ヴォイストレーニングについて

June 14 [Thu], 2012, 17:05
ヴォイストレーニングについて

私たちは生後まもなく言葉の話し方(言語の発声の仕方)を習いはじめます。大人のように流暢に言葉を話せるようになるのが、小学校中程とすると、言語の発声の修得に8〜10年掛かることになります。
言語の発声は発声器官を人為的に強制的にある方向に偏らせて使用する技術です。それをマスターしないと私たちは一人前に言葉を発音できません。
人間の発声器官は元々歌うように出来ていますので、自然に発声すると楽音(音高を持つ音)を奏でてしまいます。幼児が歌うような声を出すのは本能的なことです。
ところが、私たちは言葉を習う上において、敢えて音高を不鮮明にする発声を練習しなければなりません。
言葉の訓練をつづける子供の中に、時々その発声器官に本来の能力が根強く息づいている者がいます。そういう子供は、ついつい歌うように話したり、発声が裏声のようになったりします。
本当は喜ぶべきことなのですが、本人はそのことを恥ずかしく感じ、早く皆と同じように音高の不鮮明な地声で話せるようになりたいと思うでしょう。


長い時間を掛けて言語の発声がようやく無意識に出来るようになった頃、義務教育で今度は発声器官を歌わせる音楽の練習が始まります。
つまり、社会は一端は発声器官を歌わないように訓練させておいて、次ぎにはそれを歌わようとするわけです。
小学校などで教えられる歌の発声法は、一般的に普及している近代の人為的な発声法です。
子供達は技術的に言葉を発声するのと同じやり方で歌う発声を練習することになるのです。もっとも、教育での歌声の練習は、言葉の練習のように徹底的なものではなく、また僅かな時間しか掛けられませんので、身に付く技術はいいかげんなものです。
(新しい発声からは、このことがまだ幸いしていると言えるのですが。)
このような経過の末、多くの者が身に付ける歌う発声は、人間の天性のものとは異なるものになってしまっているのです。
歌うこと、吟じることを専門に習う際には、まず自分たちの喉はこのような状態にある・・・ということを認識した上で始めなければなりません。


もし、正しく(本能に即して)発声器官を育成してやることができれば、幼児は言葉を一人前に話せるようになるよりも早く、天性の歌声を完成させ得るはずです。(変声期がありますので、その際にはもう一度立て直さなければなりませんが)
もっとも、このような育児をしている家庭は、今のところはほとんどないでしょうから、発声器官の真理が実証されたわけではなりません。
しかし、将来育児法の常識が一変する時代が来るかもしれません。



私が新しい発声を吟詠界にご紹介したいと思いますのは、内容の正しさもさることながら、人類共通の発声の根本原理、すなわちあらゆる音楽、あらゆる詩や文学以前の、人間の歌声の本能が解明されているからです。
逆に言えば、すべての歌ジャンルの発声法は、発声器官の本能の上に構築し直されるべきと思います。
また、発声の真理への目覚めは、伝統の継承を壊すものではないはずです。文化的な価値、風習、規範などとは異質な、身体の本能的な機能への目覚めなのです。
身体の自然と伝統美は共存していけるし、それは現代の人類が過去の反省を込めて課題としている事でもありましょう。
吟詠界においては、何らかの発声法が未だ完全には固まっていない時期ですから、発声を一からやり直すことは十分可能であろうと期待して止みません。

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