大きな人との出会い

October 24 [Tue], 2017, 6:27

こんなにブログを更新しなかったこともなかった。

もう3か月ぐらい更新していない。。。

書きたいことがないわけじゃないのです

書きたいことはいっぱいあるのに、時間がないことが多くて。

今日も山盛りの譜読みのあとにこれを書いております。

Dean, Sibelius, Delius, Beethoven, Beamish, Brahms...(今日の譜読み)

明日もこの調子でこれと違う曲 (Webern, Berg, Marx, Matthew...) を読まなくちゃ…



最近の出来事で一番印象的だったのは

またプルシャコブでのことかな。

もう私は室内楽のセッションに呼ばれるのが、はや3年目

ようやくみんなには少し認識される存在になり
(今までは存在していても地味なので相手にされなかった)

どこで活動しているの?ときかれて

“マンチェスターです”というと、やっぱりいつも驚いた顔をされるか

いったいマンチェスターで何をしてるんだ、という顔で迎えられるのが常です。

イギリスではロンドンから来ている人が多数で

それ以外はベルリンやドイツ方面

アメリカはニューヨークやボストンの人など。

私にとってはこのプルシャコブでの経験はいつも興味深いものです。

違う場所で普段活動している人があんなに何もないところに集まり、

違った技術や経験を持った人

年齢の違う人、国によっての音楽の好み

色んな意味で違う人が一緒に弾くっていうこと自体が新鮮だし

音楽っていうのは色んな考え方や方法が存在するのだなーと考えさせられます。

どれが正しいという事はないけれども

押さえなければならない基本はあるし

でも楽譜の中から何を読み取るか

何を聴かせるか、聴かせたいかという焦点や

自分が何を見ているかによって弾き方も変わると思います。

もっといえば

それによって指使いや弓の使い方も変わるし

でも特に弓の使い方なんてとても個人的なものであって

この曲を弾くときのこの部分で、弓を何センチ使って重さは何グラムほどかけるとか

誰も説明なんかできないわけであり…

だからこそ音を聴いて考え方や方向をそろえていくのが基本なんだけれど

まずは人間関係と同じで

相手を尊重しながら、でも同じ立場で同じように意見を交換すること。

とてもシンプルなようでいつになっても学ぶことが多いと本当に思う。



キム・カシュカシアンがプルシャコブに来ていて

初めてきちんと会うからどんな人だろうって思ってた。

ところが とても地味な人で

別に話すのが嫌いなわけではないだろうが

いつもわりとテーブルの端っこの方で一人で静かにお茶を飲んでることが多いような人でした。

キムのキャリアや演奏のことから考えると

もっとオープンなのを想像してたんだけど

そうではありませんでした。

でも最後の演奏会で彼女のグループがバルトークの2番のクァルテットを弾いたんだけど

それが素晴らしくて…

室内楽はもっとやりたいなと思っていたけれど

本当にもっと学ぶことのある分野だと心から思いました。

私の中で信子先生の音は特別だけれど

信子先生の音とはまた違って、キムの音もとても心に残る素敵なものでした。

その演奏を聴いていると

それだけでいろんなことを考えさせられました。

私がヴィオラと出会った頃のこと

それからのこと

今、現在のこと。

ひとつの演奏から、これだけのことを私にいろいろ考えさせることのできる音って

なかなかないのです。

みんな、演奏直後にプレーヤーたちに“ブラボー”とわざわざ言いに行くのが習慣ですが

私は“ブラボー”と声をかける気持ちにもなれず

言いに行ったところで何と言葉で説明して良いものかもわからないから

結局何も言わずじまいで。

ただただ、キムのことはいろんなCDとか噂では聞いていたけれども

本当に素晴らしい奏者なんだなと思ったのです。



その後も結局彼女と話す機会はなかったものの

最後の最後に

プルシャコブを去る電車が同じで、号車が同じ、席も近くて

偶然お話しする機会を得ました。

とても温かい人で

私のこと、全然知らないはずなのに

どこか知らないところで私をずーっと観察してきたかのような観察眼で

私の今を見るだけで、その過去も未来も見えるかのような目で

私にいろんなお話をしてくれました。

とても良い先生なんだなということもわかったし

その、電車の中でたった30分ほど話しただけなのに

私はキムの人に対する愛を感じずにはいられなかった。

なんて大きな人。



家に帰った後

昔から好きだったキムの録音のひとつ、“アストゥリーナ”を久しぶり(何年振り)に聴いてみる。

マンチェスターに来てからは一回も開いてなかったこのアルバム。

ジュネーヴにいたころはよく聴いていた、スペインの小品集。

わぁ、キムの音だってそれぞれの録音から感じて

とても嬉しくなって…

音楽の世界は時に

色んな意味で嫌になることも多いけれど

この録音を聴いて、キムの演奏やプルシャコブでの彼女との会話を忘れない限り

自分は何にも左右されず、いつでも自分らしくいられるんじゃないかなと思うようになりました。

人との出会いというのは

本当に宝物です。


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牧野葵美。

気ままなヴィオリスト。
性格は「粘り強いけれど、反面しつこい」と友達に言われ、はや15年。
熱中すると周りが見えないバカ。
4年間のスイス・ジュネーヴで生息の後、マンチェスターにて放浪。
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