眠りの歌 

2006年06月06日(火) 2時13分
青い月下で兎は一羽
つながれた鎖に惑うが
滅びの足音は近づく

罪は罰
罰は罪

哀れなるのはどちらでもなく
罪を知らず罰も受けぬ民人たち

だが

終わりを告げる笛の音が響くとき
驕れる彼らに罪悪の雨が降る
裏切りは堕美酒の露
背徳は贄が鼓動の寵愛

その愛憎の鎖に絡まれた兎が
愛に飢えたまま孤独の中で
密やかな眠りにつくと

蒼月の輝きが静かに包んだ

黒い翼のアリエス 

2006年06月06日(火) 2時10分
 赤い太陽が昇るたび
 アリエスは惑って涙する

 施錠された精神の檻
 風さえも通らぬ場所
 囲われたままに朽ち
 失意に倒れた七匹の牡羊

 始まることさえ知らず
 終わることを聞けぬ残骸に
 アリエスは今を忘却する

 廻る天球の向こう
 巡る命の回帰
 精神の高みは輝きの中に無く
 落ちた漆黒の底で白い魂を羨んだ

 だが刻まれた記憶の代償
 その翼を縛る鎖を解き放つため

 今こそ

 羽ばたき駆ける天恐ろしく荒城たる原野
 射した月が翳る空を撃ちて討つ世情の法へ

 戦いを挑むのだ

 終わる命が終わらない世界
 終わらない世界が終わる場所

 祈り掲げるなら剣を振るえ
 夢語る前に進んでつかめ
 
 アリエスは羽ばたく
 その黒が天に昇った時こそ

 新しい神が産声をあげる

落日庭園デカダンス 

2006年06月06日(火) 2時08分
 


 神は死に
 光は落ちた

 繋ぐ鎖に悶える囚人
 楔と契って腐りゆく
 
 嘆きが覆う
 世界で笑う

 道化師の仮面が一条の線をもって瞬く
 終焉の庭は黒よりも灰にて吹く風に散るが
 希望振る杖に望み繋いだ三人の使徒

 一に現在
 二は未来
 三で残した過去破る
 
 裏切りに堕ちた未来は今を失い
 滅び退廃朽つ世界

 言葉をつむげ
 無情につむげ

 暗き深遠の顎の中に我も我よと喰われ行く美醜
 美しさに滅ぶ激情に集い集われ廃狂う庭園の中

 ただ永遠に懺悔しよう

滅びの歌 

2006年05月20日(土) 23時34分
 すべてが滅ぶ少し前
 羽ばたきが空から降りて
 世界を木漏れ日が優しく包む

 嘆きの歌を奏でる二頭の子山羊
 刻まれた罪がその純白の徴を黒に染める時
 太陽の輝きは翳って祈りは凍る

 彷徨う魂は悲しみの旅路に愛を探しながら
 迷いの小道で抱きしめた兎と涙して
 そっと眠りにつく

 あの果てにあるどこでもないところに
 誰もいけず誰も感じぬ記憶の底
 罰に脅え昇ることを忘却した三日月が
 湖底で終わりをただ待っている
 いずれ傾く日の代わりに闇が訪れ
 懺悔する罪人たちに安らかな終息を与えるため

 湖では傷いた少年が願う
 僕は忘れていたい
 狭間にすむことに疲れた
 もう何もいらないから
 ぜんぶ
 ぜんぶ滅んでしまえばいい

 今望みは叶えられた

 哀しみの渦が溶け込んで
 何もかも
 何もかも
 音に換えて消し去っていく

 すべてが滅んだ少し後
 地上から羽ばたく影一つ
 そして世界を暗闇が静かに包む

 
 けれど
 少年は
 また歩き出すしかない
 幾度滅びの歌が地を覆
っても

獣の闇 

2006年04月28日(金) 21時05分
 爛れたこの身を生贄に
 淀んだ尻尾を引き出そう

 あなたがどれほど抗しても
 獣の証はそこに在る

 狂おしいほどの渇望と
 望みもしない夢の果て

 支えは砕け 崩れ堕つ
 
 その掴んだ輝きの全てを賭けても
 獣の闇は忍び寄り

 それを喰らえと  

 泣き叫ぶ
  

迷兎 

2006年04月27日(木) 22時01分
幾度となく逃げ
 苦痛を逃れ地に這うと
 天を仰いで涙をこぼす
 穢れた森に兎は一羽

 叫ぶ声も聞こえずに
 崩れた囲いでただ待つだけ
 その光が消え行く前 
 森に迷った旅人が
 兎をみつけ抱きしめ言った

 辛かったろうに
 もう大丈夫
 だから安心しておやすみ

 暖かな想いがその身を包むと
 深い眠りに兎は落ち
 赤い瞳をそっと閉じた
 
 
 

 

完全世界 

2006年04月27日(木) 18時04分
二本の剣を探し出して
  ちっぽけな現在を切り刻む
  天と地の境いも無くなった空間で
  自分なりの強さを探して歩き出しても
  吹きつける風の向こうにある
  その場所はとても遠く見つからない 
  走っても 走っても 過去は迫り
  追いかけても 未来に手は届かない
  この窮屈な気持ちをどれほど押し込めても
  その姿は映らない

  完全なる世界を目指し

  完全なる心を求め

  完全なる自分を創りたい

 
  崩れかけた想いを貫く偽善者の群れに
  痛みを隠し笑いながらボクはずっと偽る
  捨てたはずの守りたかったものなんて
  もうどこにもないのを知りながら
  ここという世界にただ求められない
  何かがあると言い聞かせて終わるまで走りつづけ
  いつか気づかないうち時が止まっても
  
  ボクはもう嘘を知りたくない

月読魔葬詩歌 

2006年04月26日(水) 18時04分
             
言葉は二重螺旋の意志を歪め
希望は静かに泣く
下り坂を転げ落ちた旅人は
悲しみの暗闇に迷い落ち
見つけたはずの真実さえ見失った

苦しみは無常の牙
情と欲が捕縛は黒き蜜
刃を掲げよいまこそ叫べ
彼の常闇王の名を
こは魔道の支配する場所
弱きは死に強きが全てを奪いつくす

欺きを捨て
真実を悟り
罪と罰の旋律に踊れ

さあ

その名の元に手を汚し
その名を讃え咎で贖え
血を血で洗い欲望狂い虚無さえも喰うがいい

天に理ありて地に獣 我は罪にて彼に罰

彩りのなか見出すは
太陽より儚きもの
暗がりの中見上げるは
闇に映える陽炎

月を仰ぎて浴びる月光 心に滾るは静かな満月
胸を叩くは希望の鋼 この手に掴むは自由の誓い

光あれ 光あれ 光あれ

今こそ清らかに祈り刻み
王を眠らせ魔を葬するが
月を読みし民の旅路


焚き火 

2006年04月25日(火) 13時13分

寒い

幾夜にぎわぬ街を抜け
輝く空を見上げても
凍えた想いが私を包む

きみは意地悪だな
きみは偽善者だな
きみは意味がない

そうだ

だが
求めたいものはそのどれでもない

現世流転は一時の夢
醒めた先にあるのは
樹氷に覆われた白蛇の胃
明日も昨日も
通り過ぎた道の残影ならば

怯える兎を火に焼べて
叫ぶ悲鳴も麗しい
掲げた肉を突き刺して
震える体を暖めたい

 

2006年04月24日(月) 19時15分


 
 溺れる心に酔いつづけ

 浮かぶ泡に繋がれるは

 水妖の微笑みに希望を見た名残

 この沈む街で冷たい人型に抱かれ

 滑る雫に溶けゆけば

 虚ろな愛を忘るることが
 
 できるのだろう

 刎ねる水滴忘却を

 水月まみえて脊に忘れ

 落ちた手足に

 接吻する

 もはや戻れぬ地の足跡
  
 浮かぶ泡に望郷を

 逃れぬ淵に舞踊る

 二つの眼に

 恐怖する
P R
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