ビバ☆地方出版 - 2004年11月17日(水)
『富士宮の道祖神』という本を持っている。富士宮市内にある双体道祖神の写真と説明がひたすら載っているという本だ。いわゆる地方出版だけどマニアには凄い人気らしい。ご当地民俗学というやつで、その内容のディープさには比類のないものがある。
そういう地方出版社によるその地方についての本で、よその場所から来た人が読んでも何が何だか分からないような本にぐっとくる。八重洲ブックセンターの地方出版コーナーなんかに行けば何時間でも時間がつぶせる。新潟県に分布する菌類図鑑とか、神奈川県の民話とか、西武線沿線グルメガイドとか、例を挙げたらきりがない。どの本も内容がひたすらまっすぐで、やたらとアツいのだ。どれもこれも地元に対する愛に溢れている。
だけど、こういう出版形態が存在するのは日本だけではなかった。コペンハーゲンの古本屋で、北欧にもご当地出版みたいなのがあって、それが現に息づいているという事実に僕は直面する。その本は僕の分からない言葉で書かれていた。なのに手にとってページをめくると言葉の壁を越えてそのアツさが伝わってくる。
ぐっときた。
というわけで、買ってきました。
そういう地方出版社によるその地方についての本で、よその場所から来た人が読んでも何が何だか分からないような本にぐっとくる。八重洲ブックセンターの地方出版コーナーなんかに行けば何時間でも時間がつぶせる。新潟県に分布する菌類図鑑とか、神奈川県の民話とか、西武線沿線グルメガイドとか、例を挙げたらきりがない。どの本も内容がひたすらまっすぐで、やたらとアツいのだ。どれもこれも地元に対する愛に溢れている。
だけど、こういう出版形態が存在するのは日本だけではなかった。コペンハーゲンの古本屋で、北欧にもご当地出版みたいなのがあって、それが現に息づいているという事実に僕は直面する。その本は僕の分からない言葉で書かれていた。なのに手にとってページをめくると言葉の壁を越えてそのアツさが伝わってくる。
ぐっときた。
というわけで、買ってきました。
| KIRKJURNAR Í FØROYUM(1979) 著者: Lasse Sørensen 出版社: Tusøla 『フェローの教会』というタイトルのフェロー語で書かれている本だ。たぶん出版社も地元。 フェロー語はゲルマン語の一つで、結構古い言葉。アイスランド語と似ているけどちょっと違う。そして難しい。ちなみにフェロー諸島はイギリスの北400キロに浮かぶデンマーク領の島々。 | ![]() |
![]() | 開くとまず地図が載っていて、フェロー諸島にあるたぶん全ての教会の位置が示されている。全部で62個あるらしい。地図の右上の方の、ここ、人住んでるの?みたいな小島にもちゃんと教会があったりする。右側のページは教会の名前と地名のリスト。教会そのものにはあまり興味ないけど、なんだかこういうデータベース的なものってムラムラしてきます |
| こんな風に、教会の挿絵の下に建立年(たぶん)と説明が書いてある。もしかしたら歴史めいたことも書かれているのかも知れない。北大西洋に浮かぶ小さな群島にある教会62個の歴史完全網羅。そう考えるだけで何だかぞくぞくしてくる。 ちなみにドラム缶の上に乗っかってるのは恐らくカツオドリの雛。地元に掃いて捨てるほどいるであろう海鳥たちの存在を積極的にスケッチに取り入れている辺りにも郷土愛が感じられてよいです。 | ![]() |
| 左はフィヨルド特有の切り立った山の麓に建つ教会の図。北欧好きにはこれはたまりません。 右、英語名でオイスターキャッチャーという鳥。教会内の小物のスケッチだけど、こういうのも結構多い。というか70年代フェロー人、随分かわいい仕事をしている。 ちなみに全ての絵はカーボンのモノクロだけど、どれも表情豊かですばらしい。しかも!!これ描いてるの、作者です。文章も挿絵も一人でこなす。燃えてます。 |
多分この本の作者って、一人で教会のデータ集めて文章書いて、さらに自分で島中を行脚して62個ある教会を回ったんだろう。
そして62個に及ぶ各教会のディティールまでくわしくスケッチして本にするという。
アツい。あまりにもアツいじゃないか。
こんな仕事は、よっぽどの教会好きか、もしくは島好きでないとできない。4万人程度の人口のこの島で、島の人にしか分からない言葉で教会の目録を作ってしまうとはどういうことか。それってつまり、少なくとも外部の人々に自分たちの文化を紹介する気はなく、むしろ内輪で読めたらそれでいいや的な心理が働いているのではないか。そこにあるのは商業的価値や学術的意義などという即物的なものとは次元を異にする愛、郷土に対する真っ直ぐな愛なんじゃあないのか。ええ、おい。
少なくとも、私は一人でそう思ってます。ビバ☆地方出版!
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