1.underground 

August 22 [Mon], 2005, 16:09
鹿原市──…それが、俺の住む街の名前。
一見、何処にでもありそうな普通の街。
他の街とは違う所…鹿原市の地下には、巨大都市が広がっている。
だが、その地下都市には、誰1人住んではいない。
開発中という訳ではないのに、誰も。
街の人でさえ、その理由は知らない。

地下都市は、俺が生まれた日…2389年11月19日に完成した。
2406年9月10日現在、俺は16歳な訳で、地下都市もまた、完成して16年が経つことになる。


 ◇


「いよいよ、明後日だね。」
教卓の前に立った若い女の先生は、にこやかに話を切り出した。
野崎あすみ…俺のクラス、26HRの担任。
ここ一週間ぐらいは「あと何日」のカウントダウンから話が始まってる。
「今日からは、政府の人たちが危なくないかどうかを確かめるために地下に入るんだって!」

「あすみチャン、地下都市の話ばっかだよなぁ…。」
前の席の奴が俺の方を振り返る。
奴の名は、西原陸(サイハラリク)。
チャラチャラな外見とは裏腹に鹿原私立高校サッカー部エース。
「ニシハラくん!聞いてる〜?」
不機嫌そうな先生の声。
「サイハラです!!!!!!!」
陸は向き直って訂正する。
「…ごめん、西原くん…今週3回目くらい?」
「5回目です。しっかりして下さい。」
教室からちらほらと笑いが起こる。
「やっぱり私、あの先生苦手だわ…。」
隣の席の加賀谷由(カガヤユイ)が、その笑い声に紛れて俺にこっそりと言った。
「俺も…。」
「じゃ、みんな!そろそろ支度始めないと間に合わないからね!よし、SHR終わり。さようなら〜」
SHRを終わらせると、先生は荷物をまとめ、すぐに教室を出て行った。
P R
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