は即座に発表した声明で、中国の決定は「重要な一歩だが、どれだけの幅をどれだけ早期に切り上げるかが試される」と述べた。シューマー議員は、さらに大幅な切り上げを要求した上で、中国製品に厳しい関税を課す法案の成立に向けて努力すると語った。

 中国政府は、人民元のボラティリティが、雇用創出の鍵である国内輸出業者に打撃を与える上、同国が呼び込みたい安定的で長期の外国人投資を阻むことを理解している。「弾力性のある」為替レートとは、2005年から金融危機に見舞われた08年まで対ドル相場を約21%引き上げた政策に類似する、管理された緩やかな上昇を恐らく意味している。しかし、人民元の緩やかな上昇への期待は、さらなる切り上げを見込む向きからの一層多くの「ホットマネー」の流入をもたらすだけだろう。

 こうした資本の流入が、中国金融当局による為替レートと国内インフレの双方の管理をますます困難にしている。さらには米連邦準備理事会(FRB)による極度に緩和的な金融政策も、中国当局の管理に支障を及ぼしている。米国の金融政策に変更の兆しは見えず、アジアとりわけ中国の不動産市場でバブルが発生している。ドルペッグ制を終わらせる決定で、人民銀行は米金融政策への追従から解放され、FRBから独立した政策追求が可能になる。輸入インフレのリスクも低減する。

 一方、人民銀行はドル資産の累積を続けねばならないだろう。このドル資産は世界中に還流し、米財務省証券などに姿を変える。より良好な解決策は、人民元の兌換性を高めるとともに、民間の市場参加者に対し、通商と資本移動においてより大きな役割を与えることだろう。

 しかし、信用配分の非政治化、および一般市民の権限強化に共産党が同意して初めて、こうしたことは可能となる。中国の指導層が、より抜本的な改革を実施するよりも、欧米による為替レートへの執着に付き合う方(対処がより容易)がまだマシだと考えているのは皮肉だ。

 もう1つの幻想は、人民元の切り上げが世界の「不均衡」、とりわけ米国の貿易赤字を是正するというものだ。05~08年の人民元の切り上げは、米貿易赤字の削減にほとんどつながらなかった。スタンフォード大学経済学部教授のロン・マッキノン氏が著書で指摘したように、米国は90年代に日本に対して同様の切り上げを強要したが、米国の対日貿易赤字は長期的にほとんど変化していない。

 人民元の切り上げで中国の生産コストが上昇すれば、製造業の一部はベトナムやバングラデシュなど、コストがより低い国に移る見通しだ。こうしたなか、米国の消費者は輸入品に対しより多く支出し、中国の製造業者は一層競争的になることを求められるだろう。米企業への世界の挑戦は、一層激しくなる可能性がある。

【6月21日16時9分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100621-00000011-wsj-bus_all
 
   
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