もしかしたら、医師が思っているよりも多くの患者さんが実際は、がんではないのに、「自分は、がんだった」と、不安を抱いてい

November 17 [Mon], 2014, 18:12

患者さんを診察するときには、これまでかかったことのある病気について聞きます。既往歴といって、大事な情報の一つです。

さて、既往歴を尋ねると、「肝臓ポリープ」にかかったことがある、と仰る患者さんがいました。でも、肝臓にはポリープはできません。ポリープは粘膜の表面に盛り上がった病変のことを指しますから、普通は胃や腸などの消化管や胆嚢にできます。

「肝臓ポリープ」と患者さんから言われたら、「胆嚢ポリープか肝臓の腫瘍のことであろうなあ」と、医師は頭の中で変換します。その患者さんの「肝臓ポリープ」は、診療情報提供書などから、肝細胞がんのことだと判断できました。

患者さんが、なぜ勘違いをしていたのかは、よくわかりません。「がん」や「腫瘍」よりも、「ポリープ」のほうが軽い病気のような響きがするからでしょうか。患者さんの多くは、医学の専門家でないから、医学的に不正確な申告があって当たり前です。そのことを頭において、医師は情報を吟味し、判断しなければなりません。

「肝臓ポリープ」というありえない病名であれば、何かおかしいとすぐ気付くことができますが、ありそうな病名だったり、申告してくれなかったりする場合もあるでしょう。いったい、既往歴の自己申告は、どれぐらい正確なのでしょうか。がんの自己申告の正確さについて調べた研究が参考になるでしょう。がん登録調査をされている人たちにアンケート調査をしてみたところ、がんの自己申告の正確さは高くないことがわかったそうです。

がんの自己申告の正確さについて(がん予防・検診研究センター予防研究部)

これらの結果を照合した結果、何らかのがんにかかった人全体のうち、アンケート調査でも「がん」にかかったと自己申告していた人は、53%でした。また、「がん」にかかったと自己申告していた人のうち、本当にがんにかかっていた人は60%でした。これを言い換えれば、47%の人はがんにかかってもそれを知らないか言いたくないなど、何らかの理由で「がん」にかかったことを自己申告しない、また、40%の人はがんではなかったのに「がん」にかかったと誤って申告したことになります。

そういう例を経験したことも、あるのはあります。「がんの疑いがある」と説明して、検査したところ、結局は、がんではなかったのですが、患者さんの記憶では、いつのまにか、がんの治療をして治ったことになっていました。「がんの疑いがある」という説明を、患者さんによっては、「がんである」とほとんど同じように受け取ってしまうようです。がんにかかっていたのに「がんではない」と申告するのは、病名を知られたくないことや、告知されていないことで説明可能です。逆に、がんにかかっていないのに「がんである」と申告する人も結構多いのです。「がん」にかかったと自己申告していた人のうち、40%の人はがんではなかったのです。

ただ、そういう例があるにしても、40%もの人が、「がん」にかかったと誤って申告したというのは、私にとっては驚くような数字です。いったいなぜ、そのような数字になったのかを知りたいのですが、その考察はなされていませんでした。もしかしたら、医師が思っているよりも多くの患者さんが実際は、がんではないのに、「自分は、がんだった」と、不安を抱いているのかもしれません。そうだとしたら、余計な不安を抱かせないような説明が必要になります。

また、「○○療法で、がんが治った」とされる代替療法の体験談の一部は、患者さんの誤解で説明できそうです。実際は、がんでないのにがんであると思い込んだ患者さんが、代替医療を利用した後で、「がんでない」と言われたら、「代替医療が効いた」と誤認してしまうでしょう。こうした例も経験したことがあります。

巨人倍増
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