お知らせ 

2005年04月29日(金) 0時13分
開設したばかりなのですが・・・

復帰したばかりの臨床の仕事に専念したいため、この「 診療日記 」を
一時休載します。

こうして、文章にまとめるには、まだまだ現実を知らなさ過ぎるのでは・・・
という自問自問が、この2週間ほど続いていました。

自分の専門性を皆様に示すには、まだ記事尚早という感を強くしました。


もう少し、いろんな意味で、余裕が出来た頃、
また再開したいと思います。

それまで、少しお休みさせて下さい。


専門家とは 

2005年04月28日(木) 0時41分
スタッフルームの臨床獣医学の図書の中に、
アメリカの獣医学の専門家の本があった。

「 専門家としての倫理 」

== 専門家とは、
  社会において、特別なスキルおよび特別な特権を 必要とする、
  きわめて重大な仕事を行う人々である
。==

と記述されている。

そして、
これは、あるTVドラマのなかでの台詞だけれど、

「 誰だって失敗はするんだ。
  今後、何度も失敗する。

  それに、どう対応するかで、 プロとアマの差が出るんだ。

  一生懸命、練習しなさい。
  仕事も人生も、まずは練習だ。

  決して、諦めないこと。
  そうすれば、胸を張れる日が来る
。 」

” 自信が無くなった ”
という部下に、優しく諭す上司の言葉である。

本音を言うと、今の私がそうなのだ。

「 こんなはずではなかったのに・・・ 」

と、うまく出来ない自分の未熟さに、自信が無くなる。
「 専門家 」としての、長い道のり、超えがたい高い壁の存在を、
ひしひし感じる日々。

それでも、
どんなところからでも、こんなふうに勇気付けられたり
はっと気づかされたりする。

自分が、腕のいいドクターに成れるかなんて、
考えて立ち止まっていても、しょうがない。
とにかく、出来る範囲の努力を毎日やって行くしかない。

そう、とても単純なことなのだから、
迷ったら、立ち止まって考えて、そしてまた始めて・・・
そんな繰り返し

今の私は、それで精一杯・・・




救急治療とジレンマ 

2005年04月25日(月) 23時10分
私の勤務する病院は、
24時間体制の救急病院としても機能している施設だ。
そのため、
研修中のドクター達は、一日一日、急患が入るたび、
その治療のすべてが終了するまで、帰宅できない状況にある。

そんな中で、
私は、この仕事を始めるまでの研究の仕事の苦い経験から
たとえ、何があっても、子供を犠牲にするのような
勤務時間の使い方は、絶対繰り返さないようにしようと誓っていた。

勤務条件も、
事前に院長と話し合って、深夜に及ぶ勤務は、避けるよう
配慮してもらった。
それでも、週3日は、午後9時までの勤務時間になっている。

ERは、大体において、
一般の開業医院の診療業務の終了後の夜8時以降が
断然多い。
そして、
急患の動物が持ち込まれて、院内に緊迫した空気が流れる中、
私は、そっと、処置室から離れなければならない・・・・・

それは、私にとって、相当のジレンマだ。

臨床獣医師としての経験も腕も自信もない、今の私にとって、
数多くの臨床例に立ち会って、学んで行くことが必要であることは、
明白だからだ。

途中で抜け出すことによる、「 中途半端 」な、
不完全燃焼の気持ち・・・・・

年齢的な体力の衰えも、物凄く実感している。

「 疲れた・・・ 」
「 足が棒のようだ。」

などと、とても愚痴を言えない。
私なんかより、ずっと長時間治療に携わっている先輩や同僚の手前、
こんな楽な仕事振りに泣き言は言えないなあ・・・

それでも、やはりこれ以上勤務の拘束時間を増やすことは出来ない。
息子と過ごす時間を大事に確保してしていかなければ・・・

そういうジレンマを抱えた毎日。



大切な命を扱うということ 

2005年04月25日(月) 13時05分
診療の現場に戻ってきて、
まず、私の中での大きな変化は、
それまで、道や公園でであったペット達やその飼い主さんたちに対して、
見つめる眼が違ってきたように思う。

それまでの私は、
正直言って、小型犬と飼い主さんが苦手だった。
甘やかし放題の我がままぶりが、好きになれなかった。
だから、ずっとそんな人たちと接するクリニックの仕事を
避けてきていた。

それがどうだろう。

病院には、ドクターの私が好むと好まざるに関わらず、
毎日、様々なペットが来院し、 入院した動物達の処置をしていく。

そんな毎日を過ごすうち、
「 どんな犬や猫であっても、雑種であろうが、純血種であろうが、
  飼い主さんにとっては、かけがえのない大切な家族の一員だ。」
ということを、改めて感じるようになった。

可愛がられている彼らは、本当に従順に私たちの処置を受けてくれる。
( もちろん、新米の私の手に掛かると、へたくそだから、
余計な痛みや苦痛を与えるせいで、 噛み付いてきたりするけれど、
まあ、それは致し方ない・・・ 苦笑 )

特に、老齢になったペット達は、 入院して、治療を続けているので、
日々回復していく姿に、嬉しそうに面会する姿や
容態が悪化していく姿を、ケージ越しにじっと、
何十分も見つめている老婦人の姿・・・

治療するこちらも、切なくなってしまう。

食事もとれず、点滴生活の中であっても
家でとてもとても好物だったからと、色々餌を持ってきて
食事の時、少しでも食べてくれるよう置いていく飼い主さんたち。

そこには、「 限りない愛 」がある。

どんな人にとっても、
自分の人生を供に生きてきた、「 愛しいもの 」の姿が
そこにある。

生あるものには、必ず訪れる 「 死 」というもの。
そして、
「 病気を直すということ 」について、
彼らは、未熟な私に、とても大事なことを気づかせてくれる。

動物医療現場に戻って 

2005年04月24日(日) 10時54分
「 獣医師 」免許は持っていたが、
本格的に小動物の臨床の仕事についたのは、
今回が、実を言うと初めてだ。

無論、正確に言えば、アフリカ生活の2年間では、
曲がりなりにも、診療を行っていたけれど、
もう、随分昔のことだし、その間、小動物の診療技術も飛躍的に進歩している。

むしろ、私にとっては、
今年新卒のドクター達よりずっと下の技術力と知識だろうと思う。

そういった中で、毎日、無我夢中で過ごして行く中で、感じることがあり、
それを、時間的に余裕のある日に、少しずつ記事にまとめて行こうと思う。

「 診療日記 」というよりは、 「 心情日記 」
といったほうがいいかもしれないけれど・・・・

今年最後のクリニックへ 

2004年12月22日(水) 11時08分
今日、来年からの勤務の確認と今年終わりの挨拶に
クリニックに行ってきた。

実に久しぶりに、勤務先のある街に降り立った。
電車を降りて、駅前の通りの銀杏並木の、
黄金色の輝きが目に入った。
とても綺麗・・・

ふと、この紅葉の風景を見なかったこの秋を
惜しく思う気持ちが沸いてきた。

( 来年は、この美しいヨーロッパの街並みのような
銀杏の並木道を毎日通っていよう。)

そう、思った。
クリニックの待合室で少し待っている間、
病院食の数々を眺めているうち、これから始まる臨床の世界に、
正直、すごく不安を感じてしまった。

自信がない・・・

そんな私の視線の向こうに、
おとなしそうな老犬を連れた年老いたご婦人の姿が
目に留まった。
診察を待っているのかな・・・

「 ええ。。なんだかね、点滴をしているんですよね。
  こちらに入院をしていてね。
  ちょっと今、散歩に連れて行ったところなんですよ。
  ずいぶんと元気になってね。
  もう、こんな年取っちゃんたんですけどね。」

と、私に話しかけてくる。
とても性格のよさそうな雑種の茶色の犬だった。

「何歳なんですか?」と、私が尋ねると、15歳だという。
そんな会話を、人の良さそうなその飼い主さんとしているうちに、
私の心の中に、だんだん前向きな気持ちが戻ってきた。

私が、獣医学科を受験することを決めた、あの高3の春の日。

車にはねられて、道端にうずくまっていた野良犬の姿。
そんな、誰にも見向きもされない動物達を助けたい・・・

そう思って、獣医になることを決めたあの時の私。

そんなことを思い出していた。
やはり、この道を進もう。
頑張ってみよう。

自分の気持ちを再確認して、病院を後にした。
我が家の猫の病気治療さえ、まだまだ満足な判断ができない・・・
未熟な私の現時点の臨床医としての実力。

しかし、千里の道も一歩から。

さあ、来年新年からスタートだ。





まだ準備中ですか? 

2004年12月09日(木) 11時07分
気がつけば、既に11月。

初秋に始める予定だった病院勤務だったのだけれど、
なんだか、専業母親業からリタイアするのが、惜しくなってしまったのかな。

本編サイトのリニューアルを控えているのだが、
この診療日記、勤務開始を機にアップするつもりなのだから、
公開が随分遅れてしまった。

休んでいるうちに、人材登録をしている会社の担当者から、
研究関連の仕事を紹介してくれた。
一瞬、9時5時勤務で、土日、祝日休むことが出来る仕事のほうが
子供と向き合えるから、いいのでは。。。
と、気持ちがふと動いたりする。

しかし、自分の年齢を考えて、やっぱりチャンスは今だと思う。
院長先生にメールを打って、来週から始めると伝えよう。

自宅にいて、診療関連の勉強をしているかと言うと
そんな感じでもなくて、
やはり、白衣を着て初めて、プロ意識をもてるのだと痛感。

実際の勤務開始までは、ノンビリお母さんの顔だ。
これから、私らしく「 ワーキングマザー 」としての人生を再スタート。

来る2005年を充実して過ごせるように。。。






そろそろ始めます 

2004年10月22日(金) 11時05分
臨床の世界に戻ると決めてから、数ヶ月経ちました。

一度始めたら、
なかなかプライベートの時間の自由がなくなる仕事なので、
思い切って息子とじっくり向き合って、専業母親をやってきました。

「現場の勘 」みたいなものを忘れてしまいそうになって、
少し焦りがあります。
でも、一方ではその第一歩を踏み込む勇気が持てない自分がある
のも事実です。

先日、卒業以来初めて、
所属していた研究室の同期会に出席して、
そんな私の肩を、旧友達が後押ししてくれました。
彼らは、既に立派な先生達。
私は、ずっと家畜衛生や研究の畑で生きていたので、
臨床の世界のピーンと張り詰めた空気に触れ、武者震いというより、
畏怖の感が迫ってきています。

休んでいる間、やはり、専業母にも向いてないと気づいた私。
心して戻ります。





Cat Hospital 

2004年10月13日(水) 11時04分
いよいよ、来週から病院勤務開始。
ずいぶんと、ゆっくり休んでしまった。

小学2年生になる息子の、
寝る前の読み聞かせ用の本を
図書館から定期的に借りてきている。

ここ数日の読み聞かせの本は、

「 ネコのタクシー アフリカに行く 」

という本だった。

我が家にネコを飼っていることもあり、
息子も大のネコ好き。
興味深く聞いていた。
今夜で、それもやっと読み終わった。

なにげに、最後の著者紹介を読んでいて、これを書いた著者が
獣医師であることを知った。

作家であり、東京でネコ専門の病院を開いている、現役の先生。
その人の著書を調べていると、
ネコに関する専門的な飼い方の本も数冊出していた。
奥さんも獣医師。
二人して、病院のHPを持っていて、興味深い。

私がこれから勤務する病院もHPを開設しているのだが、
これから、私も本格的に臨床のプロとしての道を
きちんとビジョンを持って進めていかなければならないと
二つのHPを読みながら、改めて思った。

実は私も、猫専門の医者になろうかなどと、
漠然と思ったりしている。

しかし一方では、
今まで、ずっと大動物を対象としていたから、
大きな動物も大丈夫かもしれないとも思っている。

毎日の診療業務量がどれくらい影響するか、
体力的な問題もある。

とにかくまあ、これから総合病院で
いろんな種類の動物を診る研修をしていくうち、
自分の得意分野が見えてくるのだろう。

だから、将来の方向性は、初めから決めることもないのかもしれないけれど。

そして、それは、私にとっては、まだまだ経験不足の
新米ドクターの未来への不安でもある。

本当に、腕のいいドクターになれる素質があるのだろうか。。。
と、
ものすごいプレッシャーに襲われてくる。

少し、長く休みすぎたのかな。。。
いやいや、
とにかく眼の前にあるドアを開けて、一歩を踏み出そう。



長いインターバル 

2004年08月29日(日) 11時02分
結局、勤務は9月からの開始にしているので、
ノンビリ息子と一緒に夏休みの毎日。


そんな夏の日々の中、先日深夜放送の映画を観て、
改めて臨床獣医師の仕事を選んでよかったと素直に思えた。



映画タイトル:「My Dog Skip」(2000年・Warner Brothers)
少年と犬との心の交流の話。

1940年代のアメリカの原作者の実話に基づいた話。
誕生日の贈り物に一匹の子犬をもらった少年が
その犬との生活を通して、愛にあふれる人生を学んでいく。

久し振りに、綺麗な画像で、ほろりとした映画だった。
棒で殴られて死にそうになった犬を獣医さんに連れて行って、
心配そうに見守るなか、息を吹き返したシーンは、
なんか自分が獣医で良かったなあって思えて、
暖かな気持ちになれた。

少年が大学進学のため、イギリスに旅立ったのち、
11歳になった老齢のスキップが、
少年の部屋で静かに永眠するところは、やっぱり涙が出てきた。

なんか、Jupiterを思い出してしまった。


なかなか、診療日記にならない内容なので、更新が停滞している。


2005年04月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:veterinary3
読者になる
Yapme!一覧
読者になる