果てのない夢 

July 20 [Fri], 2012, 8:37
我慢なんか大嫌い。

楽しい事だけしていたい。

親?そんなの関係ない。

友達もめんどくさくなったら切ればいい。

お金は楽して楽しく儲けたい。

私はいつもこうやって生きてきた。

だけど・・・・・。



何十回目か分からないプチ家出に飽きて家に帰ったら家族がいなくなってた。
ガランとした部屋の真ん中に一枚の紙。

「ごめんね、あなたは置いていきます。」

たった一行だけの置き手紙。

私は親に捨てられたらしい。

でも、不思議と悲しくなかった。
生活どうすんだよって少し思ったけど、友達んとこに転がり込めばいいだけだしね。

一番断れない奴に電話をしてみる。

「あ、美咲〜?親がいなくなっちゃってさぁ、暫く泊めてくんない?」
「は?なんなのそれ。タダで泊まるとかないっしょ。迷惑だから来ないでよね。」

カチン

「なんだよそれ!お前んちなんかいかねえよ!」

こんな奴はいらないから削除しちゃえばいい。
でも、そのあとも似たような対応ばかりで、男たちはやらせてくれるならいいぜなんて簡単に言いやがってめんどくさい。
その度に登録削除してたら、携帯から友達がいなくなっていった・・・・。

そこで初めて、自分が一人な事に気づいた。
上辺だけの楽しければいい親友たち、アルバムの笑顔が全て嘘くさい。

「めんどくさいから死んじゃうか。」

そう思って電車に乗った。

鞄にはネットで買った睡眠導入剤もあるから楽に逝けるな。
遺書に親や元親友どもの名前書き連ねて死んでやる。

そんな事をずっと考えながら3時間ちょっと電車に揺られていたら海が見えてきた。

海で死ぬとかいいじゃん。

私は、さびれた無人駅で降りた。

何もなかった。

古い家々。
小さな商店。
たくさんの田んぼ。

初めて見るものばかりで、私は少し楽しくなっていた。

「げ、バスが1時間に1本?しかも最終16時?はやっ!」

田んぼと海しかない、車の通りもあまりない道を私は歩いた。
こんな田舎ほんとにあるんだな、と思いながら歩いてると前方に何か塊が見えてきた。
よく見ると人が倒れてた。

「え、こんなとこで死んでる訳ないよね・・・。」

そう思いながら近づいてみたら小さなおばあちゃんが苦しそうにうずくまってた。

「ばーちゃん、大丈夫?」

そう声をかけたらそのおばあちゃんは苦しそうな表情をしつつも

「大丈夫よ、ありがとう。」

と、言った。

じゃあいっか。と思って通り過ぎようとしたけど気になって仕方ない。
あぁもうままよ!

「おばあちゃん、家まで送っていってやるよ。」

私はそう言っておばあちゃんを半ば無理矢理おぶった。
軽かった・・・・のは最初だけだったけどね。

おぶって20分ほど行ったところにおばあちゃんの家があった。
その頃には、少し具合も楽になってたみたいで少しホッとした。

「あがっていってお茶でも飲んでちょうだい。」

まだ少ししんどそうな顔だけど、笑顔でおばあちゃんは言った。
喉もカラカラだったから私はずうずうしく上がり込んだ。

「まだしんどそうだから私がいれるよ。」

台所から勝手にお茶とかを持って居間に戻った。
しかし古い。
家も家具も全部古い。
これが老人の家なのか〜、そんな変な事を思ってたら

「ありがとうね。」

おばあちゃんが言った。

「何人か若い人の車通ったのよ。でも、誰も止まってくれなくて困ってたの。」

「そんなもんじゃね?私も一人じゃなかったら声かけてないよ。」

ほんとにそう。
今までそんな事気にしたこともなかったしね。


「あなた、どこから来たの?どこへ行くの?」

おばあちゃんが聞いてきた。
そりゃそうだよね、こんな大荷物持ってたら。

「家帰ったら家族がいなくなっててさ、友達も使えないのばっかでめんどくさいから死んじゃおうかと思って電車できたんだよ。」

一気にそう言ったらおばあちゃんの表情が変わった。

「そんなのダメでしょう!」

いきなり怒鳴られて驚いていたら

「あなた、このうちにいなさい。私と暮らしましょう。」

そんな言葉がおばあちゃんの口から出た。

「は?」

「行くところがないならここでもいいでしょう?」

「そんな簡単に人住まわせていいのかよ。私が泥棒だったらどうすんだよ。」

「あら、泥棒が自分で泥棒っていうかしら?それにあなたは私をここまでおぶってきてくれた優しい子よ。」

優しいなんて初めて言われた。
それがなぜか、すごく嬉しくて思わず了承してしまった・・・・・。
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