映画「愛が壊れるとき」とベルリオーズ「幻想交響曲」 

2006年07月07日(金) 9時54分
今回は映画音楽として非常に効果的に使われた例としての「幻想交響曲」をご紹介します。

ジュリア・ロバーツ主演で1990年に公開された「愛が壊れるとき」という映画をご存知でしょうか。
海辺の家に住むどこにでもありそうな夫婦。しかし実は、妻が夫のDVに悩まされているという問題を抱えた夫婦。
しかも夫は、暴力を振るう上に妻のストーカー行為をはたらいたり、加えて奇人的趣味を持っている。SEXのときに必ず、ベルリオーズの「幻想交響曲」をかけるんです。

ある日妻は、海難事故で溺死したと見せかけて逃げ出し、夫の手の届かないところで名前を偽って新しい生活を始めます。
恋人も出来、これから幸せな未来が待っていると思った矢先・・・夫が偶然にも妻の生存を知ってしまいます。
夫はストーカー的な行動で妻を捜し出し、妻を追いつめるのです。
そこでかかるのが、幻想交響曲の第5楽章「ワルプギスの夜の夢」です。

最終的に、猟奇的な夫の攻撃で殺されそうになりながらも、妻は恋人と協力して、正当防衛的に夫を殺して危機を脱するのです。

全体を通じてこの幻想交響曲がキーになっている映画。
ストーリーと非常にマッチしているんです。
夫のことを「ある芸術家」とするならば、妻は「恋人」になるでしょう。
夫は妻の影をずっと追いかけ続け、最終的にその妻の手によって殺されてしまうわけで、夫にしてみれば「地獄で魔女になってしまった恋人」に見えたことでしょう。
妻にしてみれば夫は狂気で、とても気味の悪い存在・・・つまり幻想交響曲の「怒りの日」が流れるにふさわしい存在。
ここまで映画のキャラクターとクラシック音楽が一体化している成功例はないんじゃないかと思っています。

もし観たことがないなら、一度ご覧になってください。
「幻想交響曲」が、こんなにも気味の悪い音楽だったのかとイメージが一変するかも。

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」 

2005年10月28日(金) 11時09分
うーん・・・ずいぶんとサボったもんだ(^^;
これじゃ見に来てくれる人も少ないよね。
もっとガシガシと書いていかないと。

ところで最近、なぜだか頭の中をグルグル回る確率が高い曲があります。
(こんな書き方するとパチンコみたいですけど)
それは、ショスタコーヴィチの交響曲第5番「革命」です。
とくに4楽章。
なんででしょう・・・最近、すごい名演を聴いたとかそういうわけでもなく、CDもココ最近は聴いていません。
でもなぜだかグルグル回るんですよね。
いわゆる「そんな気分」なんでしょうか?

この曲、実は学生時代に演奏に参加したことがあります。
しかも、ピアノ&チェレスタで。
当時僕は大学1年生。
ヴァイオリンで演奏会に参加する記念すべき初舞台。
通常ならば、オープニング曲(たとえば何かオペラの序曲とか)だけで1年生は終わりなんですが、僕はピアノの経験を買われて「エキストラ呼ぶより内政でまかないたい」という先輩方の方針により、メイン曲の「革命」にピアノ&チェレスタで参加。

この曲・・・ロシア系によくある、速いテンポで細かい音符、そして音の高低差がすごいですよね。
つくづくこのとき、ヴァイオリンで参加でなくてよかったと思ってしまうぐらい先輩方は苦労していたようでした。
(今はやりたい曲のひとつですけども)

で、安請け合いしたピアノ。
曲をぜんぜん聴かずにOKしちゃったんですけど・・・ナニコレ、チェレスタに『ソロ』があるじゃん!
当時、高校までパーカッションだった僕は、なにげに「おいしい」とか思っちゃったんです(笑)
しかし実際のところ、本番では大緊張。
とくに、4年生の先輩にとってはこれが最後の演奏会。ヘタなことしてツブさないかという不安とプレッシャー。
しかし、あの「革命」の最後のファンファーレのごとく、そのプレッシャーにも打ち勝ちました。

ひょっとしたら、今の僕はそのファンファーレのごとく何かに打ち勝たなければいけないっていう暗示なんでしょうかね。
そんなことを考えてしまいました。

チーム・マイナス6% 

2005年08月03日(水) 16時07分
いま勤めている会社では、『チーム・マイナス6%』というのに参加している。
これは、京都議定書に基づいて、1990年の数値を基準として、2008年〜2013年の5年間を約束期間として、その数値から6%削減することを目的とした活動です。
京都議定書はココを見てね。
で、6%何を減らせばいいのか?
それは、地球温暖化を促進するガスのこと。たとえば二酸化炭素である。
エネルギー資源の無駄遣いをしなければ、おのずとそういった地球温暖化を促進するガスは減っていく。
では、何をすればいいの?

・冷房の温度は28℃にする
・水道をこまめにしめる
・レジ袋を断り、エコバッグなどを利用した買い物
・アイドリングストップ
・クールビズ(ネクタイをはずしたり、上着を脱ぐなどした軽装)

など。
洗顔を洗面器にためた水でやったり、ハミガキ中の流しっぱなしをやめることもコレにあたるでしょう。
そういった、小さなことからコツコツとやることでマイナス6%は実現するのだと言う。
実際、テレビCMで西川きよし氏が言ってますよね(笑)

ちなみに、OCNの「Talking Japan」という番組で、環境大臣の小池百合子氏が詳しく話しているので見てみては?

バレエ組曲「火の鳥」(1919年版) 

2005年07月29日(金) 16時07分
バレエ音楽『火の鳥』は、ストラヴィンスキーがディアギレフに依頼され、バレエ・リュスのために最初に作曲されました。
ロシア民話を題材に、フォーキンが振付け、1910年に初演。

僕が演奏したのは組曲の1919版。業界用語(?)で「イクイク版」と呼ばれているものです。
全曲版から6曲を抜粋して、演奏会用に管楽器や打楽器などの編成も変更されています。

この曲を演奏したのは僕がまだ関西に住んでいる頃で、京都を中心に学生をオーディションで集めて構成するユースオーケストラで演奏しました。
で・・・この年のプログラムが・・・委嘱作品の現代曲、火の鳥、春の祭典という、とんでもない構成。
もう、アホかと思いましたよ(笑)

『春の祭典』についてもいろいろと書きたいことがあるのですが、それは今回おいといて・・・。
『火の鳥』ですよ。
もともとがお伽噺をモチーフにしていますから、音楽にストーリー性がすごく出ているんですね。
まず序奏部分では、魔法の国の夜を表現する低音楽器の重苦しい主題に始まります。
そして火の鳥が登場。羽根をキラキラさせながらクルクルと踊るんです。
この表現でのオーケストレイションがすごく秀逸!
場面が変わって王女のロンド。これは、全体を通してかなり美しい曲です。
そして一番の山場は「カッチェイ王の魔の踊り」です。これがめちゃくちゃカッコイイ!!
『火の鳥』といえばこの部分と言ってもいいぐらい有名かも。
低音楽器のウネウネしたベース音をバックに、金管楽器による踊りのテーマに始まります。
ゴウゴウと吹き荒れる風のように一気呵成に終わり、次の「子守唄」へ。
ハープのアルペジオに載せてかなり魔法がかった印象を受けるメロディ。
そしてそのままフィナーレへ繋がります。
カッチェイの死によって、石にされていた騎士たちが目を覚まし、大団円へと向かうところを表現しているんです。
弦楽器のトレモロに載せてホルンの平和的なテーマに始まり、最後は7/4という変拍子によって強く演奏され、そのままファンファーレ的に曲が終了します。まるで映画音楽です。これも凄くカッコイイ!!

で、演奏した感想です。
もうねぇ・・・とにかく、さらうのがしんどかったですわ(笑)
でも演奏面、音楽の作り、オーケストレイションなど勉強になる部分がたくさんありました。
あ、民話がモチーフですし、子供に聴かせたい音楽かもしれないですね。

トマトに砂糖・・・ 

2005年07月06日(水) 11時22分
実は僕、GOING UNDER GROUNDのファンなのですが、そのベーシスト『石さん』こと石原さんのブログに、トマトに砂糖をかけると・・・という話が書いてありました。
実はこれ、ぼくもやったことがあるんですよ。
桃太郎とかの甘い品種に砂糖をかけて食うと、甘さが増して(って当たり前だけど)、まるで別の果物を食ってる気になります。
僕はアリですねぇ。

で、ココにも書かれている7月2日の渋谷ライブですが、実は僕、行きました(笑)
SHIBUYA-AXでスタンディングのライブ。
実はスタンディングというものは今まで経験したことがなかったんですよ。
なので、すごく新鮮でしたね。
というか、あの盛り上がり方はいったい何でしょうか・・・。以前、渋公でのライブに行ったことがあるのですが、もうそれ以上の盛り上がり。すごいです。
やっぱり座席がない分、みんなの一体感が違うんですかね。

感想ですが・・・やっぱり良い!!
演奏曲リストが今までにない斬新なものだったのですが、普段あんまりやらないと言われる曲をやってくれたり、かなり良かったですね。
あと、キーボードの洋一さんが誕生日でした!みんなでハッピーバースデーを歌いましたねぇ。

ライブって、そのままの熱が伝わってくるから本当に良いですね!

バーバー:弦楽のためのアダージョ 

2005年07月04日(月) 18時39分
初演は1938年11月5日 トスカニーニ指揮 NBC交響楽団。
この曲の初演当時、29歳だったバーバーは有名作曲家の仲間入りをしました。
そして曲が有名になると、その曲のイメージから、第二次世界大戦の戦没者を讃えるセレモニーや大統領や知名人の葬儀を報道する際によくこの曲が使われるようになりました。
たしかに、葬送のテーマとして扱われてもおかしくないぐらいに悲しすぎるハーモニーなのです。
しかしバーバー本人は「葬式のためにつくった曲ではない。」と曲の扱いに不満をもらしていたとか。
ところが・・・バーバー自身が他界した時、レナード・バーンスタインがニューヨーク・フィルハーモニックの定期公演で、バーバー追悼のためにこの曲を演奏したという皮肉な事実があったそうです。

この曲は1986年のオリバーストーン監督映画「プラトーン」で、エリアス軍曹がべトコンに銃弾を受けながら天に手を上げているシーンで流れていた音楽です。
そう、この曲はそういう悲劇的な場面にどうしてもピッタリ合ってしまうのである。
おそらくこの映画を見た人は、この曲がBGMとして流れるそんなシーンを見て、とめどなく涙を流してしまったことでしょう。

さて、演奏面ですが・・・この曲はとにかく「忍耐」の音楽だと指揮者の先生に言われました。
我慢が足りないと、大切なクライマックスが中途半端なものになってしまう。
とにかく『ppp』は小さく。感情を爆発させる『fff』まで取っておくのです。
たしかにそうすれば長い音符にも耐えられるかもしれないのですが・・・とにかくこの曲、弓の使う量をうまくセーブしていかないと、突然足りなくなったりして苦しくなるのですが、間違った形でセーブすると、長い音符が力を失い、すぐに和音がヘタってしまう。それではせっかく『fff』でクライマックスを迎えても、何の感動も生みません。
譜面ヅラが簡単だからとタカをくくっていると、本当にイタイ目に遭います。

ちなみに僕が思う、同じくとっても悲劇的な感じに聴こえる音楽としては、以下の音楽があると思います。

アルビノーニ:アダージョ
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」より第3楽章
ブリテン:シンプル・シンフォニーより第3楽章
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」より第4楽章 など

聴き比べると面白いかもしれませんね。

ニールセン:ボヘミア=デンマーク民族曲(FS130) 

2005年05月31日(火) 18時07分
つい先日ですが、私が所属している弦楽合奏団のコンサートがありました。
そのときに演奏されたのがこの『ボヘミア=デンマーク民族曲』です。

ニールセンといえば、最近になってやっと認知されるようになってきた作曲家。
数年前からかなり好きな作曲家の一人なのですが、やっぱり知らない人が多い・・・。
交響曲も6曲キチンと残しているし、協奏曲や歌曲、弦楽四重奏なども作曲しているし、歌劇や劇音楽なんかも手がけている。
で、なんか聞いた話だと、ショスタコーヴィチがニールセンの手法を参考にしているらしい。
本当なのかどうだかはわかんないけど・・・。

で、この『ボヘミア=デンマーク民族曲』ですが、その題名のとおり、ボヘミアとデンマークの民謡を題材にした曲。
非常に牧歌的で、ボヘミアからデンマークへ嫁いだ王女のことを歌った歌をモチーフにしているらしいメロディが、時に弦楽四重奏的なパートのソロを加えつつ、非常にゆっくりと流れます。
そして北欧的な和音の展開のあと、曲調をガラッと変え、そのままフィニッシュへと向かいます。

演奏面で言うと、一部、メロディらしいメロディが感じられない部分があって、誰がどこで出たらいいのかわからず、非常にバランスのとりづらい楽曲だと思います。
しかし、その混沌とした雰囲気に広がりを作っていくことが出来たら、ものすごく弾いてて気持ちいいんですよ!
ますますニールセンの曲が大好きになる曲のひとつになりました。

聴き所は、テーマとなっている民謡をもとに展開される変奏が組み立てられ、フィニッシュで壮大な和音となるところですかね。
北欧の大きな森の風景が目の前に浮かんでくる感じです。

ドビュッシー:交響詩「海」 

2005年04月05日(火) 17時28分
この曲は、とある楽団のエキストラとしてお呼ばれしたときに弾きましたが・・・なんでこんな大変なプログラムの演奏会のエキストラ引き受けちゃったんだろうと、練習に行く度に後悔したものです(笑)
だって、前プロがラヴェル:「古風なメヌエット」で、中プロがこのドビュッシー:交響詩「海」で、メインはフランク:交響曲ニ短調ときたもんだ。
フランスがらみばっかりですね。

でも、大変だっただけに本番は楽しかったですね。
とくに「海」が。

この曲は、海が夜明けを迎えて朝日に照らされる第1楽章、昼間の風景を描写した第2楽章、海と風との対話を表現した第3楽章という、性格の全く違う3つの楽章から構成されています。
これがまた美しい!
ドビュッシーといえば印象派の代表格ですから、メロディらしいメロディが登場しないのが特徴なのですが、それゆえに、そのイメージを忠実に表現しているんですよね。
朝日がゆっくりと昇ってきて光を放つ瞬間とか、昼間の光が波に反射してキラキラするところとか、ゴウゴウと吹く風と激しい波しぶきとか・・・これは聴かなければわかりません。

まぁそれをキチンと聴くことが出来るのはプロの演奏であって・・・僕たちアマチュアの演奏になると、これが見事に中途半端(^^;
なんとかこの曲を仕上げたい一心でみんな演奏したのですが、やっぱりオーケストレーションが完璧すぎるだけに、100%それを表現したくても出来ませんでしたね。
でも、この曲を演奏する機会を与えていただけたことは、かなり感謝しております。
おかげさまで、「海」だけでいろんな盤のCDがそろいましたよ(笑)

またそんなチャンスがあれば、弾いてみたい曲のひとつですね。