はじめに 

March 11 [Fri], 2005, 15:25
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-赤-
ファンタジー要素有。
魔法使いヴィーノ=ナードの活躍(?)。

-白-
現代ファンタジー風味

-ロゼ-
固定キャラ無しの色々雑多もの

[1] 

March 14 [Mon], 2005, 17:27
[1]

魔法使いというのは一般に、杖をつかって呪文をとなえて魔法を発動する、というのが相場だけれど、世の中にはそれには当てはまらない魔法使いもいる。当たらずとも遠からず、といったかんじだ。

「ヴィーノ!」

声はそう高くなく、けれども野太い男の声とは遠い。
人ごみの中、よく通る声であることは確か。
呼ばれた男はその声に振り向くことはなく、雑踏を歩き続けた。声はしばらく数回呼んでいたが、あきらめたのか、追いかけてもこなくなった。
ヴィーノはそれを確認すると路地裏に入っていった。
そこは安宿が立ち並ぶ、治安の悪い場所だった。光が強ければ陰ができる。ここは、輝かしい王都の中で一際闇の暗い場所。

「まったく。しつこいったら」

ヴィーノは独り言でもいうように眉をしかめ、湿っぽい路地裏を歩いていった。
歩いていくと、進行方向の先に淡いランプが輝いている店があった。そこのドアにするりと身体を滑らせると、ぽっかりあいたような闇の中に姿を消した。

「留守か?いるのか、どっちだ!」

闇は深く、右も左もわからない。
その中を、ヴィーノは特に不便もないとでもいうように呼んだ。すると。

『相変わらず元気がいいな、ヴィーノ』

声は闇に反響してどこから響いてくるか分からない。
ただ、闇はヴィーノが入ってきた時よりも暗く渦巻いていた。声が響くと、その渦をかすかに振動させた。そして、音もなく。そっと先を尖らせるように闇が収縮していく。

『答えは?』

闇は霧のようにうごめくと、気がつかないヴィーノのズボンの裾から、袖から、襟から侵入した。

「考えた。オレの答えは"了"だ」

闇はヴィーノの足をするすると登り、身体の中央でとまった。袖から入ってきた闇は胸のあたりでとまった。
闇を振るわせる声は密かに笑い、言った。

『覚悟はできている、ということか』
「お前が覚悟しろといったんだ。条件が良いから、オレは腹をきめた」
『そうか』

闇は笑い、少しずつ、霧が晴れるようにその姿をあらわしていった。
霧のような闇は集まり、形作って。一人の人間のような形を作り出した。
どこが最後かわからないような長い黒い髪、闇を見据える金の目、赤い唇と長い爪。

『お前の勇気に幸福を。私のすべてをお前にやろう』

声は低く笑うと…ヴィーノに近寄り、そっと股間のふくらみを撫でた。

[1-1]へ

[1-1] 

March 14 [Mon], 2005, 17:30
「………っ」

男はビクリと震えるヴィーノを見てその顔に刻む笑みを深いものにした。

『魔法使いが…術を覚えるためには、またはそれを使うのに。このような取引をしたことは私の意識のある上で一度もなかった。それを受け入れたお前に、私はすべてをやろう。しかし』

それは予想以上の苦痛を伴う。
そう言い、ヴィーノの股間をつかみ上げた。

-**-**-**-**-**-**-**-**-**-**-

魔法使いの中でも、ヴィーノのような魔法使いは珍しい。素質がないとできないため、その力をもつものは魔法使いの中で最高位の称号をあたえられる。
紋様の力。
通常であればその紋様をみることはできないけれど。魔法を発動するとき、白い光が紋様を描く。それは身体に刻み込まれたもので、通常の魔法使いはよくて両手首、しかし力がそれほどでもなければ、片手にしか紋様は刻み込まれない。紋様の多ければ多いほど、強い魔法使いであるのだ。
一つ魔法を覚えるたびに、それはかってに増えていく。

「……ぅ、」

闇に湿った声が響く。
目をこらしてみよう。そこにいるのは。その声を発しているのは…?

「……ん…」

ヴィーノ。
闇のなか、全身から光の紋様を浮かび上がらせ、全魔力を総動員して。
闇のなか、どこが上か下か分からないそこにヴィーノはいる。足を大きく広げ、隠すものもないままにさらされている。
が、通常と違うのは…

[1-2]へ

[1-2] 

March 14 [Mon], 2005, 17:32
開かれた足の間、足を固定するいくつもの黒い筋。腕をつられ、自由を奪われて。
宝石のような緑の目は闇で目隠しをされ、足の間の筋に翻弄されている。肌はほんのりと赤くなり、刻まれた数々の文様は白く浮かぶ。

『美しい』

声は闇を震わせ、それはヴィーノへと繋がっている闇をも震わせ、ヴィーノは口から甘い声を発した。
ゆるい振動。
闇は追い立てるように、けれども急かさないでゆるゆると焦らしながら、ヴィーノを翻弄していた。
ヴィーノの股間の先端からその筋は入り込み、時折ぬるい液を垂らす。

『苦しいか?』

声はさも楽しそうに。
ヴィーノはそれに答えるだけの理性がない。

『せいぜい楽しませてもらおうか、魔法使い』

声は響いて。
今ヴィーノの体内には甘い蜜があふれている。闇の出す、強烈な媚薬だ。それを魔力に抵抗がない人間があびると、瞬く間に命を落とす。けれど。
抵抗のある魔法使いはそれを克服すれば、さらにランクアップの魔法を手に入れられるのだ。
達しないようにせき止められ、命が負けるか闇が負けるかの戦い。それに勝てればいいのだ。
ヴィーノはただ命をつなぎとめ、それに耐えていればいいのだ。
闇はそれが楽しいとでもいうように、さらにヴィーノを追い立てる。
闇との戦いは、はじまったばかり。
幻覚が、ヴィーノを襲う。その幻覚に勝てれば、ヴィーノ自身の勝利になるのだ。


[2]へ 続く
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