ケニアでのムエタイ  2004年10月10日(日)
 去年からムエタイ(タイ式キックボクシング)のジムに通い始めてみた。なんでムエタイなんか過激なスポーツを始めたのか・・・。一番の理由は「力が強くなりたかったから」。去年、ロバの去勢手術でエマスキュレーターという睾丸を切り取る手術器具が閉じる力がなかったのが自分的にはかなりショックだったからである(なんつー理由)。二番は「三十路前に体を鍛えなければ」という切羽詰った思いから。

 ナイロビで出来そうな運動、エアロビ、柔道、テコンドー、いろいろとチョイスがあったのだが、偶然友達の一人がムエタイを始めたばっかりだったので一緒に行ってみることにした。

アダムスアーケードと呼ばれるショッピングセンターもどきのエリアの2階にあるジム。1回1時間半から2時間のレッスンを月に12回できて、入会料は月1000シリング。ドルで12ドルぐらい。ということは、1レッスン1ドルってこと?安い・・・。他のスポーツよりも安いので、一ヶ月分を払うのもいいかと思い、ついつい1ヶ月分のレッスン料をつられて払う。

 ムエタイ・ジムの主将(マスター)はオランダ人のおじさん。おじさんって言ってもとても43歳に見えない。背が小さいくせに95キロの筋肉の塊で、おまけに髪の毛をそりあげたツルツル頭。かなり怖い・・・。なんかK1の南アの選手、マイク・ベルナルドにかなり似ている。なんか間違った所に来てしまったのでは・・・。

「Welcome to Muay Thai!」

 なんか緊張してお腹痛くなってきた・・・。いきなり運動不足の私がこんなハードコアなスポーツをやっていいのだろうか。私達ビギナーのクラスはマスターではなく、彼の愛弟子の上級クラスのケニア人青年4人がコーチとなって教えてくれるらしい。

「Ok! Let's Start!」


私のムエタイ・パンツ。ケニアの古着市場に時たま入ってくるタイからの流れ物。真中に書いてある文字はタイ語が分かる人材がいないので何を書いてあるのかまったく分からない(変なこと書いてないことを祈る)。
 
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大事な馬の角膜移植手術  2004年10月05日(火)
 今日は大事な馬の角膜移植手術。なのに昨日何か悪いものを食べたようで、お腹がキリキリ痛い。でも、無理して一緒にムエタイやっている獣医さん(ノニー)が執刀する手術のアシストに行ってきた。ノニーはケニア生まれのインド人女医さん。今までイギリスで12年ほど働いて、去年ケニアに帰ってきた。動物の眼科のスペシャリストである。普段はムエタイ・クラスで彼女にパンチやらキックやらあびさせているが(私の方が強い)、今日は私が彼女の見習い。

 カレンと呼ばれるナイロビ郊外は馬を飼っている白人が多く、今日はカレンで手術。馬の目に corneal ulcer が出来ており、角膜を移植するのだそう。ノニーが執刀医、私が実習で通っている馬のインド人獣医さんのバーマさんが助手、見学する獣医学生が私を入れて4人、ギャラリーは馬の飼い主さん2人、馬方さん数名、そして何故かノニーがつれてきたムエタイ・マスターとオランダから遊びに来ている彼の弟とコーチ。マスターは来たくなかったそうだが、弟さんが馬の手術が見たい!だだをこねたらしい。かなりの数のギャラリーである。

(写真は庭でする馬の手術。絶対先進国ではありえないはず!)

 1時間ほどの手術はうまくいったけど、その後で馬が麻酔からさめる時にとんでもないハプニング。馬が麻酔から起きあがる前に器具をかたずけようとしていた時に突然馬が起きあがった。麻酔のモニターをしているはずの男の子は手術を見ようとばっかりしてちゃんとモニターをせず、麻酔が切れかかっているのに気がついてもいなかったのが原因である。
 
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ドッグ・ショーに行く  2004年10月03日(日)
 今日はアニマルシェルター主催のドッグ・ショー。友達のインド人女医さんのノニーが1ヶ月ほど前から来てねと騒いでいたので日曜の午後にドッグ・ショーに行ってみることに。ショーが開かれるのはKSPCA (Kenya Society ofProtection and Care of Animal)というアニマル・シェルター。ノニーが働いている
場所で、4年ほど前に私の6匹いる犬のうちの一匹、マイレをひきとった場所でもある。

「マイレも連れてくるように!」
 
 朝、夜間の穴堀りが大好きなマイレは白いはずの毛がなぜか赤茶色。今日はマイレの大事な里帰り、断水で水がなかったのに貴重なタンクの水でマイレを洗ってあげた。

「"Best KSPCA Dog"ってカテゴリーがショーにあるから、マイレを入れたら?」

"Best KSPCA Dog"っていうのはシェルター上がりの犬のカテゴリー。参加するためにマイレをレジストレーションすることに。

「はい、ここに犬の名前、ここに飼い主の名前と住所を書いてください。200シリングです」

 な、なに・・・、200シリング?この週は銀行に行く時間がなく、月曜まで100シリングで生きようと思っていた。お金がないのでノニーにショーもただで入れてもらったのにー。

「すみません・・・。車にお財布を置いてきてしまって・・・。ごめんなさい、参加しなくていいです・・・」

 慌ててマイレと私の名前の上にキャンセルの線を引こうとした。すると、

「ちょ、ちょっと待って。僕が払います。払うから参加してください。参加者が足りないんです」

 身も知らないショーの司会者のオジサンが200シリング払ってくれた。ラッキー♪

「私がジャッジだから心配しないで」

 登録を済ませると、ノニーが私に耳打ちしてきた。参加犬は15匹。ショーグラウンドに15匹が出ると大変。ワンワン吠える犬、びっくりして後さずりする犬、ウンコもら犬、いろんな犬がいる。マイレは最初は人前に出るのにびっくりしていたものの、だんだん慣れて私の横にぴったりついてショーグラウンドを堂々と歩いてくれた。

結果は「Best KSPCA Dog」で4位の成績!

いつもはシャイなマイレがこの日は4位のピンクのリボンをもらってとっても誇らしげな
表情だったのが印象的だった。


なんかうれしそうなマイレ。

 
   
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暴動で大学が閉校!?  2004年10月01日(金)
 ちょうど今から4年前の2000年の10月、ナイロビ大学に通いはじめて二週間目のこと。いつものように大学に行くと、車の進行方向とは反対の方向へ大勢の荷物を抱えた生徒達が歩いているのが見えた。「なんじゃー?」と思いクラスに行ってみると、生徒は私を入れて2人しかいなかった。いったいどういうこと・・・?

「あら、生徒達はどこなの?」

細胞学の教授がクラスに入ってきて驚いた。どうして生徒が消えてしまったのだろう・・・?三人とも事態を把握できない。

「何をしているんだ、キャンパスはクローズだ。家に帰りなさい。」

他の教授が入ってきて言う。クローズ・・・、何のこと・・・?

「生徒達の暴動のおかげで大学は閉まったんだよ。閉校だよ、閉校。」

「は・・・? いつ開校するんですか?」

「まだ分からない。とりあえず、家に帰って待っていなさい。開校は新聞やラジオで放送するはずだから。」

「そ、それはいつですか・・・?」

私の質問を無視して教授は足早に消えた。おいー!

話はその日の2日前にさかのぼる。獣医学部のカベテ・キャンパスに通う生徒がマタトゥー(乗合バス)に乗ってマナンバと喧嘩したらしい。マナンバとはマタトゥーに乗ってお客からお金を集める男の人である。なんでも毎回違う乗車料金をチャージされているので、

「昨日は○○シル(シリング)だったのに、何で今日は○○シルなんだ?」

と生徒が怒ったらしい。口論が始まり、生徒がカベテで降りた時に取っ組み合いの喧嘩になったようである。ぶち切れたマナンバはカベテの実験室に乱入して医療器具の破壊行動に走った(余計なことしないでよねー、ただでさえ器具不足なのに!)。カベテの生徒が切れて、次の日にマタトゥーを乗っ取り、暴動を起こしたらしい。しかし、笑えるのはそのマカンガのマタトゥーを乗っ取ったのではなく、カージャックされたのは、まるで関係ないマタトゥー(カベテ行のマタトゥーでさえない車だった)。
 
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Posted at 20:36/ この記事のURL
アフリカで野生動物獣医さんになる!  2004年09月24日(金)
1996年にケニアに初めて訪れた時から、ふと気がつくと早いものでケニア生活も合計すると5年半になってしまった。最初はドキドキや驚くことだらけだったナイロビ生活も、最近はすっかりケニア化してしまってロバ車が走っていようが、高速道路を車が逆走しようが、普通の出来事に思えてしまう今日このごろ。

「獣医はこの先お金になるから、あなた卒業したら獣医学校に入れば?」

アメリカの大学で生物学を専攻していた時、母に言われたことがある。

「獣医なんてなりたくないもん。」

別にペットの面倒を診たいとは思ってなかったし、アメリカで働こうとも思ってなかった私は、獣医の道を進める母の言葉に対してぶっきらぼうに「NO!」と答えたのを覚えている。じゃ、なぜ今ごろ獣医学部になんて通っているんだって?それを話すと長くなってしまう。

21歳の時、生まれて初めて長年の憧れだったアフリカの土地に足を踏み入れた。小さい時から動物が好きで、「将来は動物学者になってアフリカで研究をしたい」と思ってケニアに旅立っだった。年々深刻になっている環境保護問題に、自分も何か助けになる研究をしたい、そして絶滅にひんしている動物を保護する活動をしたい!なんて、かなりのロマンチストで、なにか使命感のようなものに駆りたてられて、ケニアに向かっていたような気がする。
 
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Posted at 20:27/ この記事のURL
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